「もし私がお金持ちだったら、世界一周旅行をするのになあ…」「もしもっと時間があったら、あの映画を見に行けたのに…」なんて、現実とは違う状況を想像したり、過去のことを後悔したりすること、ありますよね。こういう「もし~だったら…なのに」という気持ち、英語でどう表現すればいいか、迷ったことはありませんか? 特に、英語学習を始めたばかりの方や、中学生、高校生、そして大学受験やTOEICでより豊かな表現力を目指す皆さんにとって、「仮定法過去」と呼ばれるこの文法は、形が少し特殊で、時制の感覚も日本語とは違うため、つまずきやすいポイントの一つかもしれません。
「仮定法って、なんだかややこしくて苦手…」「普通の過去形と何が違うの?」そんな不安や疑問を抱えている方も多いでしょう。でも、大丈夫!仮定法過去は、ルールとニュアンスさえ掴んでしまえば、決して難しいものではありません。むしろ、あなたの「もしも」の気持ちを的確に表現できる、とっても便利なツールなんです。この記事では、そんな皆さんのために、仮定法過去の基本的な考え方から、作り方、使い方、そして間違いやすいポイントや訳し方のコツまで、具体的な例文をたっぷり使いながら、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終わる頃には、きっと仮定法過去のモヤモヤがスッキリ晴れ、自信を持って使いこなせるようになっているはずですよ!

仮定法過去って、なんだか難しそうだけど、これでスッキリわかるかな?
仮定法過去の基本 – 「現在の事実に反する仮定」とは?
まずは、仮定法過去とは一体何なのか、そしてどんなときに使われるのか、基本的なところから見ていきましょう。「現在の事実に反する」というのが大きなキーワードです。
仮定法過去とは? – 現在の事実に反する願望や想像を表す
仮定法過去とは、現在の事実とは異なること、あるいは現実にはあり得ないことを「もし今~だったら…なのに/~するだろうに」と仮定・想像して述べる表現方法のことです。ポイントは、形は過去形を使いますが、意味しているのは「現在の」ことである、という点です。これが、仮定法過去を理解する上で最初の、そして最大の関門かもしれませんね。
なぜ過去形を使うのかというと、それは現実との「距離感」を表すためです。「今の現実とは違うんだよ」「これはあくまで頭の中での想像だよ」というニュアンスを、時制を一つ過去にずらす(過去形を使う)ことで表現している、と考えると分かりやすいかもしれません。
例えば、
- If I had a lot of money, I would buy a big house. (もし私にたくさんお金があれば、大きな家を買うだろうに。)
→ 形は過去形 (had, would) ですが、「今、もしお金があれば…」という現在の事実に反する仮定を表しています。(現実には、今たくさんお金はない)
- If I were you, I would not do such a thing. (もし私があなたなら、そんなことはしないだろうに。)
→ 「私があなたである」ことは現実にはあり得ないので、これも現在の事実に反する仮定です。
このように、仮定法過去は、現実逃避の願望や、ありえない想像、あるいは現在の状況に対する後悔や不満などを表現するのに使われます。
仮定法過去の基本的な形 – “If S + 過去形 …, S + 助動詞の過去形 + 原形”
仮定法過去の基本的な形は、以下のようになります。
If + 主語 + 動詞の過去形 (be動詞の場合は原則 were) …, 主語 + 助動詞の過去形 (would, should, could, might) + 動詞の原形 …
この形をしっかり覚えましょう!
- if節(条件節): “If + 主語 + 動詞の過去形”
- 動詞は、一般動詞なら過去形 (例: liked, studied, went)。
- be動詞は、主語の人称や数に関わらず、原則として were を使います。 (例: If I were…, If he were…, If it were…)
※ 口語では、I/he/she/it の場合に was が使われることもありますが、フォーマルな場面や書き言葉、試験などでは were を使うのが標準的で無難です。特に「If I were you…」は決まり文句ですね。
- 帰結節(主節、結論を表す部分): “主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形”
- 助動詞の過去形としては、主に以下のものが使われ、それぞれニュアンスが異なります。
- would + 原形: 「(もし~なら)…するだろうに/…だろうなあ」(推量、意志)
- should + 原形: 「(もし~なら)…すべきだろうに/…のはずだ」(当為、当然) ※イギリス英語で I/we の場合に would の代わりに使われることも。
- could + 原形: 「(もし~なら)…できるだろうに/…かもしれない」(可能性、能力)
- might + 原形: 「(もし~なら)…かもしれないのに」(可能性、推量 ※could より可能性が低いニュアンス)
- 助動詞の過去形としては、主に以下のものが使われ、それぞれニュアンスが異なります。
「過去形を使うけど、意味は現在」というのが、仮定法過去の最大のポイントです。この「時制のズレ」が、現実との距離感を表しているんですね。頭の中で、現実の世界と「もしも」の世界を分けて考えるようにすると、理解しやすいかもしれません。
仮定法過去と直接法過去の違い – 事実か仮定か
仮定法過去で使われる「動詞の過去形」は、私たちが普段使っている「過去の事実」を表す「直接法過去」とは意味が異なります。この違いをしっかり区別することが大切です。
- 直接法過去: 過去に実際に起こったこと、または過去の状態を述べる。
例: I was busy yesterday. (私は昨日忙しかった。) ← 昨日の事実
例: He lived in London before. (彼は以前ロンドンに住んでいた。) ← 過去の事実
- 仮定法過去: 現在の事実に反する仮定や想像を述べる。形は過去形だが、意味は現在。
例: If I were free now, I would go with you. (もし今暇なら、あなたと一緒に行くだろうに。) ← 今は暇ではないという現実が背景にある。
例: If he lived nearer, I would visit him more often. (もし彼がもっと近くに住んでいたら、もっと頻繁に彼を訪ねるだろうに。) ← 実際には近くに住んでいない。
このように、同じ過去形の動詞でも、文脈(特に if があるかどうか、帰結節に助動詞の過去形があるかどうか)によって、それが「過去の事実」を指しているのか、「現在の仮定」を指しているのかが変わってきます。文全体を見て判断するようにしましょう。
be動詞が were になるのは、主語が I とか he でも同じなんですか? 学校で I was, he was って習ったような…
いいところに気づきましたね! 通常の過去形の文では、I/he/she/it のbe動詞は was ですよね。しかし、仮定法過去の if節の中では、主語が単数であっても were を使うのが伝統的で正式な形とされています。これは、仮定法であることを明確に示すための、一種の目印のようなものだと考えられています。
特に “If I were you…” (もし私があなたなら…) は、非常によく使われる決まり文句なので、この形はしっかり覚えておきましょう。
ただし、最近の口語英語、特にアメリカ英語では、I/he/she/it の場合に was を使うことも増えてきていて、間違いとまでは言えなくなっています。でも、試験やフォーマルな文章では、were を使うのが無難ですよ。

なるほどー!過去形だけど現在の話なんだね!「もしも」の気持ちを表すんだ!were を使うのもポイントだ!
仮定法過去の作り方と使い方 – 具体的な例文でマスター!
仮定法過去の基本的な形と意味がわかったところで、次は実際にどのように文を作り、どんな場面で使われるのかを、具体的な例文を通して見ていきましょう。様々な願望や想像を表現できますよ。
現在の事実に反する願望・想像 – 「もし今~なら…なのに」
これが仮定法過去の最も代表的な使い方です。現在の事実とは違う状況を心の中で思い描き、「もし今こうだったら、ああするのになあ…」という願望や空想を表現します。
- If I had wings, I could fly to you. (もし私に翼があれば、あなたのところに飛んでいけるのに。)
(現実: 私には翼がないので、飛んでいけない。)
- If he knew her phone number, he would call her. (もし彼が彼女の電話番号を知っていれば、彼女に電話するだろうに。)
(現実: 彼は彼女の電話番号を知らないので、電話しない。)
- If it were not so cold today, we could go for a picnic. (もし今日こんなに寒くなければ、ピクニックに行けるのに。)
(現実: 今日はとても寒いので、ピクニックには行けない。)
- What would you do if you won the lottery? (もし宝くじに当たったら、あなたはどうしますか?)
(現実: 宝くじには当たっていない。)
これらの文では、if節で現在の事実に反する状況を仮定し、帰結節でその仮定のもとで起こりうるであろう結果や行動を述べています。帰結節の助動詞 (would, could) が、「~だろうに」「~できるのに」という現実とは異なる結果のニュアンスを出していますね。
現在の能力や状況に対する仮定 – 「もし~できたら…」
現在の自分の能力や置かれている状況について、「もし~できたらなあ」「もし~という状況だったらなあ」と仮定する場合にも使われます。
- If I could speak English fluently, I would apply for that job. (もし私が英語を流暢に話せたら、あの仕事に応募するだろうに。)
(現実: 英語を流暢に話せないので、応募しない。)
- If I were a little taller, I could reach the top shelf. (もし私がもう少し背が高ければ、一番上の棚に手が届くのに。)
- If we had more time, we could visit the museum. (もし私たちにもっと時間があれば、博物館を訪れることができるのに。)
この場合、if節に can の過去形である could が使われることもありますが、それは「もし(現在)~できる能力があるならば」という意味合いになります。帰結節の could は「(その結果として)~できるだろうに」という意味です。
丁寧な依頼や控えめな提案 – 「もしよろしければ~」
仮定法過去は、現在の事実に反する仮定だけでなく、相手に対する丁寧な依頼や、控えめな提案、あるいは遠回しな忠告を表すためにも使われることがあります。直接的な表現を避けることで、相手に配慮した柔らかな印象を与えることができます。
- It would be great if you could help me with this. (もしこれを手伝っていただけたら、とてもありがたいのですが。)
→ “Can you help me?” よりもずっと丁寧な依頼になります。
- If I were you, I would apologize to her. (もし私があなたなら、彼女に謝るだろうなあ。)
→ 直接「謝りなさい」と言うよりも、相手の立場に立ってアドバイスする形なので、受け入れられやすいかもしれません。
- I would appreciate it if you would consider my proposal. (もし私の提案をご検討いただけましたら幸いです。)
→ ビジネスメールなどでよく使われる非常に丁寧な表現です。
- Perhaps it would be better if we started a little earlier. (もしもう少し早く始めたら、その方が良いかもしれませんね。)
→ 控えめに提案しています。
“If I were you…” は、相手にアドバイスや忠告をするときの定番フレーズですね。また、”I would appreciate it if…” も、丁寧な依頼の決まり文句として覚えておくと便利です。
このように、仮定法過去は、単に「ありえないこと」を言うだけでなく、人間関係をスムーズにするためのコミュニケーションツールとしても機能するんですね。言葉の奥深さを感じます。
if節の省略や倒置 – 様々な表現バリエーション
仮定法過去の文では、if節が省略されたり、語順が倒置したりすることもあります。これらも知っておくと、表現の幅が広がりますし、読解でも役立ちます。
1. if節の省略 (文脈から明らかな場合)
文脈から「もし~なら」という条件が明らかな場合は、if節全体が省略され、帰結節だけが述べられることがあります。
- A: I don’t have enough money to buy it. (それを買うお金が十分にないんだ。)
B: I would lend you some (if you needed it / if I had enough). (いくらか貸してあげるのに(もし君が必要なら / もし私が十分持っていたら)。)
→ Bの発言は、暗に「もし君がそれを必要としているなら、そしてもし私がお金を持っていたら」という仮定を含んでいます。
- He could do better (if he tried harder). (彼はもっとうまくやれるだろうに(もしもっと努力すれば)。)
この場合、助動詞の過去形 (would, could など) が使われていることから、「ああ、これは何か仮定の話をしているんだな」と推測することができます。
2. if の省略による倒置 (Were S …, S would + 原形)
仮定法過去の if節で、動詞が were の場合、if を省略して were を文頭に出し、主語と were の語順を入れ替える(倒置する)ことができます。 これにより、やや文語的でフォーマルな響きの文になります。
形: Were + 主語 …, 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形 …
- Were I rich, I would travel around the world.
(= If I were rich, I would travel around the world.)
(もし私がお金持ちなら、世界中を旅行するだろうに。)
- Were it not for your help, I would have failed.
(= If it were not for your help, I would have failed.)
(もしあなたの助けがなかったら、私は失敗していただろう。)
※ “If it were not for ~” (もし~がなければ) は非常によく使われる仮定法過去の表現です。この倒置形も頻出。
- Were she here, she would know what to do.
(= If she were here, she would know what to do.)
(もし彼女がここにいたら、どうすべきかわかるだろうに。)
文頭がいきなり Were で始まっていたら、「お、これは仮定法過去の倒置かも!」と気づけるようにしておきましょう。長文読解や文法問題で役立ちますよ!一般動詞の過去形の場合は、このような if の省略による倒置は通常起こりません。
その他、”Supposing (that) …” や “Provided (that) …” など、if の代わりに使える接続詞もありますが、これらは仮定法過去だけでなく、直接法の文でも使われます。
例: Supposing you had a million dollars, what would you do? (もし100万ドル持っていたとしたら、どうしますか?)

“If I were you…” って、本当に便利そうだね!倒置の “Were I…” も、なんだかカッコイイ!でも、使いこなせるかなぁ。
仮定法過去を使いこなすための重要ポイントと注意点
仮定法過去の形と使い方が分かってきたところで、さらに理解を深め、実際に使いこなせるようになるための重要なポイントや注意点を見ていきましょう。他の仮定法との違いや、よくある間違いなども押さえておきたいですね。
“wish + 仮定法過去” – 「(今)~ならいいのになあ」という願望
動詞の wish の後に続く that節(that はしばしば省略される)の中でも、仮定法過去が使われます。これは、現在の事実とは異なる願望「(実際は違うけど、今)~だったらいいのになあ」という気持ちを表します。
形: S + wish + (that) + S’ + 動詞の過去形 (be動詞は原則 were) …
- I wish I were taller. (私がもっと背が高ければなあ。)
(現実: 私はあまり背が高くない。)
- She wishes she had more free time. (彼女はもっと自由な時間があればなあと思っている。)
(現実: 彼女はあまり自由な時間がない。)
- He wishes he could play the guitar. (彼はギターが弾けたらなあと思っている。)
(現実: 彼はギターが弾けない。)
- They wish it were not raining. (彼らは雨が降っていなければなあと思っている。)
“I wish I were…” は、実現不可能な現在の願望を表すときの定番フレーズです。
過去のことに対する後悔「(あの時)~だったらよかったのになあ」を表す場合は、”wish + 仮定法過去完了 (had + 過去分詞)” を使います。 (例: I wish I had studied harder.) これはまた別の機会に詳しく解説しますね。
“as if / as though + 仮定法過去” – 「まるで(今)~であるかのように」
接続詞の as if や as though (どちらも「まるで~であるかのように」という意味) の後に続く節の中でも、仮定法過去が使われることがあります。これは、現在の事実とは異なる、あるいはあり得ないような様子や状態を、比喩的に表現するときに使われます。
形: S + V … as if/as though + S’ + 動詞の過去形 (be動詞は原則 were) …
- He talks as if he knew everything. (彼はまるで何でも知っているかのように話す。)
(現実: 実際は全てを知っているわけではないかもしれない。)
- She looked at me as though she had never seen me before. (彼女はまるで以前私に会ったことがないかのような目で私を見た。)
(現実: 以前会ったことがあるのかもしれないが、そんな素振りだった。)
※ この例では、見た時点よりも前のことを仮定しているので、形は過去完了形 (had never seen) になっていますが、これも「まるで~だったかのように」という仮定の一種です。主節の時制と、as if/as though節の時制の関係で、過去形だけでなく過去完了形も使われます。
- It looks as if it were going to rain. (まるで雨が降り出しそうに見える。)
(現実: まだ降っていないし、降らないかもしれないが、そんな気配だ。)
as if / as though の後が直接法(普通の時制)になることもあります。その場合は、「実際に~であるように見える/聞こえる」という、事実に基づいた推量を表します。
- It looks as if it is going to rain. (雨が降りそうだね。) ← 実際にそうなる可能性が高いと感じている。
仮定法過去を使うと、より「ありえないけど、そんな感じ」という非現実的な比喩のニュアンスが強まります。
“It’s time + 仮定法過去” – 「もう(とっくに)~する時間だ」
It’s time (that) S + 動詞の過去形 … や It’s high time (that) S + 動詞の過去形 … という形は、「もう(とっくに)~する時間だ(なのにまだしていない)」という、話し手の不満や、促す気持ちを表します。この動詞の過去形も、仮定法過去の一種とされています。
- It’s time you went to bed. (もう寝る時間ですよ。)
(現実: まだ寝ていないので、早く寝なさい、というニュアンス。)
- It’s high time we started working on the project. (もうとっくにそのプロジェクトに取り掛かるべき時間だ。)
(high time は「とっくに~すべき時間」と、より強調した言い方。)
この構文では、that が省略されることが多く、また、”It’s time for you to go to bed.” のように「for + 人 + to不定詞」の形もよく使われます。意味はほぼ同じですが、仮定法過去を使った方が「まだやっていないじゃないか」というニュアンスが少し強まることがあります。
wish, as if, It’s time の後に続く仮定法過去は、それぞれ独特のニュアンスを持っていますね。形は同じ「動詞の過去形」でも、使われる文脈で意味合いが変わってくるのが面白いところです。
仮定法過去と仮定法過去完了の違いを明確に!
仮定法過去を学ぶ上で、必ずセットで理解しておきたいのが「仮定法過去完了」です。この二つは、仮定する「時点」が異なります。
- 仮定法過去: 「現在の」事実に反する仮定。「もし今~なら、…なのに」
形: If S + 過去形 …, S + would/could/might + 原形 …
- 仮定法過去完了: 「過去の」事実に反する仮定。「もしあの時~だったら、…だっただろうに」
形: If S + had + 過去分詞 …, S + would/could/might + have + 過去分詞 …
例:
- 仮定法過去: If I were rich (now), I would buy that car. (もし今お金持ちなら、あの車を買うだろうに。)
- 仮定法過去完了: If I had been rich (then), I would have bought that car. (もしあの時お金持ちだったら、あの車を買っただろうに。)
「今」の話なのか、「あの時」の話なのか、これをしっかり区別しないと、全く意味が通じなくなってしまいます。時制の形 (過去形なのか、had + 過去分詞なのか) と、帰結節の形 (助動詞の過去形 + 原形なのか、助動詞の過去形 + have + 過去分詞なのか) に、常に注意を払いましょう。
仮定法過去と仮定法過去完了の混同は、英語学習者が非常によくする間違いの一つです。特に、日本語の「もし~だったら」は、現在と過去の両方の仮定を表せるので、英語にするときに混乱しやすいんですね。英語では、この二つを形ではっきり区別する、ということを肝に銘じておきましょう!

wish とか as if とか、色々なところで仮定法過去が使われるんだ!仮定法過去完了との違いも、しっかり区別しないとダメだね…。
まとめ – 仮定法過去をマスターして、「もしも」の世界を自由に表現しよう!
今回は、「もし今~だったら…なのに」という現在の事実に反する仮定や願望を表す「仮定法過去」について、その基本的な考え方から作り方、使い方、そして重要なポイントまで、詳しく見てきました。これで、今まで「なんだかややこしい…」と思っていた仮定法過去が、グッと身近なものになったのではないでしょうか。
最後に、この記事で学んだ仮定法過去の重要なポイントをまとめておきましょう。
- 仮定法過去とは:
- 現在の事実に反する仮定・願望・想像を表す。
- 形は過去形だが、意味は「現在」のこと。現実との「距離感」を表す。
- 基本の形:
- If + 主語 + 動詞の過去形 (be動詞は原則 were) …, 主語 + 助動詞の過去形 (would, should, could, might) + 動詞の原形 …
- 主な使い方:
- 現在の事実に反する願望・想像 (例: If I had wings, I could fly.)
- 丁寧な依頼・控えめな提案 (例: It would be great if you could help.)
- “If I were you…” (もし私があなたなら…) は定番のアドバイス表現。
- if の省略と倒置:
- if節の動詞が were の場合、if を省略して Were + S … の形になることがある。
- 関連する重要構文:
- S + wish + (that) + S’ + 仮定法過去: 「(今)~ならいいのになあ」
- … as if/as though + S’ + 仮定法過去: 「まるで(今)~であるかのように」
- It’s time (that) + S + 仮定法過去: 「もう(とっくに)~する時間だ」
- 仮定法過去完了との区別:
- 仮定法過去は「現在」の仮定、仮定法過去完了は「過去」の仮定。形と意味を混同しないこと。
仮定法過去は、私たちの心の中にある「もしも」の世界を言葉にするための、魔法のような文法です。現実にはできないこと、現実とは違う状況を想像し、それを相手に伝えることで、コミュニケーションはより豊かで人間味あふれるものになります。
最初は、動詞の形や助動詞の選び方に戸惑うかもしれません。でも、「現在の事実に反するんだ」という意識と、「現実との距離感」を常に念頭に置きながら、たくさんの例文に触れ、そして自分でも使ってみることで、必ずその感覚が掴めてきます。特に、”If I were you…” や “I wish I were…” のような頻出フレーズは、そのまま覚えてしまうと便利ですよ。
この記事が、皆さんの英語学習の旅において、仮定法過去という山を乗り越え、より自由で豊かな英語表現を手に入れるための一助となれば、これ以上嬉しいことはありません。楽しみながら、英語の奥深さを味わっていってくださいね!

仮定法過去、なんだかロマンチックな文法だね!「もしも」の気持ち、これで英語で言えるようになるかも!
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