分詞の慣用表現をマスター!会話で使える頻出フレーズ集

英語の勉強をしていると、単語や文法ルールだけじゃなくて、「決まり文句」みたいな表現に出会うこと、たくさんありますよね。特に分詞(現在分詞 -ing や過去分詞 -ed/-en)を使った表現の中には、「え、これってどういう意味?」「なんでこんな形になるの?」って戸惑ってしまうような慣用的なフレーズがたくさんあるんです。一つ一つ文法的に分析しようとすると、かえって混乱しちゃうことも…。

この記事では、そんな英語学習者を悩ませがちな「分詞の慣用表現」にスポットライトを当てます!そもそも慣用表現って何なのか、なぜそのまま覚えるのが効率的なのか、そして、よく使われる現在分詞・過去分詞の慣用表現を、具体的な意味や使い方、成り立ちなどを交えながら、たっぷりご紹介していきます。この記事を読めば、会話や読み書きで役立つ便利な分詞フレーズが身につき、英語の表現力がぐっと豊かになりますよ!

AYUMI
AYUMI

分詞の慣用表現…?なんだか難しそうだし、覚えるのが大変そう…。

分詞の慣用表現って何?独立分詞構文との関係を探る

まずは、「分詞の慣用表現」がどういうものなのか、そして、よく聞く「独立分詞構文」とどう関係しているのか、基本的なところから見ていきましょう。ここを理解しておくと、個々の表現を学ぶときに「なるほど!」と思えることが増えますよ。

慣用表現とは?なぜそのまま覚えるのが効率的なの?

慣用表現(かんようひょうげん)というのは、特定の単語の組み合わせで、文字通りの意味とは違う、あるいは特別な意味を持つようになった「決まり文句」のことです。日本語で言う「顔が広い」とか「猫の手も借りたい」みたいなものですね。英語にも、”break a leg” (頑張って!)、”kick the bucket” (死ぬ) のようなイディオムがたくさんあります。

分詞を使った表現の中にも、そのような慣用句として定着しているものがたくさんあるんです。例えば、“Generally speaking” (一般的に言って) や “Compared with…” (~と比較すると) などがそうです。

これらの表現は、もともとは分詞構文(特に後述する独立分詞構文)から派生したものが多いのですが、あまりにもよく使われるため、もはや一つの独立したフレーズ、副詞句のようなものとして認識されています。だから、毎回文法的に成り立ちを考えるよりも、「そういう決まり文句なんだ」とそのまま覚えてしまった方が、実際のコミュニケーションではずっと効率的で実用的なんですよね。

もちろん、成り立ちを知っておくと理解は深まりますが、まずは「よく使うフレーズ」としてインプットしちゃうのがおすすめです!フレーズごと覚えてしまえば、会話でも文章でもサッと使えるようになりますよ。

独立分詞構文って覚えてる?慣用表現の成り立ちを探る

分詞の慣用表現の多くは、独立分詞構文(どくりつぶんしこうぶん)という文法ルールから来ています。

「え、独立分詞構文って何だっけ…?」という方もいるかもしれませんね。簡単におさらいしましょう。

普通の分詞構文は、主節(メインの文)の主語と、分詞の意味上の主語が同じ場合に、接続詞と主語を省略して作るんでしたよね。

  • When I walked along the street, I met Ken. (通りを歩いていた時、私はケンに会った。)
    Walking along the street, I met Ken. (通りを歩いていて、私はケンに会った。)
    • “歩いていた(walked)”のも”会った(met)”のも「私(I)」なので、接続詞 When と主語 I を省略して Walking… とできる。

これに対して、独立分詞構文は、分詞の意味上の主語が、主節の主語と「違う」場合に使われます。その場合、分詞の前に意味上の主語を省略せずに残しておく、というのがルールでした。

  • As it was fine, we went for a picnic. (天気が良かったので、私たちはピクニックに行った。)
    It being fine, we went for a picnic. (天気が良かったので、私たちはピクニックに行った。)
    • 「天気が良かった(was fine)」のは「天気(It)」、「ピクニックに行った(went)」のは「私たち(we)」で主語が違う。だから、分詞 being の前に意味上の主語 It を残す。

そして、この独立分詞構文の中には、意味上の主語が「一般の人々(we, you, peopleなど)」や「特定の状況」であるために、慣習的に省略されるものがあるんです。これが、多くの分詞の慣用表現の正体なんですね!

例えば、“Generally speaking” (一般的に言って) は、もともと “(If we are) generally speaking…” (もし私たちが一般的に話すならば) のような形から、意味上の主語である “we” (一般の人々) とbe動詞が慣習的に省略されて定着したと考えられます。

同じように、“Judging from…” (~から判断すると) も、”(If one is) judging from…” (もし人が~から判断するならば) のように、意味上の主語 “one” (一般の人) が省略されていると解釈できます。

このように、分詞の慣用表現の多くは、独立分詞構文の意味上の主語が省略された形だと知っておくと、少し成り立ちが見えてきて面白いかもしれませんね。完全に文法ルールから外れているわけではなく、ちゃんと理由があることが多いんです。

AYUMI
AYUMI

なるほどー!慣用表現って、もとは分詞構文だったりするんですね!成り立ちを知ると、ちょっと納得感があります!

頻出!【現在分詞(-ing)】を使った慣用表現を覚えよう

では、ここからは具体的な分詞の慣用表現を見ていきましょう!まずは、現在分詞(-ing)を使った、会話や文章で非常によく登場するものをピックアップしてご紹介します。これらは副詞句として文全体を修飾することが多いですよ。

~speaking(話す系):generally, frankly, strictly…

“speaking” を使った慣用表現はたくさんありますが、特に覚えておきたいのが「話し方」や「発言の前提」を示すものです。これらは文頭や文中に挿入され、発言のニュアンスを調整したり、聞き手に心構えを促したりするクッション言葉のような役割を果たします。

  • Generally speaking, Japanese people are polite.
    • 意味: 一般的に言って、日本人は礼儀正しいです。
    • 成り立ち: (If we are) generally speaking… から。「一般的な観点から述べると」「大局的に見れば」というニュアンス。個人的な意見ではなく、客観的な傾向として話したいときに使えます。
    • 類義語: broadly speaking (大まかに言って), roughly speaking (大ざっぱに言って)
  • Frankly speaking, I don’t like his idea.
    • 意味: 率直に言って、私は彼の考えが好きではありません。
    • 成り立ち: (If I am) frankly speaking… から。「遠慮なく正直に言うと」「ぶっちゃけて言えば」という感じで、本音を伝える前に使います。少し直接的な言い方になるので、相手や状況を選ぶ必要はあります。
    • 類義語: honestly speaking (正直に言って), to be frank/honest (率直に言うと)
  • Strictly speaking, a tomato is a fruit, not a vegetable.
    • 意味: 厳密に言うと、トマトは野菜ではなく果物です。
    • 成り立ち: (If we are) strictly speaking… から。「言葉の定義やルールに厳密に従って言うならば」という意味。学術的な話や、正確さが求められる場面などで使われます。
    • 類義語: technically speaking (専門的に言うと)
  • Roughly speaking, there were about 100 people at the party.
    • 意味: 大ざっぱに言って、パーティーには約100人がいました。
    • 成り立ち: (If we are) roughly speaking… から。「正確な数字ではないけれど、おおよその見当で言うと」という意味。概算や見積もりを伝えるときに便利です。
    • 類義語: approximately speaking (おおよそ言って)

これらの表現は、自分の意見や情報を伝える際に、どのような視点や態度で話しているかを明確にするのに役立ちます。会話やプレゼンテーションで上手に使えると、表現が豊かになりますね。

judging from ~ / considering ~ (判断・考慮系)

次に、「何かを基にして判断する」あるいは「何かを考慮に入れる」という意味を表す慣用表現です。これらも文頭で使われることが多いです。

  • Judging from his appearance, he seems to be rich.
    • 意味: 彼の外見から判断すると、彼はお金持ちそうだ。
    • 成り立ち: (If we are) judging from his appearance… から。「~という情報や観察結果に基づいて判断すれば」という意味。見た目、話し方、状況証拠などが判断材料になります。
    • ポイント: “from” の後には判断の根拠となるものが来ます。断定ではなく、あくまで推測であるニュアンスが含まれます。
    • 例文: Judging from the look of the sky, it’s going to rain soon. (空模様から判断すると、もうすぐ雨が降りそうだ。)
  • Considering his age, he did a great job.
    • 意味: 彼の年齢を考慮に入れると、彼は素晴らしい仕事をした。
    • 成り立ち: (If we are) considering his age… から。「~という事情や状況を考え合わせると」「~にしては」という意味。評価や判断をする際に、特定の要素を勘案することを表します。
    • ポイント: considering は前置詞 (~を考慮すると) や接続詞 (Considering that… ~ということを考えると) として使われることもあります。非常に使い勝手の良い単語です。
    • 例文: Considering the short notice, they prepared very well. (急な知らせだったことを考えると、彼らは非常によく準備した。)
  • Taking everything into consideration, we decided to postpone the event.
    • 意味: すべてのことを考慮に入れて、私たちはイベントの延期を決定しました。
    • ポイント: “take ~ into consideration” (~を考慮に入れる) というイディオムが分詞構文になった形。複数の要素を総合的に判断した結果を述べるときに使われます。後述する過去分詞を使った “All things considered” とほぼ同じ意味です。

“Judging from” は判断の直接的な「根拠」を示し、“Considering” は判断する上で「配慮すべき事情」を示す、というニュアンスの違いを意識すると使い分けやすいでしょう。

speaking of ~ / talking of ~ (話題転換系)

会話の流れの中で、関連する別の話題に移りたいときにとても便利な表現です。「~と言えば」「~の話が出たついでに」といった意味合いで使われます。

  • A: I went to Kyoto last week. (先週、京都に行ったんだ。)
    B: Oh, really? Speaking of Kyoto, have you ever visited Kinkaku-ji Temple?
    • 意味: へえ、そうなの? 京都と言えば、金閣寺に行ったことはありますか?
    • 成り立ち: (While we are) speaking of Kyoto… から。「ちょうど~の話をしているところなので、それに関連して思い出したんだけど」という自然な話題の転換に使えます。
    • ポイント: 直前の会話内容を受けて、それに関連する話題(人、場所、物、出来事など)を持ち出すときに使います。”Talking of ~” も全く同じように使えます。
  • Talking of travel, where are you going for your next vacation?
    • 意味: 旅行と言えば、次の休暇はどこに行くの?
    • 使い方: 旅行に関する話題が出た直後に、相手の旅行の予定を尋ねる、といった場面で使えますね。

これらのフレーズを使うことで、会話が途切れずにスムーズに進んだり、関連情報を提供したりしやすくなります。覚えておくとコミュニケーションが円滑になりますよ。

granting / supposing / providing (that) ~ (接続詞的用法)

これらの表現は、分詞構文から発展して、まるで接続詞のように「もし~ならば」「~だと仮定すると」「~という条件で」といった意味を表すようになったものです。”that” は省略されることもあります。少しフォーマルな響きを持つことが多いです。

  • Granting (that) his story is true, what should we do?
    • 意味: 仮に彼の話が本当だとしても、私たちはどうすべきだろうか?
    • ポイント: 「~を事実として認めるとしても」「仮に~だとしても」という譲歩のニュアンス。後述する過去分詞の “Granted (that)…” も同様の意味で使われますが、こちらの granting はやや使用頻度が低いかもしれません。
  • Supposing (that) it rains tomorrow, will the game be canceled?
    • 意味: もし明日雨が降るとしたら、試合は中止になりますか?
    • ポイント: 「もし~だと仮定すれば」という意味。純粋な仮定を表し、”If” とほぼ同じように使えます。結果を予測したり、計画を立てたりする文脈で用いられます。
  • You can borrow my car, providing (that) you drive carefully.
    • 意味: 注意深く運転するという条件でなら、私の車を借りてもいいですよ。
    • ポイント: 「~という条件で」「~でありさえすれば」という明確な条件を示します。”if” や “on condition that” に近いです。後述する過去分詞の “Provided (that)…” も同様の意味で非常によく使われます。契約書などのフォーマルな文脈でも見られます。

これらは文法的には分詞構文ですが、機能としては接続詞に近いため、そのように理解して使うと分かりやすいでしょう。特に Supposing と Providing/Provided は重要です。

その他の便利な現在分詞慣用表現 (weather permitting など)

他にも、独立分詞構文から生まれた便利な慣用表現があります。これらは意味上の主語が省略されずに残っているタイプですね。

  • We will have a barbecue tomorrow, weather permitting.
    • 意味: 天気が許せば、私たちは明日バーベキューをします。
    • 成り立ち: “weather permits” (天気が許す) という状況を付帯的に述べた独立分詞構文。意味上の主語 “weather” が分詞 “permitting” の前に置かれています。
    • ポイント: 「もし天気が良ければ」という条件を表します。”If the weather permits” とほぼ同じ意味です。文末にカンマとともに置かれることが多い、非常によく使われる表現です。
  • Allowing for traffic jams, it will take about two hours to get there.
    • 意味: 交通渋滞を考慮に入れると、そこに着くのに約2時間かかるだろう。
    • ポイント: “allow for ~” (~を考慮に入れる、~を見込む) という句動詞が分詞構文になったもの。”Considering” に近いですが、特に時間や費用、予期せぬ出来事などの「余裕」や「可能性」を見込むニュアンスで使われることがあります。
    • 例文: The trip should take 3 days, allowing for possible delays. (遅れの可能性を考慮に入れると、その旅行は3日かかるはずだ。)

現在分詞の慣用表現、たくさんありましたね!どれも会話や文章をスムーズにしたり、ニュアンスを加えたりするのに役立つものばかりです。特に ~speaking 系や Judging from, Considering, Speaking of などは使用頻度が高いので、ぜひ覚えて実際に使ってみてください。

これも必須!【過去分詞(-ed/en)】を使った慣用表現

続いて、過去分詞(-ed/en)を使った慣用表現を見ていきましょう。こちらも英語で非常によく使われる重要なフレーズがたくさんありますよ。過去分詞が使われるということは、意味上の主語が「~される」という受動的な関係にあることが多い、という点を意識しながら見ていくと理解しやすいです。

compared with / to ~ (比較系)

「~と比較すると」「~に比べれば」という意味を表す、非常によく使われる表現です。何かを比較対照して述べるときに、文頭や文中に挿入されます。

  • Compared with [to] Tokyo, my hometown is very small.
    • 意味: 東京と比較すると、私の故郷はとても小さいです。
    • 成り立ち: (When my hometown is) compared with Tokyo… から。主節の主語である「私の故郷(my hometown)」が「比較される」側なので、過去分詞 compared が使われています。意味上の主語と be動詞が省略された形ですね。
    • ポイント: “with” と “to” のどちらを使っても意味はほとんど変わりません。一般的に、単に二つのものを比べる場合は with、類似点や相違点を強調する場合は to が好まれる傾向があるとも言われますが、現代英語ではあまり厳密に区別されずに使われることが多いです。
  • This car is economical compared to the previous model.
    • 意味: この車は前のモデルと比較して経済的です。(文中に挿入される例)

よりフォーマルな書き言葉では “in comparison with/to ~” という表現もよく使われます。「~と比較して」という意味は同じです。

based on ~ (根拠系)

「~に基づいて」「~を根拠として」という意味を表します。判断、意見、理論、物語などの基礎となっている情報源を示す際に使われます。

  • This movie is based on a true story.
    • 意味: この映画は実話に基づいています。
    • 使い方: このように、be動詞の後ろで主格補語として「~に基づいている」という意味で使われることが非常に多いです。(S is based on …)
  • Based on the survey results, we can say that…
    • 意味: 調査結果に基づいて、私たちは~と言うことができる。
    • 成り立ち: (If our conclusion is) based on the survey results… のような独立分詞構文から意味上の主語とbe動詞が省略された形、あるいは単純に副詞句として機能していると考えられます。「~というデータや事実に依拠すれば」という意味合いです。
    • ポイント: “on” の後には根拠となる情報(データ、事実、理論、物語など)が来ます。文頭で使われることが多いです。

レポートやプレゼンテーションなどで、結論や主張の根拠を示す際に非常に役立つ表現ですね。

given ~ (条件・考慮系)

これは非常に柔軟で便利な表現で、「~を考慮に入れると」「~があれば」「~ということを考えると」といった幅広い意味を表します。文脈によって、前置詞や接続詞のように機能します。

  • Given his lack of experience, he performed quite well.
    • 意味: 彼の経験不足を考慮に入れると、彼はかなりよくやった。
    • ポイント: この “Given” は前置詞として機能し、後ろに名詞(句)が来ます。「~という事実を考慮すると」「~を前提とすれば」という意味。”Considering” とほぼ同じ意味で使えます。
  • Given that the deadline is tomorrow, we need to hurry.
    • 意味: 締め切りが明日だということを考えると、私たちは急ぐ必要がある。
    • ポイント: “Given that…” の形で接続詞のように使われ、後ろに文(節)が続きます。「~ということを考慮に入れると」「~なので」という意味。理由や背景を説明する際に使われます。 “Considering that…” と同じように使えます。
  • She is very talented, given her age.
    • 意味: 年齢の割には、彼女はとても才能がある。(彼女の年齢を考えれば)
    • 使い方: 文末に置かれて「~の割には」「~にしては」というニュアンスで使われることもあります。

“Given” は前置詞としても接続詞としても使える、非常に便利な単語です。意味が広く、様々な文脈で使えるため、TOEICなどの試験でも頻出しますし、日常会話やビジネスシーンでも役立ちます。ぜひマスターしたい表現の一つですね!

all things considered / ~ taken into consideration (考慮系)

「すべてのことを考慮に入れると」「~を考慮に入れると」という意味で、複数の要素を考え合わせた上での総合的な結論や判断を述べるときによく使われる表現です。

  • All things considered, I think it was a successful event.
    • 意味: すべてのことを考慮に入れると、それは成功したイベントだったと思います。
    • 成り立ち: (When) all things are considered… という独立分詞構文から。”all things”(すべてのこと)が意味上の主語で、「考慮される」側なので過去分詞 considered が使われています。
    • ポイント: 文頭や文末で、最終的な評価や結論を導入する際に使われる、ややフォーマルな表現です。
  • His opinion, taken into consideration, might change our plan.
    • 意味: 彼の意見は、考慮に入れられれば、私たちの計画を変えるかもしれない。
    • ポイント: “~ taken into consideration” の形で、前の名詞(この場合は His opinion)を後ろから修飾したり、文中に挿入されたりします。「~が考慮に入れられると」「考慮に入れられた~」という意味。主語が「考慮される」側なので過去分詞 taken が使われます。現在分詞を使った “Taking ~ into consideration” が「(私たちが)~を考慮に入れて」という能動的な意味合いなのに対し、こちらは「~が考慮に入れられる」という受動的なニュアンスが強調されます。

どちらも少し硬めの表現ですが、議論をまとめたり、総合的な判断を示したりする際に覚えておくと便利です。

granted (that) ~ (譲歩・条件系)

現在分詞の “Granting (that)…” と同様に、「仮に~だとしても」「~なのは認めるが」という譲歩や、「~という条件で」という意味を表します。過去分詞の形ですが、機能としては接続詞に近いです。

  • Granted (that) it’s difficult, but we have to try.
    • 意味: それが難しいのは認めるが、私たちは挑戦しなければならない。
    • ポイント: 譲歩の副詞節を導きます。「確かに~ではあるけれども」というニュアンス。”Admittedly” (確かに) に近い使い方です。相手の主張や不利な点を一旦認めた上で、自分の意見を述べるときなどに使われます。
  • You can go out, granted (that) you finish your homework first.
    • 意味: まず宿題を終えるという条件でなら、外出してもよい。
    • ポイント: 条件を示す副詞節を導きます。「~という条件付きで」という意味。”Providing/Provided (that)…” に近いです。

過去分詞の “granted” の方が、現在分詞の “granting” よりも一般的によく使われる傾向があります。譲歩の意味で使われることが多いですが、条件の意味でも使われることを覚えておきましょう。

“Granting (that)…” と “Granted (that)…” って、意味は同じなんですか? 形が違うのに混乱します…

そうですよね、形が違うのに意味がほぼ同じというのは、慣用表現ならではのややこしさかもしれません。どちらも分詞構文に由来する表現ですが、歴史的な経緯でどちらの形も使われるようになったと考えられます。現代英語ではどちらも「仮に~としても」「~という条件で」という意味で使われますが、感覚的には譲歩の意味では “Granted” の方がより一般的かもしれません。迷ったら、より頻度の高い “Granted (that)…” の方を使うのが無難かもしれませんね。

AYUMI
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過去分詞の慣用表現もたくさん! given とか compared with は見たことあるけど、意味をしっかり理解できていなかったかも…。成り立ちの説明で納得しました!

まとめ:分詞の慣用表現を使いこなして英語力アップ!

今回は、英語のコミュニケーションで非常に役立つ「分詞の慣用表現」について、現在分詞と過去分詞のそれぞれから、よく使われるものを中心にご紹介しました。最後に、今日のポイントをまとめておきましょう。

  • 分詞の慣用表現とは: 分詞(-ing / -ed, -en)を含む決まり文句で、多くは独立分詞構文から派生したもの(意味上の主語が省略されていることが多い)。
  • なぜ覚えるのが良いか: 文法的に分析するより、フレーズとしてそのまま覚える方が効率的で実用的だから。
  • 現在分詞(-ing)の主な慣用表現:
    • ~speaking系: Generally speaking(一般的に言って), Frankly speaking(率直に言って), Strictly speaking(厳密に言って)など → 発言の前提・態度を示す。
    • 判断・考慮系: Judging from ~(~から判断すると), Considering ~(~を考慮すると), Taking ~ into consideration(~を考慮に入れて)など。
    • 話題転換系: Speaking of ~ / Talking of ~(~と言えば)。
    • 接続詞的用法: Granting/Supposing/Providing (that) ~(もし~なら、~という条件で)。
    • 独立分詞構文由来: Weather permitting(天気が許せば), Allowing for ~(~を考慮に入れると)。
  • 過去分詞(-ed/en)の主な慣用表現:
    • 比較系: Compared with/to ~(~と比較すると)。
    • 根拠系: Based on ~(~に基づいて)。
    • 条件・考慮系: Given ~(~を考慮すると、~があれば), Given that ~(~ということを考えると)。
    • 考慮系: All things considered(すべてを考慮に入れると), ~ taken into consideration(~を考慮に入れると)。
    • 譲歩・条件系: Granted (that) ~(仮に~としても、~という条件で)。
  • ポイント:それぞれのフレーズが持つ意味と、文の中でどのように使われるか(文頭、文中、文末など)、そして元の分詞構文との関係(特に意味上の主語と態)を意識すると理解が深まる。

分詞の慣用表現は、一見するとただの暗記事項のように思えるかもしれません。しかし、これらのフレーズを使いこなせるようになると、会話がスムーズになったり、文章のニュアンスが豊かになったり、より自然な英語に近づくことができます。

今回紹介した表現はどれも非常によく使われるものばかりです。ぜひ、実際の会話や読み書きの中で意識して使ってみたり、見つけたりしてみてください。最初はぎこちなくても、使っていくうちに、きっと自然に身についていきますよ!分詞の慣用表現を味方につけて、あなたの英語表現をもっと豊かにしましょう!

AYUMI
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たくさん表現があったけど、一つ一つ見ていくと面白かったです!まずはよく使うものから覚えて、使ってみたいです!

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