英語で「~ではない」と否定したいとき、真っ先に思い浮かぶのは “not” かもしれませんね。でも、英語の否定表現は “not” だけじゃないってご存知でしたか? “never” や “no”、”hardly” や “little” など、たくさんの言葉が否定的な意味合いを持ち、文全体の意味をひっくり返す力を持っているんです。「え、これも否定なの?」「どう使い分けるの?」なんて、戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。英語学習を始めたばかりの方や、中学生、高校生、そして大学受験やTOEICでより正確な読解力・表現力を目指す皆さんにとって、この多様な「否定構文」を理解することは、英語を深く味わうための大切なステップです。
「否定って、ただ not をつければいいんじゃないの?」そう思っている方もいるかもしれませんね。でも、実は否定の仕方によって、ニュアンスが微妙に変わったり、文の形が大きく変わったりすることもあるんです。この記事では、そんな皆さんのために、様々な否定構文の種類とその作り方、意味の違い、そして間違いやすいポイントや訳し方のコツまで、具体的な例文をたっぷり使いながら、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終わる頃には、きっと英語の否定表現の奥深さに気づき、自信を持って使いこなせるようになっているはずですよ!

否定って not だけじゃないんだ!これでスッキリわかるかな?
否定構文の基本 – 「~ではない」を伝える様々な形
まずは、英語の否定構文がどのようなもので、どんな言葉が否定的な意味を持つのか、基本的なところから見ていきましょう。「否定」と一口に言っても、その強さや範囲は様々なんです。
否定構文とは? – 文の意味を打ち消す表現方法
否定構文(ひていこうぶん、Negation)とは、ある事柄や状態、行動などを「そうではない」「存在しない」「起こらない」といった形で打ち消し、否定的な意味を表すための文の構造や表現方法のことです。
最も基本的な否定は、動詞や助動詞に not をつける形ですが、それ以外にも否定的な意味を持つ単語(否定語)を使ったり、特定の構文を用いたりすることで、様々なニュアンスの否定を表すことができます。
例えば、
- I do not like natto. (私は納豆が好きではありません。) ← not を使った基本的な否定
- I never eat natto. (私は決して納豆を食べません。) ← never を使った強い否定
- There is no natto in the fridge. (冷蔵庫に納豆はありません。) ← no を使った存在の否定
- Few people like natto. (納豆が好きな人はほとんどいまん。) ← few を使った部分的な強い否定
このように、使う言葉や構文によって、否定の度合いや焦点が微妙に変わってくるのが、英語の否定表現の面白いところであり、また難しいところでもありますね。
否定を表す主な言葉 (否定語) – not, no, never だけじゃない!
英語で否定的な意味を表す言葉(否定語)には、代表的な not, no, never 以外にも、様々なものがあります。これらを覚えておくと、文全体の意味を正しく捉えるのに役立ちます。
主な否定語の例:
- not: ~でない (動詞、助動詞、形容詞、副詞などを否定)
- no: 少しも~ない、一つも~ない (名詞を直接否定。形容詞的に使う)
- never: 決して~ない、一度も~ない (頻度の完全否定)
- none: 何も~ない、誰も~ない (代名詞的に使う)
- nothing: 何も~ない (物が対象)
- nobody / no one: 誰も~ない (人が対象)
- nowhere: どこにも~ない (場所が対象)
- neither A nor B: AもBもどちらも~ない
- hardly / scarcely / rarely / seldom: ほとんど~ない、めったに~ない (準否定語と呼ばれる)
- little: (数えられない名詞について) ほとんど~ない (準否定語)
- few: (数えられる名詞について) ほとんど~ない (準否定語)
- without ~: ~なしに、~がなければ
- fail to do: ~しそこなう、~できない
- too … to do: あまりに~なので…できない
- lest S (should) do: Sが~しないように (否定的な目的)
- forbid O to do: Oが~するのを禁じる
- prevent O from doing: Oが~するのを妨げる
特に hardly, scarcely, little, few といった「準否定語」は、見た目は否定語っぽくなくても、文全体を否定的な意味にするので注意が必要です。 これらが文頭に来ると倒置が起こることもありますね(「倒置構文」の記事も参考にしてください!)。
これらの否定語は、それぞれ否定する対象やニュアンスが異なります。例えば、never は経験や頻度の完全な否定、no は存在や量の完全な否定、hardly は程度の弱さや困難さを含んだ否定、といった具合です。違いを意識して使い分けられるようになると、表現の幅が広がりますよ。
否定の範囲 (スコープ) – どこまでを否定しているか?
否定構文を理解する上で非常に重要なのが、「否定の範囲(スコープ・オブ・ネゲーション)」という考え方です。これは、否定語が文の中のどの部分まで影響を及ぼし、否定しているのか、その範囲を示すものです。
例えば、”I don’t like all of them.” という文があったとします。
この not は、”all of them” (それら全て) を否定しているのでしょうか、それとも “like” (好き) という行為を否定しているのでしょうか?
多くの場合、否定語はその後ろに来る語句に影響を与えますが、文の構造や他の語句との組み合わせによって、否定の範囲が変わってくることがあります。これが「全部否定」と「部分否定」の違いにもつながってきます(後述します)。
否定の範囲を正しく捉えることは、特に長くて複雑な文や、複数の否定語が含まれる文を正確に解釈するために不可欠です。文の構造を意識し、「この否定語は、どこからどこまでを否定しているのかな?」と考える習慣をつけましょう。

へぇ~、否定する言葉ってこんなにたくさんあるんだ!not だけじゃないって、目からウロコかも!否定の範囲ってのも大事なんだね。
様々な否定構文のパターンと作り方・意味
それでは、具体的な否定構文のパターンを、作り方や意味合いとともに詳しく見ていきましょう。基本的なものから、少し複雑なものまで、様々なバリエーションがありますよ。
基本的な否定文の作り方 – not の位置が重要
最も基本的な否定文は、not を使って作ります。not の位置は、文に使われている動詞の種類によって決まります。
1. be動詞の否定: be動詞 + not
be動詞 (is, am, are, was, were) を否定する場合は、be動詞の直後に not を置きます。
- She is not (isn’t) a student. (彼女は学生ではありません。)
- I am not tired. (私は疲れていません。)
- They were not (weren’t) at home. (彼らは家にいませんでした。)
2. 一般動詞の否定: do/does/did + not + 動詞の原形
一般動詞 (like, go, study など) を否定する場合は、助動詞の do, does, did の否定形 (do not/don’t, does not/doesn’t, did not/didn’t) を動詞の原形の前に置きます。
- I do not (don’t) like coffee. (私はコーヒーが好きではありません。)
- He does not (doesn’t) play soccer. (彼はサッカーをしません。)
- We did not (didn’t) go to the party. (私たちはパーティーに行きませんでした。)
一般動詞の否定で、”I not like coffee.” のように直接 not をつけるのは間違いです! 必ず do/does/did を使いましょう。これは英語学習の初期でよくある間違いなので、しっかり覚えてくださいね。
3. 助動詞 (can, will, mayなど) の否定: 助動詞 + not + 動詞の原形
can, will, may, should, must といった助動詞がある文を否定する場合は、助動詞の直後に not を置きます。
- I cannot (can’t) swim. (私は泳げません。)
※ cannot は1語で書くのが普通です。can not と離して書くのは、”not only … but also” のような特殊な場合を除き、一般的ではありません。
- She will not (won’t) come tomorrow. (彼女は明日来ないでしょう。)
- You should not (shouldn’t) do that. (あなたはそれをするべきではありません。)
- He may not be right. (彼は正しくないかもしれない。)
4. 完了形 (have/has/had + 過去分詞) の否定: have/has/had + not + 過去分詞
現在完了形、過去完了形、未来完了形を否定する場合は、助動詞の have, has, had の直後に not を置きます。
- I have not (haven’t) finished my homework yet. (私はまだ宿題を終えていません。)
- She has not (hasn’t) been to Paris. (彼女はパリへ行ったことがありません。)
- They had not (hadn’t) met before that day. (彼らはその日まで会ったことがありませんでした。)
基本的な not の位置は、be動詞や助動詞があればその直後、なければ do/does/did を補ってその直後、と覚えておくとスッキリしますね!
強い否定を表す no, never, none など
not よりも強い否定のニュアンスを出したいときには、no, never, none などの否定語が使われます。
1. no + 名詞: 「少しも~ない」「一つの~もない」
no は形容詞のように名詞の前に置かれ、その名詞の存在や量を完全に否定します。”not a” や “not any” よりも強い否定を表します。
- There is no milk in the fridge. (冷蔵庫に牛乳は全くない。)
(cf. There isn’t any milk… よりも強調的)
- I have no money with me. (私はお金を全く持っていません。)
- She has no brothers or sisters. (彼女には兄弟も姉妹も一人もいない。)
- No student failed the exam. (試験に落ちた生徒は一人もいなかった。)
2. never: 「決して~ない」「一度も~ない」
never は頻度を表す副詞で、「一度も~したことがない」「決して~しない」という経験や習慣の完全な否定を表します。not よりもはるかに強い否定です。位置は一般動詞の前、be動詞や助動詞の後ろが多いです。
- I have never been to Europe. (私はヨーロッパへ一度も行ったことがない。)
- She never tells a lie. (彼女は決して嘘をつかない。)
- He will never give up. (彼は決して諦めないだろう。)
3. none: 「何も~ない」「誰も~ない」(代名詞)
none は代名詞で、「(複数のうち) 何も~ない」「(複数のうち) 誰も~ない」という意味を表します。”not one” や “not any” の意味合いです。
- None of the students knew the answer. (生徒たちの誰もその答えを知らなかった。)
- A: How much money do you have? (お金はいくら持っていますか?)
B: None. (全くありません。)
- I wanted some apples, but there were none left. (リンゴがいくつか欲しかったが、一つも残っていなかった。)
no, never, none は、文全体を強く否定する力があるので、使う場面やニュアンスをしっかり理解しておくことが大切です。特に、no は名詞を直接否定するので、冠詞 (a/an, the) や other, any, much, enough などとは一緒に使えません。(例: × no a book)
部分否定と全部否定 – not all, not every, not always …
否定構文の中で特に注意が必要なのが、「部分否定」と「全部否定」の違いです。これは、否定語がどこまでを否定しているか(否定の範囲)に関わってきます。
部分否定: 「すべてが~というわけではない」「いつも~とは限らない」
not が all, every, always, necessarily, completely, entirely, quite, both などの「全体」や「絶対」を表す言葉と結びつくと、「全体が~というわけではない」という部分的な否定を表すことが多くなります。
- Not all students like English. (生徒全員が英語が好きというわけではない。)
→ 好きな生徒もいれば、そうでない生徒もいる、という意味。「全ての生徒が嫌い」ではない。
- Not every member attended the meeting. (全てのメンバーが会議に出席したわけではなかった。)
- I do not always get up early. (私はいつも早起きするとは限らない。)
- It is not necessarily true. (それは必ずしも本当というわけではない。)
- I am not completely satisfied with the result. (私はその結果に完全に満足しているわけではない。)
- I do not like both of them. (私は彼らの両方が好きなわけではない。)
→ 片方は好きだがもう一方は嫌い、あるいは両方とも嫌い、のどちらの可能性もある。誤解を避けるため “I don’t like either of them.” (どちらも好きではない) や “I like one of them, but not the other.” (片方は好きだがもう一方は嫌いだ) のような表現が好まれることも。
部分否定のキーワード: not + all / every / always / necessarily / completely / entirely / quite / both / altogether / exactly …
全部否定: 「すべて~ない」「全く~ない」
一方、全体を完全に否定したい場合は、none, no, never を使ったり、部分否定にならないような言い方をしたりします。
- None of the students like English. (生徒の誰も英語が好きではない。) ← 全員が嫌い。
- No student likes English. (英語が好きな生徒は一人もいない。)
- I never get up early. (私は決して早起きしない。)
- It is not true at all. (それは全く本当ではない。)
部分否定と全部否定の区別は、TOEICの読解問題などでも意味の取り違えを狙って出題されることがあるので、非常に重要です! “not all” は「全部~ない」ではなく「全部が~というわけではない」と訳すクセをつけましょう。
準否定語 (hardly, scarcely, seldom, little, few) による否定
hardly (ほとんど~ない), scarcely (ほとんど~ない), rarely (めったに~ない), seldom (めったに~ない), little (ほとんど~ない: 不可算名詞), few (ほとんど~ない: 可算名詞) といった単語は、それ自体に否定的な意味が含まれており、文全体を否定的なニュアンスにします。 これらを「準否定語」と呼びます。
これらの語は、形の上では肯定文のように見えても、意味は否定になるので注意が必要です。
- I can hardly believe it. (それはほとんど信じられない。)
(≒ I can almost not believe it.)
- She scarcely said a word. (彼女はほとんど口をきかなかった。)
- He rarely goes out these days. (彼は近頃めったに外出しない。)
- There is little hope of success. (成功の見込みはほとんどない。)
(cf. a little hope: 少しは希望がある)
- Few people attended the party. (パーティーに出席した人はほとんどいなかった。)
(cf. a few people: 何人かは出席した)
little/few と a little/a few の違いは、部分否定のところでも触れましたが、冠詞 a があるかないかで肯定的な意味になるか否定的な意味になるかが変わる、非常に紛らしいポイントです。a があれば「少しはある(肯定)」、a がなければ「ほとんどない(否定)」と覚えましょう!
これらの準否定語が文頭に来ると、倒置が起こります。
- Hardly had he finished speaking when she interrupted him. (彼が話し終えるか終えないかのうちに彼女が口を挟んだ。)
- Little did they know about the danger. (彼らはその危険についてほとんど知らなかった。)
二重否定 – 否定の否定は肯定?強調?
二重否定とは、一つの文の中に否定的な意味を持つ語句が二つ以上使われることです。二重否定は、大きく分けて二つの効果を持ちます。
1. 弱い肯定 (否定 × 否定 = 肯定)
論理的には「否定の否定は肯定」となるため、二重否定が結果として弱い肯定的な意味を表すことがあります。ただし、単純な肯定文よりも遠回しで、含みのある言い方になることが多いです。
- It is not impossible to solve this problem. (この問題を解決することは不可能ではない。)
(≒ It is possible to solve this problem. だが、「可能だ」と断言するより控えめなニュアンス。)
- There is no one who does not make mistakes. (過ちを犯さない人はいない。)
(≒ Everyone makes mistakes. 誰でも過ちは犯すものだ。)
- I don’t dislike him. (私は彼が嫌いというわけではない。)
(≒ I somewhat like him. / I am neutral about him. 少しは好き、または何とも思っていない。)
2. 強い否定 (否定語の強調)
否定語を重ねることで、かえって否定の意味を強調する用法もあります。これは、非標準的な英語や、特定の口語表現で見られることがあります。
- I ain’t got no money. (俺は一銭も持ってねえ。)
→ 標準英語では “I don’t have any money.” や “I have no money.” となります。ain’t は am not, is not, are not, have not, has not などのくだけた短縮形。この文では “no money” をさらに ain’t で否定することで、無一文であることを強調しています。
標準的な書き言葉やフォーマルな場面では、意図しない限り、二重否定は避けた方が無難です。 意味が曖昧になったり、誤解を招いたりする可能性があるためです。しかし、文学作品や歌詞などでは、ニュアンスを出すために効果的に使われることもあります。
二重否定って、なんだかややこしいですね…。肯定になるのか強調になるのか、どう見分ければいいんですか?
基本的には、文脈と、使われている否定語の種類で判断します。”not impossible” のように、反対の意味の言葉を否定する場合は肯定的な意味になりやすいです。一方、”ain’t got no” のような形は、明らかに否定を強めていると分かりますね。ただ、学習段階では、まずは「弱い肯定」のパターンを理解しておくのが良いでしょう。

not all とか hardly とか、気をつけないと意味を取り違えそう!二重否定も奥が深いなぁ。
否定的な意味を含む構文と慣用表現 – これも否定の一種!
直接的な否定語 (not, no, neverなど) を使わなくても、文の構造や特定の単語の組み合わせによって、否定的な意味合いを持つことがあります。これらも広い意味での否定構文と言えるでしょう。
too … to do 構文: 「あまりに~なので…できない」
too + 形容詞/副詞 + to不定詞 の形は、「あまりにも~すぎるので、…することができない」という否定的な結果を表します。not は使われていませんが、意味は否定的です。
- He is too tired to study. (彼はあまりにも疲れていて勉強できない。)
(≒ He is so tired that he cannot study.)
- This coffee is too hot to drink. (このコーヒーは熱すぎて飲めない。)
- She spoke too fast for me to understand. (彼女はあまりにも速く話したので私には理解できなかった。)
※ to不定詞の意味上の主語を for + 人 で表すこともできます。
この構文は、”so … that S cannot …” の形に書き換えられることが多いですね。
fail to do: 「~しそこなう」「~できない」
動詞の fail + to不定詞 は、「~することに失敗する」から転じて、「~しそこなう」「~できない」「~しない」という否定的な意味を表します。
- He failed to keep his promise. (彼は約束を守れなかった。)
(≒ He could not keep his promise. / He did not keep his promise.)
- Words fail to express my gratitude. (言葉では私の感謝の気持ちを表しきれません。)
- She never fails to impress me. (彼女はいつも私を感心させずにはおかない。→ いつも感心させられる。)
※ never fail to do は「必ず~する」という強い肯定の意味になるので注意!
without + 名詞/動名詞: 「~なしに」「~がなければ」
前置詞の without は、「~なしで」「~がなければ」という意味で、それ自体が否定的な状況を示します。
- I can’t live without you. (あなたなしでは生きられない。)
- He left without saying goodbye. (彼はさよならも言わずに去った。)
- Without your help, I would have failed. (あなたの助けがなければ、私は失敗していただろう。)
※ 仮定法でよく使われますね。
lest S (should) do: 「Sが~しないように」
接続詞の lest は、主に文語で使われ、「Sが~しないように」「Sが~するといけないから」という否定的な目的や懸念を表します。lest の後の節では、動詞の原形または should + 動詞の原形が使われることが多いです。
- She studied hard lest she (should) fail the exam. (彼女は試験に落ちないように一生懸命勉強した。)
(≒ She studied hard so that she would not fail the exam.)
- Be quiet lest you (should) wake the baby. (赤ちゃんを起こさないように静かにしなさい。)
lest 自体に否定の意味が含まれているので、lest の後の節にさらに not をつける必要はありません。
prevent / keep / stop O from doing: 「Oが~するのを妨げる」
prevent O from doing (Oが~するのを妨げる/防ぐ), keep O from doing (Oに~させないでおく), stop O from doing (Oが~するのをやめさせる/妨げる) といった構文も、結果的にOがその動作を「しない」ことになるので、否定的な意味合いを持ちます。
- The heavy rain prevented us from going out. (大雨のために私たちは外出しできなかった。)
- What kept you from coming sooner? (何があなたをもっと早く来させなかったのですか? → なぜもっと早く来なかったのですか?)
- You can’t stop me from doing what I want. (あなたは私がしたいことをするのを止めることはできない。)
これらの表現は、直接的な否定語は使っていなくても、文全体として「できない」「しない」といった否定的な結果を導くものですね。意味をしっかり理解しておきましょう。
否定的な意味合いを持つその他の単語や表現
上記以外にも、文脈によって否定的なニュアンスを帯びる単語や表現はたくさんあります。
- doubt (if/whether/that ~): (~かどうか)疑う (~ではないと思う)
- deny (that ~ / doing): (~ということ/~したこと)を否定する
- refuse (to do): (~するのを)拒む
- avoid (doing): (~するのを)避ける
- mind (doing / if ~): (~するのを)気にする、嫌がる (疑問文・否定文で)
- free from ~: ~がない、~を免れている
- far from ~: 決して~ではない、~どころではない
- the last person (to do / who would do): 最も~しそうにない人、決して~しない人
例: He is the last person to tell a lie. (彼は決して嘘をつくような人ではない。)
これらの言葉が使われている文は、表面上は肯定文に見えても、実際には否定的な内容を伝えていることがあるので、注意深く意味を読み取る必要があります。

too…to… とか fail to… とか、not がなくても否定の意味になるなんて、ややこしい~!でも、知ってると読解が楽になりそう!
まとめ – 多様な否定構文を使いこなし、英語表現を豊かに!
今回は、英語の「否定構文」について、基本的な not の使い方から、様々な否定語、部分否定と全部否定、そして否定的な意味を含む構文や慣用表現に至るまで、幅広く見てきました。これで、英語の「~ではない」という世界の奥深さを、少しでも感じていただけたのではないでしょうか。
最後に、この記事で学んだ否定構文の重要なポイントをまとめておきましょう。
- 否定構文とは:
- 文の意味を打ち消し、否定的な内容を表すための構造や表現。
- not だけでなく、no, never, hardly, little, few など多様な否定語が存在する。
- 基本的な否定 (not):
- be動詞/助動詞の後ろ、一般動詞の前 (do/does/did を伴う)。
- 強い否定:
- no + 名詞 (全く~ない)、never (決して~ない)。
- 部分否定と全部否定:
- not all/every/always … は「全てが~というわけではない」(部分否定)。
- none, no, never などは「全く~ない」(全部否定)。
- 準否定語:
- hardly, scarcely, seldom, little, few は、それ自体が否定的な意味を持つ。
- 二重否定:
- 弱い肯定 (not impossible = possible) や、強い否定の強調。
- 否定的な意味を含む構文:
- too … to do (あまりに~なので…できない)
- fail to do (~しそこなう、~できない)
- without ~ (~なしに)
- lest S (should) do (Sが~しないように)
- prevent O from doing (Oが~するのを妨げる)
- その他、否定的なニュアンスを持つ動詞や表現 (doubt, deny, the last personなど)
否定構文をマスターすることは、英語を正確に理解し、自分の意図を的確に伝えるために不可欠です。特に、部分否定や準否定語、そして否定的な意味を含む構文は、日本語の感覚とは異なる部分も多く、意識して学習する必要があります。
最初はたくさんのルールや単語に戸惑うかもしれませんが、一つひとつの表現が持つニュアンスを例文の中で確認し、実際に自分で使ってみることで、必ず身についていきます。そして、多様な否定表現を使いこなせるようになれば、あなたの英語はより豊かで、より正確なものになるでしょう。
この記事が、皆さんの英語学習の旅において、否定表現という壁を乗り越えるための一助となれば、これ以上嬉しいことはありません。頑張ってくださいね!
英語の否定表現は、奥が深く、時にはユーモラスな効果を生むこともあります。例えば、”It’s not rocket science.” (それはロケット科学じゃない。→ そんなに難しいことじゃないよ。) のような慣用句も、否定を使った面白い表現の一つですね。楽しみながら、色々な否定に触れてみてください!

否定って、ただ not をつければいいだけじゃないってことがよく分かりました!これで英語の理解が深まりそう!
コメント