wouldの使い方マスター!仮定法から丁寧な依頼、過去の習慣まで徹底解説

英語の助動詞「would」、なんだか捉えどころがないな…と感じていませんか? 「willの過去形でしょ?」というのはもちろん正解なのですが、それだけだとwouldの持つ豊かな表情を見逃してしまいます。「もし~だったらなぁ」と夢見る仮定法、「~していただけませんか?」という丁寧な依頼、「昔はよく~したものだ」という懐かしい過去の習慣…。wouldは本当に色々な場面で活躍する、とっても奥深い助動詞なんです。

この記事では、そんなwouldの多彩な用法を、英語学習を始めたばかりの方から、もっと表現力を高めたい中高生、大学生、TOEICのスコアアップを目指す方まで、皆さんに「なるほど!」と思っていただけるように、基本的な使い方から応用まで、たっぷりの例文と一緒に徹底解説していきます! wouldの核心に迫り、自信を持って使いこなせるようになることを目指しましょう!

AYUMI
AYUMI

wouldってそんなに使い方があるんですね! 仮定法とか特に難しそう…。

まずは基本!willの過去形としてのwouldの用法

wouldを理解する第一歩は、やはり「willの過去形」としての役割を知ることです。これは特に、間接話法(誰かが言ったことを伝える表現)や、過去のある時点から見た未来について話すときに重要になります。

過去から見た未来(時制の一致)を表すwould

誰かが「~するつもりだ」「~だろう」と言ったことを、後から他の人に伝える場合、元の文(直接話法)で使われていた will は、間接話法では would に変わることがよくあります。これを「時制の一致」と言います。

例を見てみましょう。

直接話法:

  • He said, “I will call you tomorrow.”
    (彼は「明日電話するよ」と言った。)

これを間接話法で伝える場合、動詞 `said` が過去形なので、それに合わせて `will` も過去形の `would` にします。

間接話法:

  • He said that he would call me the next day.
    (彼は次の日私に電話すると言った。)

※ `tomorrow` も `the next day` に変わっていますね。このように、時制の一致が起こると、時を表す副詞なども変化することがあります。

他の例文も見てみましょう。

  • She promised she would help me with my homework.
    (彼女は私の宿題を手伝うと約束してくれた。)
    ← 元々は “I will help you…” と言ったと考えられます。
  • I thought it would rain, but it didn’t.
    (雨が降るだろうと思ったけど、降らなかった。)
    ← 元々は “It will rain.” と考えていた。
  • They knew that the plan would be difficult.
    (彼らはその計画が難しいだろうと知っていた。)
    ← 元々は “The plan will be difficult.” と認識していた。

このように、過去の時点から見た未来の予測や意志を表現する際に、willの代わりにwouldが使われるのです。これは、wouldの基本的な働きのひとつとしてしっかり押さえておきましょう。

過去の強い意志・拒絶を表すwould / wouldn’t

willには「~するつもりだ」という強い意志を表す用法がありましたが、wouldにも同様に、過去における強い意志を表す使い方があります。特に否定形の wouldn’t (would not) は、「どうしても~しようとしなかった」という過去の強い拒絶を表すのによく使われます。

例文です。

  • I asked him again and again, but he wouldn’t tell me the truth.
    (私は何度も彼に尋ねたが、彼はどうしても真実を話そうとしなかった。)
  • She tried to apologize, but he wouldn’t listen.
    (彼女は謝ろうとしたが、彼はどうしても聞こうとしなかった。)
  • No matter how much I pushed, the door wouldn’t open.
    (どんなに強く押しても、そのドアはどうしても開かなかった。)

この `wouldn’t` は、単に「できなかった (couldn’t)」のではなく、「まるで意志を持って拒否していた」というニュアンスを強く含みます。特に最後の例文のように、主語が無生物(モノ)の場合、そのモノが頑固に言うことを聞かない様子を生き生きと表現できます。

肯定文で過去の強い意志を表すこともありますが、少し古風な響きになることもあります。

  • He swore he would have his revenge.
    (彼は復讐を遂げると固く誓った。)

この「過去の強い拒絶」を表す wouldn’t は、困った状況やイライラする状況を描写するのによく使われます。「コンピューターがどうしても起動しなかった (My computer wouldn’t start.)」とか、「エンジンがかからなかった (The engine wouldn’t start.)」のように、日常的にも意外と使う場面がある表現なんですよ。

AYUMI
AYUMI

なるほど、He said he would… っていうのは時制の一致だったんですね! The door wouldn’t open. は、ドアが「開かないぞ!」って頑張ってるみたいで面白いです(笑)

超重要!仮定法で大活躍するwouldの用法

さて、would の用法の中でも特に重要で、多くの学習者がつまずきやすいのが仮定法での使い方です。仮定法は「もし~だったらなぁ」という、現実とは違う状況を想像して話す表現方法ですが、would はその「~だろうに」という現実とは違う結果(帰結)を表す部分で中心的な役割を果たします。

仮定法にはいくつか種類がありますが、wouldがよく使われる代表的な形を見ていきましょう。

仮定法過去:「もし(今)~なら、…するだろうに」

仮定法過去は、現在の事実に反する仮定をして、「もし今~という状況なら、…するのになぁ」と述べる表現です。形は、If + S + 過去形 …, S + would + 動詞の原形 となります。

例文を見てみましょう。

  • If I had more money, I would buy that car.
    (もしもっとお金があれば、あの車を買うだろうに。)
    現実:お金がないので、買えない。
  • If I were you, I would accept the offer.
    (もし私があなたなら、その申し出を受け入れるだろうに。)
    現実:私はあなたではないので、私が受け入れることはない。(アドバイスとして使われることが多い表現)
    ※仮定法過去のif節のbe動詞は、主語が I/he/she/it でも `were` を使うのが正式です。口語では `was` も使われます。
  • If he knew the answer, he would tell us.
    (もし彼が答えを知っていれば、私たちに教えてくれるだろうに。)
    現実:彼は答えを知らないので、教えてくれない。
  • What would you do if you won the lottery?
    (もし宝くじに当たったら、どうしますか?)
    現実:宝くじには当たっていない(という前提での質問)。

ここでの `would + 動詞の原形` は、「(もし仮定が現実だったら)~するだろう」という、現実には起こらないであろう結果や行動を示しています。will を使うと「~するだろう(現実の予測)」になってしまうので、仮定の話であることを示すために would を使うんですね。

仮定法過去完了:「もし(あの時)~だったら、…しただろうに」

仮定法過去完了は、過去の事実に反する仮定をして、「もしあの時~していたら、…したのになぁ / …だったのになぁ」と、過去の出来事について後悔したり、違う結果を想像したりする表現です。形は、If + S + had + 過去分詞 …, S + would + have + 過去分詞 となります。

例文です。

  • If I had studied harder, I would have passed the exam.
    (もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろうに。)
    現実:一生懸命勉強しなかったので、合格できなかった。(後悔)
  • If you had told me about the party, I would have come.
    (もしパーティーのことを教えてくれていたら、行っただろうに。)
    現実:教えてくれなかったので、行かなかった。
  • If it hadn’t rained yesterday, we would have gone for a picnic.
    (もし昨日雨が降っていなかったら、ピクニックに行っただろうに。)
    現実:雨が降ったので、ピクニックに行かなかった。
  • He wouldn’t have made such a mistake if he had been more careful.
    (もし彼がもっと注意深かったら、そんな間違いはしなかっただろうに。)
    現実:注意深くなかったので、間違いを犯した。

ここでの `would have + 過去分詞` は、「(もし仮定が過去に起こっていたら)~しただろう」という、実際には起こらなかった過去の結果を示しています。形が少し複雑ですが、仮定法の中心的な表現なので、しっかり覚えて使えるようになりたいですね。

仮定法のその他の形(混合仮定法など)

仮定法には、条件節(If節)と帰結節(主節)の時制が異なる「混合仮定法」と呼ばれる形もあります。would はここでも活躍します。

  • 過去の条件 → 現在の結果
    If I had taken your advice then, I would be happier now.
    (もしあの時あなたの忠告を聞いていたら、今頃もっと幸せだろうに。)
    (If節:仮定法過去完了、主節:仮定法過去)
  • 現在の条件 → 過去の結果
    If I were good at cooking, I would have made dinner last night.
    (もし私が料理が得意なら、昨夜夕食を作っただろうに。)
    (If節:仮定法過去、主節:仮定法過去完了)

また、If節を使わずに、文脈から仮定の意味合いを込めて would を使うこともあります。

  • To hear him talk, you would think he was an expert.
    (彼が話すのを聞くと、(まるで専門家であるかのように)専門家だと思うだろう。)← 実際は専門家ではない、という含みがある。
  • A true friend wouldn’t say such a thing.
    (本当の友達なら、そんなことは言わないだろう。)← If he were a true friend… の意味合い。

仮定法で使われる動詞の形(過去形や過去完了形)は、あくまで「現実からの距離」を表すためのもので、必ずしも実際の時間軸と一致するわけではありません。「仮定法過去」が現在のことを、「仮定法過去完了」が過去のことを表す、という点をしっかり区別することが大切です。would は、その「現実ではない世界」での結果を導く役割を担っている、と考えると分かりやすいかもしれませんね。

AYUMI
AYUMI

仮定法、やっぱり複雑ですね…。でも、would が「もし~なら…だろうに」の「…だろうに」の部分を担当してるって思うと、少し役割が見えてきた気がします! 練習が必要ですね…。

丁寧さのキモ!依頼・申し出・推量・過去の習慣を表すwouldの用法

wouldの魅力は仮定法だけではありません! 日常会話でとても役立つ、丁寧な依頼申し出控えめな意見、そして過去の習慣を表す用法もあるんです。これらを使いこなせると、コミュニケーションがぐっとスムーズになりますよ。

丁寧な依頼:「Would you…?」(~していただけませんか?)

人に何かをお願いする時、”Will you…?” よりもさらに丁寧で控えめな依頼をする際に “Would you…?” を使います。「~していただけませんでしょうか?」といったニュアンスです。

  • Would you please open the window?
    (窓を開けていただけますでしょうか?)
  • Would you mind if I sat here?
    (ここに座ってもよろしいでしょうか?)
    → `Would you mind if + S + 過去形…?` は非常に丁寧な許可の求め方です。
  • Would you mind closing the door?
    (ドアを閉めていただけますでしょうか?)
    → `Would you mind + 動詞の-ing形…?` も丁寧な依頼の形です。
  • I was wondering if you would help me.
    (お手伝いいただけないかと思っていたのですが。)
    → `I was wondering if…` をつけると、さらに婉曲的で丁寧な依頼になります。

`Would you mind…?` と聞かれた時の返事、迷いませんか? `mind` は「気にする、嫌だと思う」という意味なので、
許可する場合:「No, not at all. (いいえ、全く気にしませんよ)」「Of course not. (もちろん、気にしません)」「Go ahead. (どうぞ)」のように、否定で答えるのが基本です。Yes と答えると「はい、気にします(=嫌です)」という意味になってしまうので注意!
断る場合:「I’m sorry, but… (申し訳ないのですが…)」のように、理由を添えて丁寧に断りましょう。

Would を使うことで、相手への配慮を示し、柔らかい印象を与えることができます。特にビジネスシーンや目上の人に対してお願いする際に重宝する表現です。

丁寧な申し出・意向確認:「Would you like…?」(~はいかがですか?)

相手に何かを勧めたり、意向を尋ねたりする際の定番表現が “Would you like…?” です。「~はいかがですか?」「~なさりたいですか?」という意味で、”Do you want…?” よりもはるかに丁寧で、相手をもてなす気持ちが伝わります。

  • Would you like some coffee?
    (コーヒーはいかがですか?)
  • Would you like to join us for dinner?
    (私たちと夕食をご一緒しませんか?)
  • What would you like to drink?
    (お飲み物は何になさいますか?)

自分の希望を丁寧に述べたい場合も、”I want to…” ではなく “I would like to…” (短縮形: I’d like to…) を使うのが一般的です。「~したいのですが」「~ хотел бы」という控えめなニュアンスになります。

  • I’d like to make a reservation for two.
    (2名で予約したいのですが。)
  • I would like some more information, please.
    (もう少し情報をいただきたいのですが。)

“Would you like…?” と “I’d like to…” は、レストランやお店など、様々な場面で使える非常に便利なフレーズです。ぜひ覚えておきましょう!

控えめな推量・意見:「~だろうと思う」「~ではないかと思う」

will が比較的確信度の高い推量を表すのに対し、would はより控えめな推量や、断定を避けた意見を述べる際に使われることがあります。「(ひょっとしたら)~だろうと思う」「~ではないかと思うのですが」といったニュアンスです。

  • “Who is that person?” “That would be Mr. Jones, I think.”
    (「あの方はどなたですか?」「ジョーンズさんだと思いますが。」)
  • It would seem that we are lost.
    (どうやら私たちは道に迷ったようですね。)
    → It seems… よりも婉曲的。
  • I would imagine it’s difficult to learn Japanese.
    (日本語を学ぶのは難しいのではないかと思います。)
  • I wouldn’t say it’s impossible.
    (不可能だとは言いませんが。)
    → 断定を避ける言い方。

ここでの would は、断定を避けることで丁寧さを出したり、自分の意見を押し付けないようにする配慮を示したりする役割があります。

過去の習慣:「(昔は)よく~したものだ」

wouldには、過去に繰り返し行われた習慣的な行動を表す用法もあります。「(昔は)よく~したものだ」と、過去を回想するようなニュアンスで使われます。

  • When I was a child, I would often visit my grandparents on weekends.
    (子供の頃、週末にはよく祖父母の家を訪ねたものだ。)
  • My father would sometimes take me fishing.
    (父は時々私を釣りに連れて行ってくれたものだ。)
  • We would sit by the fire and talk for hours.
    (私たちは暖炉のそばに座って、何時間もおしゃべりしたものだった。)
  • She would always complain about the weather.
    (彼女はいつも天気について文句を言っていたものだ。)

過去の習慣を表す表現としては “used to” も有名ですよね。would と used to は似ていますが、いくつか違いがあります。
1. 状態動詞:`used to` は過去の習慣的な「行動」だけでなく、「状態」(例: I used to live in London. / 昔ロンドンに住んでいた)も表せますが、would は基本的に過去の「行動」にしか使えません。`× I would live in London.` とは普通言いません。
2. 繰り返し:`would` は「繰り返し行われたこと」を強調するニュアンスがあります。そのため、`often` や `sometimes`, `always` などの頻度を表す副詞と一緒に使われることが多いです。
3. 唐突さ:`used to` は文脈がなくても「昔は~だった(今は違う)」という意味で使えますが、`would` は通常、`When I was a child…` のように、過去の特定の時期を示す文脈の中で使われます。いきなり `I would play the piano.` と言っても、意味が伝わりにくいことがあります。

 would + 動詞の原形used to + 動詞の原形
意味(昔は)よく~したものだ以前は~だった、以前はよく~したものだ
使える動詞動作動詞のみ
(例: play, visit, talk)
動作動詞・状態動詞
(例: live, be, have, like)
ニュアンス繰り返しの行動、回想的過去と現在の対比
例文We would often swim here.We used to swim here.
I used to live here.

この過去の習慣を表す would も、物語や昔話などでよく登場する使い方です。

AYUMI
AYUMI

Would you like…? は聞いたことありました! すごく丁寧なんですね! I’d like to… も使ってみます! 過去の習慣の would と used to の違いも、なるほど~って感じです!

まとめ

いや~、助動詞 would、本当にたくさんの顔を持っていましたね! willの過去形というだけでは片付けられない、その奥深さを感じていただけたでしょうか?

最後に、wouldの主な用法をまとめておさらいしましょう。

  • willの過去形として
    • 時制の一致(過去から見た未来):He said he would come.
    • 過去の強い意志・拒絶:He wouldn’t listen. / The door wouldn’t open.
  • 仮定法で(現実とは違う世界の話)
    • 仮定法過去(現在の事実に反する):If I were rich, I would travel.
    • 仮定法過去完了(過去の事実に反する):If I had known, I would have helped.
  • 丁寧表現として
    • 丁寧な依頼:Would you close the door? / Would you mind…?
    • 丁寧な申し出・意向確認:Would you like some tea? / I‘d like to order.
  • その他の用法
    • 控えめな推量・意見:That would be difficult.
    • 過去の習慣(動作動詞のみ):We would often play here.

wouldを理解するコツは、その核心にある「現実からの距離感」をイメージすることかもしれません。それが「過去」であったり、「仮定(非現実)」であったり、「丁寧さ(相手との心理的距離)」であったりするわけです。この距離感が、wouldの様々な用法に繋がっているんですね。

最初は難しく感じるかもしれませんが、それぞれの用法がどんな状況で使われるのかを意識しながら、たくさんの例文に触れることが大切です。特に仮定法や丁寧な依頼・申し出は、使えるようになると英語でのコミュニケーションが格段にスムーズになりますよ。ぜひ、怖がらずにどんどん使ってみてくださいね!

コメント