皆さん、こんにちは! 英語の助動詞「might」、なんだか掴みどころがない、と感じていませんか? 「mayの過去形でしょ?」と思っている方も多いかもしれません。確かにそれも might の一面なのですが、実はそれだけじゃないんです! might は、mayよりもさらに控えめな「~かもしれない」という推量を表したり、「~してみてはどうですか?」と丁寧に提案したり、そしてもちろん、仮定法の世界でも大活躍する、とっても奥深い助動詞なんですよ。
この記事では、そんな助動詞 might の様々な用法とニュアンスを、英語を学び始めたばかりの方から、もっと深く理解したい中高生、大学生、TOEIC受験者の方まで、誰もが「なるほど!」と思えるように、mayとの違いにも触れながら、豊富な例文と共に徹底的に解説していきます。mightを使いこなして、皆さんの英語表現をより繊細で豊かなものにしていきましょう!

mightってmayとどう違うんだろう? 仮定法でも使うんですね! 気になります!
mightの基本:mayよりも控えめな推量・可能性
まずは、mightの最も基本的な役割である「推量」から見ていきましょう。might は may と非常によく似ていますが、ニュアンスに違いがあります。また、「mayの過去形」としての働きも押さえておきましょう。
mayとの比較:確信度の低い「~かもしれない」を表すmight
mightは、mayと同様に「~かもしれない」という推量を表しますが、一般的にmayよりも確信度が低いとされています。「(もしかしたらひょっとすると)~かもしれない」「~する可能性もなくはない」といった、より控えめで不確かな推量を示す場合に使われることが多いんです。
確信度のイメージで言うと、こんな感じでしょうか。
<推量の確信度イメージ>
- must (~に違いない): ほぼ100%
- will (~だろう) / should (~のはずだ): 80-90%
- may (~かもしれない): 50%前後
- might (~かもしれない): 30%前後(mayより低い)
- could (~の可能性もある): mightに近いかそれ以下
例文でmayとmightを比較してみましょう。
- It may rain later. (後で雨が降るかもしれない。)
→ 降る可能性が五分五分くらいあるかな、という感じ。 - It might rain later. (ひょっとしたら後で雨が降るかもしれない。)
→ 降る可能性はあまり高くないけど、ゼロではないな、という感じ。より控えめ。
- He may know her address. (彼は彼女の住所を知っているかもしれない。)
- He might know her address. (彼はひょっとしたら彼女の住所を知っているかもしれない。)
このように、mightを使うと、より可能性が低い、あるいは断定を避けた丁寧な印象を与えることができます。
ただし、この確信度の違いは絶対的なものではありません。特に現代のアメリカ英語の日常会話では、推量を表す際に may よりも might の方が好んで使われる傾向があります。これは、might の方がより丁寧で控えめな響きを持つから、とも言われています。そのため、会話の中で might が出てきても、必ずしも「可能性がすごく低い」と話し手が考えているわけではない場合もあります。文脈や話し手の口調からニュアンスを読み取ることが大切ですね。
過去形としてのmight:時制の一致での使われ方
might はもともと may の過去形です。そのため、主節の動詞が過去形の場合に、従属節の中で may の代わりに might が使われる「時制の一致」が起こることがあります。これは主に、誰かが言ったこと(推量や許可)を間接的に伝える間接話法で見られます。
例を見てみましょう。
直接話法:
- He said, “I may be late.”
(彼は「遅れるかもしれない」と言った。) - She said, “You may use my pen.”
(彼女は「私のペンを使ってもいいですよ」と言った。)
これを間接話法で伝える場合、主節の動詞 `said` が過去形なので、それに合わせて `may` も過去形の `might` にします。
間接話法:
- He said that he might be late.
(彼は遅れるかもしれないと言った。) - She said that I might use her pen.
(彼女は私が彼女のペンを使ってもよいと言った。)
他の例文も見てみましょう。
- I thought he might come to the party, but he didn’t.
(彼はパーティーに来るかもしれないと思ったけど、来なかった。)
← 元々は “He may come.” と考えていた。 - She asked if she might borrow the book.
(彼女はその本を借りてもよいか尋ねた。)
← 元々は “May I borrow…?” と尋ねた。
このように、過去の時点での推量や許可を表す際に、時制の一致によって might が使われることがあります。ただし、現在の推量や許可を表す用法の方が圧倒的に使われる頻度は高いです。
否定の推量 might not:「~でないかもしれない」
「~でないかもしれない」という否定の推量を表す場合は、might not を使います。may not とほぼ同じ意味ですが、やはり might not の方がより可能性が低い、あるいは控えめなニュアンスを持つことがあります。
- He might not know the truth.
(彼は真実を知らないのかもしれない。) - It might not be the best idea.
(それは最善の考えではないかもしれない。) - She looks tired. She might not have slept well last night.
(彼女は疲れているようだ。昨夜よく眠れなかったのかもしれない。)← 過去の否定推量 (might not have + 過去分詞)
ここでも注意点です!「~のはずがない」という強い否定の推量を表したい場合は、might not ではなく can’t や couldn’t を使います。
例:
・That story can’t be true. (その話が本当のはずがない。)
× That story might not be true. は「本当じゃないかもしれない」という弱い推量。
同様に、過去の強い否定推量「~だったはずがない」は `can’t have + 過去分詞` や `couldn’t have + 過去分詞` を使います。
・He couldn’t have forgotten our appointment. (彼が私たちの約束を忘れたはずがない。)
× He might not have forgotten… は「忘れていなかったかもしれない」という弱い推量。
might not はあくまで「~ではない可能性もある」という弱い否定の推量だということを、しっかり覚えておきましょう。

へぇ~! mightの方が可能性が低いだけじゃなくて、丁寧さもあるんですね! 時制の一致でも使うんだ! can’t/couldn’t との使い分けも大事ですね!
丁寧さUP!提案・許可・依頼で使うmightの用法
might は推量だけでなく、コミュニケーションを円滑にするための丁寧な表現でも活躍します。特に、控えめな提案や非常に丁寧な許可依頼などで、その真価を発揮するんですよ。
丁寧で控えめな提案・助言を表すmight
相手に何かを提案したり、助言したりする際に、should (~すべきだ) を使うと少し押し付けがましく聞こえることがありますよね。そんな時、might を使うと非常に控えめで丁寧な提案をすることができます。「~してみてはどうですか?」「~してみるのもいいかもしれませんね」といった、相手に判断を委ねるような柔らかいニュアンスになります。
よく使われる形は You might want to… や You might try… です。
- You might want to reconsider your decision.
(決断を再考してみてはどうでしょうか。) - You might want to check the weather forecast before you go out.
(外出する前に天気予報を確認した方がいいかもしれませんよ。) - If you have time, you might try visiting the new museum.
(もし時間があれば、新しい博物館を訪れてみるのもいいかもしれません。) - You might find this book interesting.
(この本を面白いと思うかもしれませんよ。)
これらの表現は、相手の気持ちを尊重しつつ、自分の考えを穏やかに伝えるのにとても便利です。特に `You might want to…` は、遠回しにアドバイスする際の定番フレーズとしてよく使われます。
`You might want to…` は、時には婉曲的な軽い警告や皮肉として使われることもあります。例えば、騒がしい場所で “You might want to keep your voice down.” と言われたら、「少し静かにしてほしい」という意図が含まれている可能性が高いです。文脈や口調に注意が必要ですね。
非常に丁寧な許可依頼:Might I…? / Might we…?
自分が何かをしてもよいか許可を求める際、May I…? が丁寧な表現として知られていますが、Might I…? や Might we…? を使うと、さらに丁寧で、控えめ、あるいはためらいがちなニュアンスを出すことができます。
丁寧さの度合い(許可依頼): Can I…? (カジュアル) < May I…? (丁寧) < Might I…? (非常に丁寧・控えめ)
- Might I ask your name?
(お名前を伺ってもよろしいでしょうか?) - Might I interrupt for a moment?
(少しお邪魔してもよろしいでしょうか?) - Might we possibly change our reservation?
(予約を変更させていただくことは可能でしょうか?)← possibly を入れるとさらに丁寧さが増す
ただし、この Might I…? / Might we…? は、現代英語ではやや古風に聞こえたり、非常にフォーマルな場面に限られたりすることがあります。また、「~してもいいですか?」と尋ねる自信のなさを表す場合にも使われることがあります。
日常会話では、May I…? や、親しい間柄なら Can I…? を使う方が一般的です。しかし、最大限の丁寧さを示したい特別な状況では、Might I…? が選択肢として考えられます。
過去の許可 could との違い
might は基本的に現在または未来の許可を求める際に使われます。では、過去に「~してもよかった」という許可を表す場合はどうなるでしょう?
過去の許可については、通常 could が使われます。特に、一般的な許可や能力としての許可を表す場合です。
- In those days, students could use the library until 10 p.m.
(当時は、学生は夜10時まで図書館を利用できた(利用してもよかった)。)
ただし、「(特定の状況で)~してもよいと許可された」という意味では、`was/were allowed to` や `was/were permitted to` を使う方がより明確です。
- I was allowed to leave early yesterday.
(私は昨日、早退することを許可された。)
might を過去の許可の意味で使うことは、時制の一致の場合を除いて、現代英語では一般的ではありません。

Might I…? なんて言えたらすごく丁寧そう! でもちょっと古風なんですね。You might want to… はすぐに使えそうで便利!
仮定法と過去の推量:mightの重要用法をマスター
さて、いよいよ might の用法の中でも特に重要で、文法的な理解が求められる「仮定法」と「過去の推量」について見ていきましょう。ここをマスターすれば、might の使いこなしレベルが格段にアップしますよ!
仮定法過去の帰結節:「(もし~なら)…かもしれないのに」
仮定法過去は、「もし(今)~なら、…なのに」と現在の事実に反する仮定をする表現でしたね。その結果(帰結節)を表す部分では、通常 would (~だろうに) や could (~できるのに) が使われますが、might も使うことができるんです。
形は、If + S + 過去形 …, S + might + 動詞の原形 となります。
仮定法の帰結節で might を使うと、「(もし~なら)…するかもしれないのに」という意味になり、would や could よりもさらに可能性の低い、不確かな結果を表します。
例文を見てみましょう。
- If I had a little more time, I might go to the party.
(もしもう少し時間があれば、パーティーに行くかもしれないのに。)
→ 行く可能性はあまり高くないけれど、ゼロではない、というニュアンス。(`I would go.` なら「行くだろうに」、`I could go.` なら「行けるのに」) - If you asked him nicely, he might agree.
(もしあなたが彼に丁寧にお願いすれば、彼は同意するかもしれないのに。)
→ 同意する可能性は低いかもしれないが、試してみる価値はあるかも、という感じ。 - If it were sunny, we might consider having a picnic.
(もし晴れていれば、ピクニックをすることを考えるかもしれないのにね。)
→ 晴れていても、ピクニックをするかどうかは不確か。
このように、might を使うことで、仮定の状況下での結果が、あくまで「可能性の一つ」に過ぎないことを示すことができます。
仮定法過去完了の帰結節:「(もし~だったら)…したかもしれないのに」
仮定法過去完了は、「もし(あの時)~だったら、…したのに」と過去の事実に反する仮定をする表現でした。この帰結節でも might を使うことができます。
形は、If + S + had + 過去分詞 …, S + might + have + 過去分詞 となります。
この場合、「(もし~だったら)…したかもしれないのに」という意味になり、過去に起こったかもしれない、可能性の低い結果を表します。`would have + 過去分詞` (~しただろうに) や `could have + 過去分詞` (~できたのに) よりも、不確実性が高いニュアンスになります。
例文です。
- If I had known about the traffic jam, I might have taken a different route.
(もし渋滞について知っていたら、違う道を通ったかもしれないのに。)
→ 違う道を選んだ可能性もあるけど、そうしなかったかもしれない、という不確かさ。(`I would have taken…`なら「通っただろうに」、`I could have taken…`なら「通れたのに」) - If she had studied harder, she might have passed the exam.
(もし彼女がもっと勉強していたら、試験に合格したかもしれないのに。)
→ 合格した可能性もあったが、確実ではなかった。 - If you hadn’t helped me, I might not have finished on time.
(もしあなたが手伝ってくれなかったら、私は時間通りに終えられなかったかもしれない。)← 否定形
仮定法で would, could, might を使い分けることで、結果に対する確信度や可能性の度合いを微妙に表現することができるんですね。
過去の推量 might have + 過去分詞:「~した(だった)かもしれない」
過去の出来事について「~したかもしれない」「~だったかもしれない」と、現在の視点から不確かな推量をする場合、might have + 過去分詞 の形を使います。
これは、先ほど「基本」のセクションで触れた `may have + 過去分詞` とほぼ同じ意味ですが、やはり might have の方が可能性が低い、あるいはより控えめなニュアンスを持つことがあります。ただし、これも会話では厳密に区別されずに使われることも多いです。
- A: Why is Sarah late?
B: I don’t know. She might have overslept.
(A: なぜサラは遅刻しているの? B: わからない。寝坊したのかもしれない。) - I can’t find my wallet anywhere. I might have dropped it somewhere.
(財布がどこにも見当たらない。どこかで落としたのかもしれない。) - He didn’t recognize me. He might have forgotten my face.
(彼は私に気づかなかった。私の顔を忘れてしまったのかもしれない。)
否定形は might not have + 過去分詞 で、「~しなかった(でなかった)かもしれない」という意味になります。
- He looks happy. He might not have heard the bad news yet.
(彼は嬉しそうだ。まだ悪い知らせを聞いていないのかもしれない。)
過去の出来事に関する助動詞 + have + 過去分詞 の使い分けは非常に重要なので、ここで整理しておきましょう!
・must have + 過去分詞: ~したに違いない(強い肯定の推量)
・can’t/couldn’t have + 過去分詞: ~したはずがない(強い否定の推量)
・should have + 過去分詞: ~すべきだったのに(しなかった)(後悔・非難)
・shouldn’t have + 過去分詞: ~すべきではなかったのに(してしまった)(後悔・非難)
・may have + 過去分詞: ~したかもしれない(五分五分くらいの推量)
・might have + 過去分詞: ~したかもしれない(may haveより可能性が低い/控えめな推量)
・could have + 過去分詞: ~できたのに(しなかった)(過去の可能性・能力)
形が似ていて混乱しやすいですが、それぞれの意味とニュアンスをしっかり区別して覚えることが大切です!
過去の後悔・非難 should have との違い
特に注意したいのが、`might have + 過去分詞` と `should have + 過去分詞` の違いです。
- might have + 過去分詞:あくまで過去の可能性についての推量。「~したかもしれない」
- should have + 過去分詞:過去の行動に対する後悔や非難。「~すべきだったのに(しなかった)」
例文で比べてみましょう。
- You might have told me about the change of plans.
(計画の変更について、私に言ってくれた可能性もあったかもしれないね。)
→ 言ってくれなかったことに対する、可能性としての言及。非難の度合いは低いか、ほぼない。 - You should have told me about the change of plans.
(計画の変更について、私に言うべきだったのに!)
→ 言ってくれなかったことに対する、明確な非難や不満。
このように、使う助動詞によって、話し手の気持ちやニュアンスが大きく変わってきます。過去の出来事について話す際には、どちらの意味合いで伝えたいのかを考えて、適切な助動詞を選ぶようにしましょう。

仮定法の might、難しいけど使い分けが大事なんですね! 過去の推量の might have も、may have や could have, should have との違いをしっかり覚えないと…! 整理できてよかったです!
まとめ
いや~、助動詞 might、思った以上に奥が深かったですね! 単なる may の過去形というだけではなく、推量の確信度を下げたり、丁寧さを加えたり、仮定の世界を描写したりと、実に繊細なニュアンスを表現できる助動詞だということがお分かりいただけたでしょうか。
最後に、mightの主な用法をまとめておさらいしましょう。
- 控えめな推量:「~かもしれない」 (mayよりも確信度が低い/丁寧)
- It might rain.
- 否定:might not (~でないかもしれない) ※can’t/couldn’t と区別
- 過去形としてのmight(時制の一致)
- He said he might be late.
- 丁寧な提案・助言:「~してはどうですか?」
- You might want to reconsider.
- You might try calling again.
- 非常に丁寧な許可依頼:「~してもよろしいでしょうか?」 (やや古風/フォーマル)
- Might I ask a question?
- 仮定法の帰結節 (would/couldより可能性が低い結果)
- 仮定法過去:If I had time, I might go. (~するかもしれないのに)
- 仮定法過去完了:If I had known, I might have come. (~したかもしれないのに)
- 過去の推量:「~した(だった)かもしれない」 (may haveより可能性が低い/控えめ)
- He might have forgotten.
- 否定:He might not have known. ※can’t/couldn’t have と区別
might の核心にあるのは、やはり「可能性の低さ」「不確かさ」「控えめさ」「丁寧さ」といったイメージでしょう。may と比べると、より現実からの距離を感じさせる助動詞と言えるかもしれません。この「距離感」が、推量の確信度を下げたり、仮定の話で使われたり、相手への配慮を示す丁寧な表現に繋がったりするわけですね。
特に、may, would, could, should との使い分け、仮定法での役割、そして `might have + 過去分詞` の形は、英語学習において非常に重要です。最初は混乱するかもしれませんが、それぞれの助動詞が持つニュアンスを意識しながら、たくさんの例文に触れていくことが上達への近道です。ぜひ、この記事を何度も読み返して、might をあなたの表現の引き出しに加えてくださいね!
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