「お母さんに『早く起きなさい!』って言われちゃった…」「先生が『静かにしてください』って注意してたよ」みたいに、誰かの命令や依頼、指示を他の人に伝えることって、日常生活で結構ありますよね。でも、英語でこれを言おうとすると、「普通の文とどう違うの?」「”Don’t …” の否定の命令はどうやって伝えればいいの?」なんて、迷ってしまうこと、ありませんか?
この記事では、そんな英語の「命令文」を間接話法で伝えるときのルールについて、基本からしっかり解説していきます!肯定の命令(~しなさい)と否定の命令(~するな)の2つのパターンを中心に、どんな動詞を使って、どんな形にすればいいのか、たくさんの例文と一緒に見ていきましょう。これを読めば、誰かの指示やお願いをスムーズかつ正確に他の人に伝えられるようになって、あなたの英語コミュニケーション力もさらにアップすること間違いなしです!

命令文の伝え方、確かに普通の文とは違いそう!この記事でしっかりマスターしたいな!
命令文の話法転換とは?基本ルールと注意点を押さえよう
「話法の転換」って、なんだか難しそうな文法用語に聞こえますよね。でも、大丈夫!これは、誰かが言った言葉や指示を、他の人に伝えるための言い換えテクニックのことなんです。特に命令文の場合は、平叙文(普通の文)や疑問文のときとはまた少し違う、独特のルールがあるので、まずはその基本をしっかり押さえていきましょう。
直接話法と間接話法の違いを再確認!
話法には、大きく分けて2つの伝え方がありましたね。
- 直接話法 (Direct Speech):
相手が言った言葉をそのまま引用符 (” ” や ‘ ‘) を使って伝える方法。
例:My mother said, “Get up early!” (母は「早く起きなさい!」と言った。) - 間接話法 (Indirect Speech / Reported Speech):
相手が言った言葉の内容を、話し手の視点から言い換えて伝える方法。引用符は使いません。
例:My mother told me to get up early. (母は私に早く起きるように言った。)
命令文を間接話法で伝えるときも、この間接話法の形を使います。そして、平叙文や疑問文の転換と同じように、いくつかのポイントに注意しながら形を変えていく必要があります。
平叙文・疑問文の転換ルールとの違いと共通点
命令文の話法転換は、平叙文や疑問文の転換と比べて、形が比較的シンプルで分かりやすいのが特徴です。でも、共通するルールもあれば、命令文ならではのルールもあります。
【共通する可能性のあるルール】(ただし命令文ではあまり意識されないことも)
- 人称代名詞・所有格の変化:
もし命令文の中に “your” などが含まれていれば、文脈に合わせて my, his などに変わることがあります。(例:”Clean your room.” → He told me to clean my room.) - 時や場所を表す副詞・指示代名詞の変化:
命令文自体には少ないですが、もしあれば変化の可能性があります。
【命令文の転換で特に重要なルール】
- 伝達動詞:
平叙文では say や tell、疑問文では ask を主に使いましたが、命令文を間接話法で伝えるときは、“tell” (言う、命じる), “ask” (頼む), “order” (命じる), “advise” (忠告する), “request” (依頼する), “warn” (警告する) など、命令や依頼のニュアンスを持つ動詞を使います。 - 「to不定詞」を使う!:
これが命令文の転換の最大のポイントです!間接話法で命令の内容を伝えるときは、「伝達動詞 + 人 + to + 動詞の原形 …」という形を使うんです。that節やif/whether節は使いません。 - 時制の一致は基本的に起こらない:
to不定詞を使うため、to の後の動詞は常に原形です。つまり、平叙文や疑問文の転換であったような「動詞の時制を過去形や過去完了形に変える」という作業は、命令文の転換では基本的にありません。伝達動詞 (told, askedなど) 自体が過去形になることで、過去の命令だったことを示します。
超重要ポイント! 命令文の間接話法は「伝達動詞 + 人 + to不定詞」の形になる、としっかり覚えてください。to の後は必ず動詞の原形です!これが分かれば、命令文の転換はグッと楽になりますよ。
例:
- 直接話法:The teacher said, “Be quiet.”
- 間接話法:The teacher told us to be quiet.
この「to不定詞」の形が、命令文の話法転換をマスターする上での鍵となります。

to不定詞を使うんだ!時制の一致がないのはちょっとホッとするかも…!でも、伝達動詞の選び方が大切そうですね。
肯定の命令文(~しなさい)の話法転換:基本パターンをマスター!
まずは、「~しなさい」「~してください」という、何かをするように促す肯定の命令文を間接話法にするときのルールを見ていきましょう。基本の形はとってもシンプルですよ!
伝達動詞 + 人 + to + 動詞の原形 … の形を覚えよう!
肯定の命令文を間接話法で伝えるときの基本的な形は、これです!
伝達動詞 + 人 + to + 動詞の原形 …
具体的に見ていきましょう。
- 伝達動詞:
- tell: (人に~するように)言う、命じる(一般的な命令)
- ask: (人に~するように)頼む(丁寧な依頼)
- order: (人に~するように)命令する(tellより強い命令)
- advise: (人に~するように)忠告する、勧める
- request: (人に~するように)依頼する(askよりフォーマルな依頼)
- command: (人に~するように)指揮する、命令する(軍隊などで)
- instruct: (人に~するように)指示する
- urge: (人に~するように)強く促す
- invite: (人に~するように)誘う、勧める
- encourage: (人に~するように)励ます、奨励する
- 人:
命令や依頼をされた相手(me, him, her, us, them, the students など)が入ります。直接話法で相手が明示されていなくても、間接話法では補うことが多いです。 - to + 動詞の原形 …:
これが命令の内容を表します。to の後は必ず動詞の原形です。
例文:
- My father said to me, “Study hard.”
→ My father told me to study hard. (父は私に一生懸命勉強するように言った。) - The doctor said, “Take this medicine after meals.”
→ The doctor advised me to take that medicine after meals. (医者は私に食後にその薬を飲むように忠告した。) (this → that の変化も!) - She said to her son, “Clean your room.”
→ She ordered her son to clean his room. (彼女は息子に部屋を掃除するように命じた。) (your → his の変化も!)
伝達動詞の選び方で、命令の強さやニュアンスが変わってきます。単に「言った」なら tell、丁寧にお願いしたなら ask、強く命じたなら order のように、状況に合わせて使い分けると、より正確に伝えられますよ。
伝達動詞のニュアンスの違いを理解して使い分けよう
先ほども少し触れましたが、命令文の転換では、どんな伝達動詞を使うかによって、元の命令のニュアンスを伝えることができます。いくつか代表的なものを見てみましょう。
<主な伝達動詞とニュアンス>
伝達動詞 | 主な意味・ニュアンス | 例文 (間接話法) |
---|---|---|
tell | (人に~するように)言う、指示する 最も一般的。 | He told me to wait here. |
ask | (人に~するように)頼む、お願いする 丁寧な依頼。命令文に “please” がついている場合によく使われる。 | She asked him to help her. |
order | (人に~するように)命令する tell よりも強い、権威のある立場からの命令。 | The captain ordered the soldiers to march. |
advise | (人に~するように)忠告する、勧める 相手のためを思っての助言。 | My teacher advised me to read more books. |
warn | (人に~するように)警告する 危険や悪い結果を避けるための注意。 | They warned us to be careful. |
request | (人に~するように)依頼する、要請する ask よりもフォーマルで丁寧な依頼。 | The manager requested the staff to arrive on time. |
元の命令文に “please” が含まれている場合は、間接話法では “please” は消えて、伝達動詞を “ask” にすることが多いです。
例:She said, “Please close the door.” → She asked me to close the door.
肯定の命令文:具体的な転換ステップと例文
では、実際に肯定の命令文を間接話法に転換する手順を、ステップごとに確認しましょう。
【転換ステップ】
- 適切な伝達動詞を選ぶ (tell, ask, order, advise など)。主節の時制は過去形 (told, asked など) にすることが多い。
- 伝達動詞の後に、命令された「人」を置く。
- その後に「to + 動詞の原形 …」を続けて、命令の内容を表す。
- 必要であれば、人称代名詞、所有格、時・場所の副詞などを適切に変える。
- 文末はピリオド (.) で終える。
例文で練習してみましょう!
例文1:The teacher said to the students, “Open your textbooks to page 10.”
(先生は生徒たちに「教科書の10ページを開きなさい」と言った。)
- 伝達動詞:told (または instructed)
- 人:the students
- to不定詞:to open their textbooks to page 10 (your → their の変化)
→ The teacher told the students to open their textbooks to page 10.
例文2:My friend said, “Please come to my party.”
(友達は「私のパーティーに来てください」と言った。)
- 伝達動詞:asked (please があるので)
- 人:me (文脈から補う)
- to不定詞:to come to her party (my → her の変化、友達が女性の場合)
→ My friend asked me to come to her party.
例文3:The police officer said to the driver, “Show me your driver’s license.”
(警察官は運転手に「運転免許証を見せなさい」と言った。)
- 伝達動詞:ordered (または told)
- 人:the driver
- to不定詞:to show him his driver’s license (me → him (警官を指す), your → his の変化)
→ The police officer ordered the driver to show him his driver’s license.
例文4:”Be careful,” he said to us.
(「気をつけなさい」と彼は私たちに言った。)
- 伝達動詞:warned (または told, advised)
- 人:us
- to不定詞:to be careful
→ He warned us to be careful.
伝達動詞の後に「人」を置くのを忘れちゃいそうです…。
そうなんです、そこが意外と忘れやすいポイントかもしれませんね!「誰に」命令したのかを明確にするために、「人」は基本的に必要です。直接話法で “He said, ‘Stop!'” のように相手が明示されていなくても、間接話法では “He told me to stop.” や “He told them to stop.” のように、文脈から判断して補うことが多いんですよ。
肯定の命令文の転換は、この「伝達動詞 + 人 + to不定詞」の形さえ覚えてしまえば、比較的シンプルですよね!

肯定の命令は to不定詞でスッキリ!伝達動詞の使い分けでニュアンスも出せるんですね!
否定の命令文(~するな)の話法転換:「not to do」がカギ!
次に、「~するな」「~してはいけません」という、何かをしないように禁止する否定の命令文を間接話法にするときのルールを見ていきましょう。これも、肯定の命令文の形を少し変えるだけでOKです!
伝達動詞 + 人 + not to + 動詞の原形 … の形を覚えよう!
否定の命令文を間接話法で伝えるときの基本的な形は、これです!
伝達動詞 + 人 + not to + 動詞の原形 …
肯定の命令文の “to不定詞” の直前に “not” を置くだけ、と覚えると簡単ですね。「~しないように」という意味になります。
例:
- He said to me, “Don’t touch it.”
→ He told me not to touch it. (彼は私にそれに触らないように言った。) - The sign said, “Do not enter.”
→ The sign warned us not to enter. (その標識は私たちに入らないように警告していた。) - My mother often says, “Don’t waste your money.”
→ My mother often tells me not to waste my money. (母はよく私にお金を無駄遣いしないように言う。) (伝達動詞が現在形なら、時制の一致は不要で、元の命令のニュアンスがそのまま伝わります)
超重要! 否定の命令文の転換は、「not to + 動詞の原形」です。 “to not do” のように “not” の位置を間違えないように注意しましょう。必ず “to” の前に “not” です!
伝達動詞の選び方は肯定の命令文と同じ
否定の命令文の場合も、伝達動詞の選び方は肯定の命令文のときと考え方は同じです。命令の強さやニュアンスに合わせて、tell, ask, order, advise, warn などを使います。
例:
- She said, “Please don’t worry about me.”
→ She asked me not to worry about her. (彼女は私に自分のことを心配しないでと頼んだ。) - The teacher said to the students, “Don’t cheat on the exam.”
→ The teacher warned the students not to cheat on the exam. (先生は生徒たちに試験でカンニングしないように警告した。)
否定の命令文:具体的な転換ステップと例文
では、否定の命令文を間接話法に転換する手順を、ステップごとに確認しましょう。
【転換ステップ】
- 適切な伝達動詞を選ぶ (tell, ask, order, advise, warn など)。
- 伝達動詞の後に、命令された「人」を置く。
- その後に「not to + 動詞の原形 …」を続けて、禁止の内容を表す。
- 必要であれば、人称代名詞、所有格、時・場所の副詞などを適切に変える。
- 文末はピリオド (.) で終える。
例文で練習してみましょう!
例文1:The librarian said to us, “Don’t make a noise in the library.”
(図書館員は私たちに「図書館では騒がないでください」と言った。)
- 伝達動詞:told (または instructed, asked)
- 人:us
- not to不定詞:not to make a noise in the library
→ The librarian told us not to make a noise in the library.
例文2:He said, “Don’t be late for the meeting.”
(彼は「会議に遅れるな」と言った。)
- 伝達動詞:warned (または told)
- 人:me (文脈から補う)
- not to不定詞:not to be late for the meeting
→ He warned me not to be late for the meeting.
例文3:My father said to my brother, “Don’t play video games all day.”
(父は兄〔弟〕に「一日中ビデオゲームをするな」と言った。)
- 伝達動詞:told (または advised)
- 人:my brother
- not to不定詞:not to play video games all day
→ My father told my brother not to play video games all day.
否定の命令文は、元の文の “Don’t …” や “Do not …” の “Don’t / Do not” の部分が、間接話法では “not to” に変わる、と考えるとシンプルですね!
“Let’s …” の文の転換は少し特殊(参考)
命令文と少し似ていますが、「Let’s …」(~しましょう)という提案・勧誘の文を間接話法で伝える場合は、これまで見てきた命令文の転換とは少し形が異なります。参考までに紹介しておきますね。
「Let’s …」の文は、主に以下の2つの方法で間接話法にします。
- suggest that S (should) + 動詞の原形 …
伝達動詞に “suggest” (提案する) を使い、that節で内容を伝えます。that節の中の動詞は、should を伴うか、should が省略されて動詞の原形になることが多いです(仮定法現在)。- 例:He said, “Let’s go to the movies.”
→ He suggested that we (should) go to the movies.
(彼は映画に行こうと提案した。)
- 例:He said, “Let’s go to the movies.”
- suggest + 動名詞 (-ing) …
suggest の後に、動名詞を使って提案内容を表すこともできます。- 例:He said, “Let’s play soccer.”
→ He suggested playing soccer.
(彼はサッカーをしようと提案した。)
- 例:He said, “Let’s play soccer.”
“Let’s …” は、相手に何かを強制する命令とはニュアンスが異なるため、tell や order ではなく suggest がよく使われます。また、形も to不定詞ではなく、that節や動名詞になるのがポイントです。これは命令文の転換とは別のルールとして覚えておくと良いでしょう。
否定の命令文も、”not” の位置さえ間違えなければ大丈夫そうですね!

否定の命令は “not to”!これで「~しないで」もバッチリ伝えられますね!”Let’s” はまた違う形なんだ、面白い!
まとめ:命令文の話法転換をマスターして、英語での指示・依頼をスムーズに!
今回は、英語の「命令文」を間接話法で伝えるためのルールについて、肯定の命令と否定の命令に分けて、詳しく解説してきました。これまでの平叙文や疑問文の転換と比べると、形がシンプルで覚えやすかったのではないでしょうか?最後に、今日学んだ重要なポイントをしっかりおさらいしましょう!
- 命令文の話法転換の基本:
- 伝達動詞は tell, ask, order, advise, warn など、命令や依頼のニュアンスを持つものを選ぶ。
- 命令の内容は「to不定詞」で表す!(to + 動詞の原形)
- to不定詞を使うため、基本的に動詞の時制の一致は起こらない(to の後は常に原形)。
- 人称代名詞や所有格などは、必要に応じて文脈に合わせて変える。
- 文末はピリオド (.) で終える。
- 肯定の命令文 (~しなさい) の転換:
- 伝達動詞 + 人 + to + 動詞の原形 … の形。
- 例:She said, “Open the window.” → She told me to open the window.
- “please” があれば、伝達動詞に “ask” を使い、please は消すことが多い。
- 否定の命令文 (~するな) の転換:
- 伝達動詞 + 人 + not to + 動詞の原形 … の形。
- “to不定詞” の直前に “not” を置く。
- 例:He said, “Don’t run in the classroom.” → He told the children not to run in the classroom.
- (参考) “Let’s …” (~しましょう) の提案・勧誘の文の転換:
- suggest that S (should) + 動詞の原形 …
- suggest + 動名詞 (-ing) …
- 命令文の転換とは異なる形になる。
命令文の話法転換は、「to不定詞」というキーワードさえ押さえてしまえば、比較的簡単にマスターできます。これができるようになると、誰かからの指示やお願い、注意などを、より正確に、そして状況に合ったニュアンスで他の人に伝えることができるようになります。日常会話はもちろん、TOEICなどの試験でも役立つ知識です。
例えば、上司からの指示を同僚に伝えたり、先生の注意を友達に教えたりする場面を想像して、英語でどう言うか練習してみるのも良いですね。身の回りの「命令」や「依頼」を英語で表現してみることで、より実践的に身につけられるはずです。ぜひ、楽しみながら命令文の転換をマスターして、あなたの英語表現の幅を広げてください!

命令文の転換、思ったよりシンプルで分かりやすかったです!これで英語での指示も怖くないですね!ありがとうございました!
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