all, both, each…これらの言葉、なんとなく意味はわかるけど、いざ使おうとすると「あれ?どっちだっけ?」って迷っちゃうこと、ありませんか?特に、英語を学び始めたばかりの方や、中学生、高校生、大学生の皆さん、そしてTOEICのスコアアップを目指している方にとっては、正確な使い分けが意外と難しいポイントかもしれませんね。
この記事では、そんなお悩みを解消するために、代名詞の all, both, each について、それぞれの意味や使い方、そして微妙なニュアンスの違いまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。例文もたくさん紹介するので、具体的なイメージを掴みながら学べますよ。この記事を読み終わる頃には、きっと自信を持ってこれらの代名詞を使いこなせるようになっているはずです!

わあ、これでスッキリ理解できそう!
まずは基本から!all, both, each の意味と役割を理解しよう
英語の文章を読んだり聞いたりしていると、本当によく出てくるのが all, both, each といった言葉たちです。これらは「代名詞」の一種で、名詞の代わりに使われたり、名詞を修飾したりする役割を持っています。まずはそれぞれの基本的な意味と、どんな時に使われるのかを見ていきましょう。
「すべて」を表す代名詞 all の使い方と注意点
all は、日本語で言うと「すべての」「全部の」といった意味合いを持つ言葉です。対象となるものが3つ以上ある場合や、数えられない名詞(水や情報など)の全体を指すときに使われます。とっても範囲が広いイメージですね。
all の使い方はいくつかパターンがありますよ。
all + 名詞
一番基本的な形は、all の直後に名詞を置くパターンです。
- All children like playing. (すべての子供たちは遊ぶのが好きです。)
- All information is available online. (すべての情報はオンラインで入手可能です。)
このとき、all の後に続く名詞が数えられる名詞(可算名詞)の場合は複数形になり、数えられない名詞(不可算名詞)の場合はそのままの形(単数扱い)で使います。
また、「the」や「my」「these」といった限定詞と一緒に使うことも多いです。
- All the students passed the exam. (その生徒たち全員が試験に合格しました。)
- I spent all my money. (私はすべてのお金を使ってしまいました。)
all of + (限定詞 +) 名詞
「all of the students」や「all of my money」のように、「of」を挟む形もよく使われます。特に、代名詞 (us, them, itなど) が続く場合は、必ず「all of」の形になります。
- All of the apples were delicious. (そのリンゴはすべて美味しかった。)
- All of us want to go to the party. (私たち全員がそのパーティーに行きたいです。)
- She ate all of it. (彼女はそれを全部食べました。)
実は、「all the students」と「all of the students」は、ほとんど同じ意味で使われることが多いんです。ただ、「all of」の方が少し強調されたり、フォーマルな響きになったりすることもありますよ。
all が単独で主語になる場合
all 自体が「すべてのもの」「すべての人」「すべてのこと」という意味で、文の主語になることもあります。
- All were surprised at the news. (全員がその知らせに驚いた。) ※このallは「すべての人々」の意味
- All is lost. (万事休す。/すべてが無駄になった。) ※このallは「すべてのこと」の意味
「人」を指す場合は複数扱い、「物事」を指す場合は単数扱いになることが多いですね。有名な言葉で「All is well.」(すべてうまくいく)というのもあります。これは「すべての状況」が「良い」という意味です。
all と動詞の単複一致
all が主語になったとき、動詞を単数形にするか複数形にするか、ちょっと迷うことがありますよね。これは、all が何を指しているかによって変わってきます。
- all of + 複数名詞 の場合は、複数動詞を使います。
- All of the cats are sleeping. (すべての猫が寝ています。)
- all of + 不可算名詞 の場合は、単数動詞を使います。
- All of the water is clean. (その水はすべてきれいです。)
- all が漠然と「すべてのこと」を指す場合は、単数動詞を使うことがあります。
- All is ready for the party. (パーティーの準備はすべて整っています。)
このあたりは、慣れるまで少し練習が必要かもしれませんね。
「両方」を表す代名詞 both の使い方とコツ
次に both です。これは、2つのものや人を指して「両方とも」という意味を表します。ポイントは「2つ」という限定された数であることです。3つ以上のものには使えません。
both + 名詞
both も all と同じように、直後に名詞を続けることができます。both の後に続く名詞は、必ず複数形になります。
- Both parents were happy. (両親は2人とも幸せだった。)
- I like both colors. (私は両方の色が好きです。)
こちらも「the」などの限定詞と一緒に使えます。
- Both the restaurants are excellent. (そのレストランは両方とも素晴らしい。)
both of + (限定詞 +) 名詞
「both of」の形もよく使われます。all と同様に、代名詞 (us, them) が続く場合は「both of」が必須です。
- Both of my brothers live in Tokyo. (私の兄(弟)は2人とも東京に住んでいます。)
- I invited both of them. (私は彼ら両方を招待しました。)
both は必ず「2つ」が前提なんですね?3つ以上には使えないんですか?
はい、その通りです!both は「2つ」のペアを強く意識した言葉なんです。もし対象が3つ以上あって、その「すべて」と言いたい場合は all を使います。例えば、「3人の姉妹全員」なら “All three sisters” となります。
both A and B
「AとBの両方」と言いたいときには、both A and B という形が非常によく使われます。これは覚えておくとすごく便利ですよ!
- She can speak both English and French. (彼女は英語とフランス語の両方を話せます。)
- I like both cats and dogs. (私は猫も犬も両方好きです。)
both が単独で主語になる場合
both も「両方」という意味で主語になることができます。この場合、動詞は常に複数扱いになります。
- A: Which do you prefer, coffee or tea? (コーヒーと紅茶、どちらが好きですか?)
B: Both are fine. (どちらも良いです。) - They have two children. Both go to the same school. (彼らには2人の子供がいて、両方とも同じ学校に通っています。)
「それぞれ」を表す代名詞 each の使い方とニュアンス
最後に each です。each は2つ以上のものや人の中から、一つひとつを個別に指して「それぞれ」「各々」という意味を表します。グループ全体をまとめて見るのではなく、個々のメンバーに焦点を当てるイメージです。
each + 単数名詞
each の最も基本的な使い方は、直後に単数名詞を続ける形です。そして、これに続く動詞も単数形になります。ここが all や both と大きく違う点なので注意しましょう。
- Each student has a textbook. (それぞれの生徒が教科書を持っています。)
- Each ticket costs 5,000 yen. (チケットは1枚それぞれ5,000円です。)
「それぞれの生徒が」と訳しますが、生徒は複数いるグループの中の一人ひとり、というニュアンスです。
each of + (限定詞 +) 複数名詞
「each of」の形もよく使われます。この場合、「of」の後には「the」などの限定詞を伴った複数名詞が来ます。しかし、動詞は単数形のままなんです。ちょっとややこしいですよね。
- Each of the players tries their best. (選手たちはそれぞれ全力を尽くします。)
- Each of my friends sent me a birthday card. (私の友人たちはそれぞれ誕生日カードを送ってくれました。)
「Each of the players」の「players」は複数形ですが、主語の中心はあくまで「Each」なので、動詞は「tries」と単数形(三単現のs)になっています。
each は一人ひとりに焦点を当てるイメージですね。日本語の「めいめい」とか「おのおの」に近いかもしれません。だから、単数扱いになる、と考えるとスッキリするかも!
each が単独で主語になる場合
each も単独で主語になることができ、この場合も動詞は常に単数扱いです。
- There are three cakes. Each looks delicious. (ケーキが3つあります。それぞれ美味しそうです。)
- The students submitted their reports. Each was well-written. (生徒たちはレポートを提出した。それぞれよく書けていた。)
each と every の違い
each と似た言葉に every がありますよね。「every student (すべての生徒)」のように使いますが、ニュアンスが少し異なります。
- each: グループ内の個々のメンバーに焦点を当てる。「一人ひとり」「一つひとつ」という個別性が強い。
- every: グループ全体を構成するメンバーすべてを指すが、より包括的・一般的な「すべての」というニュアンス。each よりもグループ全体を意識した言い方。every の後は必ず単数名詞で、動詞も単数。
例:
- Each student received a different gift. (生徒たちはそれぞれ異なる贈り物を受け取った。) ← 個別性を強調
- Every student in this class must study hard. (このクラスの生徒は皆、一生懸命勉強しなければならない。) ← グループ全体への規則
every は「3つ以上」のグループにしか使えませんが、each は「2つ以上」で使えます。この点も違いですね。

なるほど!基本的な意味が違うから使い分けも変わってくるんだ!
迷いがちなポイントを整理!all, both, each の使い分け徹底比較
さて、all, both, each の基本的な意味と使い方がわかったところで、今度はこれらをどう使い分けるのか、よく迷うポイントを中心に比較しながら整理していきましょう。ここをしっかり押さえれば、もう怖くありません!
対象の数で使い分ける!all, both, each の対応範囲
一番わかりやすい区別の仕方は、対象となるものの「数」です。
代名詞 | 対象の数 | 例文 |
---|---|---|
all | 3つ以上 または数えられない名詞全体 | All (the) three cats are cute. (その3匹の猫は全部かわいい。) All (the) information is important. (その情報はすべて重要だ。) |
both | 2つ | Both (the) two cats are cute. (その2匹の猫は両方ともかわいい。) |
each | 2つ以上(個々に注目) | Each cat has its own personality. (それぞれの猫が独自の個性を持っている。) ※2匹でも3匹以上でも可。 |
この表からもわかるように、
- 対象が2つの場合は both を使います。
- 対象が3つ以上の場合は all を使います。
- each は対象が2つ以上であれば使えますが、ポイントは「個々」に注目している点です。
例えば、目の前にリンゴが2つあって「両方とも赤い」と言いたいなら “Both apples are red.” です。もしリンゴが5つあって「全部赤い」なら “All apples are red.” (または “All five apples are red.”) となります。
もし「それぞれのリンゴにシールが貼ってある」と、一つひとつを指して言いたいなら、リンゴが2つでも5つでも “Each apple has a sticker.” と言えます。
後に続く名詞の形に注意!単数?複数?それとも?
次に気をつけたいのが、all, both, each の後に続く名詞の形です。これは間違えやすいポイントなので、しっかり確認しましょう。
- all + 名詞:
- 後に数えられる名詞が続く場合は複数形: all students, all books
- 後に数えられない名詞が続く場合は単数形(そのままの形): all water, all furniture
- both + 名詞:
- 後に続く名詞は必ず複数形: both hands, both sisters
- each + 名詞:
- 後に続く名詞は必ず単数形: each person, each day
そして、”of the” が入るパターンも思い出してくださいね。
- all of the + 名詞:
- 後に複数名詞: all of the students
- 後に不可算名詞: all of the information
- both of the + 名詞:
- 後に複数名詞: both of the cars
- each of the + 名詞:
- 後に複数名詞: each of the members
特に注意したいのは each of the + 複数名詞 の形ですね。「of the」の後ろは複数名詞なのに、each 自体は単数扱いという、ちょっとトリッキーなルールになっています。これは「そのメンバーたちのそれぞれが」という意味合いだから、と考えると理解しやすいかもしれません。
動詞の形はどうなる?主語と動詞の一致ルール
主語と動詞の形を一致させる(単数主語なら単数動詞、複数主語なら複数動詞)のは、英語の基本的なルールです。all, both, each が主語、または主語の一部になったときの動詞の形を見ていきましょう。
all が主語の場合
all が何を指すかによって動詞の形が変わります。
- all of + 複数名詞 + 複数動詞:
- All of the apples are fresh. (そのリンゴはすべて新鮮です。)
- all of + 不可算名詞 + 単数動詞:
- All of the advice was helpful. (そのアドバイスはすべて役立った。)
- all (漠然と「すべてのこと」) + 単数動詞:
- All is quiet. (すべてが静かだ。)
- all (「すべての人々」) + 複数動詞:
- All are welcome. (どなたでも歓迎します。)
文脈で判断することが大切ですね。
both が主語の場合
both が主語になる場合、または “both A and B” が主語になる場合は、常に複数動詞を使います。これはシンプルで覚えやすいですね!
- Both are correct. (両方とも正しいです。)
- Both my parents are teachers. (私の両親は2人とも教師です。)
- Both he and she like soccer. (彼も彼女もサッカーが好きです。)
each が主語の場合
each が主語になる場合、または “each + 単数名詞” や “each of the + 複数名詞” が主語になる場合は、常に単数動詞を使います。これも一貫しているので、しっかり覚えてしまいましょう。
- Each has a different opinion. (それぞれが異なる意見を持っています。)
- Each student needs to bring a pen. (各生徒はペンを持ってくる必要があります。)
- Each of the answers is correct. (その答えはそれぞれ正しいです。)
「each of the answers」の「answers」は複数形ですが、主語の核は「Each」なので、動詞は「is」と単数形になる、という点に再度注意してくださいね。
否定文での all, both, each の意味はどう変わる?部分否定と全体否定
all, both, each を使った否定文は、意味の捉え方が少し難しくなることがあります。特に「部分否定」という考え方が重要になります。
not all … (すべてが~というわけではない) – 部分否定
“not all …” の形は、「すべてが~である」という全体の肯定を否定するので、「すべてが~というわけではない」という意味になります。つまり、~であるものもあれば、そうでないものもある、という部分的な否定を表します。
- Not all students like studying. (すべての生徒が勉強を好きなわけではない。)
→ 勉強が好きな生徒もいれば、そうでない生徒もいる、という意味です。「すべての生徒が勉強を好きではない(=全員嫌い)」という意味にはなりません。 - I do not know all of them. (私は彼ら全員を知っているわけではない。)
→ 知っている人もいれば、知らない人もいる、という意味です。
not both … (両方とも~というわけではない) – 部分否定
“not both …” も同様に部分否定で、「両方とも~である」という状態を否定するので、「両方とも~というわけではない」という意味になります。つまり、片方だけが~であるか、あるいは両方とも~でないか、のどちらかの可能性が出てきます。
- I do not like both of them. (私は彼らの両方が好きなわけではない。)
→ これは「片方は好きだけど、もう片方は好きじゃない」かもしれませんし、「両方とも好きじゃない」かもしれません。この表現だけでは、どちらの意味かは断定しにくいことがあります。
そのため、誤解を避けるために、”not both” よりも neither (どちらも~ない) や “one of them, but not the other” (片方は~だが、もう片方は~ない) のような、より明確な表現が好まれることもあります。
- Neither of them is correct. (どちらも正しくない。) ← 全否定
- I like one of them, but not the other. (片方は好きだが、もう片方は好きではない。)
not … each …
“not … each …” という形は、理論的には「それぞれが~というわけではない」となりそうですが、実際にはあまり一般的な表現ではありません。個々を否定したい場合は、 “Not every …” や “None of …” (allの全否定)、あるいは “No single …” のような形を使うことが多いです。
none と neither との関連
全否定を表す言葉として、none (all の否定) と neither (both の否定) があります。これらも合わせて覚えておくと便利です。
- None of the students passed the exam. (生徒の誰も試験に合格しなかった。)
≒ All the students did not pass the exam. (この言い方は「全員不合格」と「全員合格したわけではない」の両方に解釈されうるので注意) - Neither parent came to the meeting. (どちらの親も会議に来なかった。)
≒ Both parents did not come to the meeting. (これも解釈が分かれる可能性あり)
否定文での使い方は特に注意が必要ですね。日本語の感覚とズレることがあるので、例文でしっかり確認し、迷ったらより明確な表現を選ぶようにすると良いでしょう。
部分否定は、TOEICの読解問題などでも意味の取り違えを狙って出題されることがあるので、しっかり理解しておきましょう!「not always (いつも~とは限らない)」「not necessarily (必ずしも~とは限らない)」なども部分否定の仲間ですよ。

ふむふむ、動詞の形や否定文は間違えやすそう…。
実践練習で定着!all, both, each を使った例文と練習問題
ここまで学んできた all, both, each の使い方を、実際の例文や練習問題を通してさらに深めていきましょう。知識として理解するだけでなく、実際に使えるようにするためには、たくさんの英語に触れることが一番の近道です!
日常会話で使える!all, both, each の例文集
まずは、日常のいろいろな場面で使えそうな例文を見ていきましょう。
買い物にて
- Shop assistant: We have this shirt in blue and white. Which one do you prefer? (店員:こちらのシャツは青と白がございます。どちらがよろしいですか?)
You: Hmm, I like both. But if I have to choose, I’ll take the blue one. (あなた:うーん、両方いいですね。でも、もし選ばないといけないなら、青いのにします。) - You: These apples look delicious! I’ll take all three of them. (あなた:このリンゴ、美味しそう!3つ全部ください。)
- Friend: Look at these earrings! Each pair is so unique. (友達:このイヤリング見て!それぞれのペアがすごくユニークだね。)
友達との会話で
- Friend A: Did you invite Tom and Jerry to your party?
(友達A:トムとジェリーをパーティーに誘った?) - You: Yes, I invited both of them.
(あなた:うん、2人とも誘ったよ。) - You: I have three tickets for the concert. Do you want to come?
(あなた:コンサートのチケットが3枚あるんだ。来る?) - Friend B: Wow, thanks! Who else is going?
(友達B:わあ、ありがとう!他には誰が行くの?) - You: My sister and my cousin. So, all of us are big fans of the band!
(あなた:私の姉と従妹だよ。だから、私たち全員、そのバンドの大ファンなんだ!) - Friend C: We need to decide on a movie for tonight.
(友達C:今夜観る映画を決めなきゃね。) - You: Okay, let’s list some options. Then each of us can pick our favorite.
(あなた:オッケー、いくつか候補を挙げよう。それから私たちそれぞれが一番好きなのを選ぼうよ。)
学校や職場で
- Teacher: Please read the instructions carefully. Each of you has a different task for the group project.
(先生:指示をよく読んでください。グループプロジェクトでは、皆さんそれぞれ異なる課題があります。) - Boss: I need a report from all departments by tomorrow.
(上司:明日までに全部署からの報告書が必要です。) - Colleague: We have two proposals. Both seem promising, but we need to analyze them more closely.
(同僚:提案が2つあります。どちらも有望そうですが、もっと詳しく分析する必要がありますね。)
all, both, each は、探してみると本当にいろいろな場面で使われているのがわかりますね。
TOEIC頻出!all, both, each の問題パターンと対策
TOEIC L&Rテストの Part 5 (短文穴埋め問題) や Part 6 (長文穴埋め問題) では、all, both, each, every などの数量詞や代名詞の使い分けを問う問題がよく出題されます。特に、文脈から適切なものを選ぶ力が試されます。
よくある問題のパターン
- 対象の数や種類をヒントに選ぶ問題
例:The company launched two new products last month, and ( ) have been selling well.(A) all (B) both (C) each (D) every→ “two new products” とあるので、2つのものを指す (B) both が正解です。
- 動詞の形 (単数か複数か) をヒントに選ぶ問題
例:( ) of the applicants was required to submit a resume and a cover letter.
(A) All (B) Both (C) Each (D) Many→ 動詞が “was” (単数形) です。”of the applicants” (複数名詞) と繋がり、かつ単数動詞を取るのは (C) Each です (“Each of the applicants was…”)。All of the applicants なら “were”、Both of the applicants なら “were” となります。
- 文全体の意味から判断する問題
例:Ms. Yamada interviewed several candidates for the position. Unfortunately, ( ) of them met all the qualifications.
(A) all (B) both (C) none (D) neither→ “Unfortunately” (残念ながら) とあり、文脈から「誰も条件を満たさなかった」という意味が適切です。 “several candidates” (複数の候補者) を受けて全否定できるのは (C) none です。Neither は2者の否定なのでここでは不適切。
対策のポイント
- キーワードに注目する: 文中の “two”, “three”, “several”, “pair” などの数を示す言葉や、and で結ばれた2つのものなどに注目しましょう。
- 動詞の形を確認する: 空所の後、あるいは主語に対応する動詞が単数形か複数形かを確認します。
- 肯定文か否定文か、文脈を把握する: 特に否定的な意味合いの単語 (unfortunately, however など) がある場合は、none や neither が正解になる可能性も考えます。
- 部分否定と全体否定を区別する: “not all” や “not both” の意味を正しく理解しておくことが重要です。
TOEICでは、文法的な正しさだけでなく、文脈に合った自然な表現を選ぶことも求められます。たくさんの問題に触れて、パターンに慣れていくことがスコアアップの鍵ですよ!
練習問題
それでは、いくつか練習問題に挑戦してみましょう!
- ( ) employee will receive a performance review at the end of the year.
(A) All
(B) Both
(C) Each
(D) Some - The manager spoke to the two team leaders, and ( ) agreed to the new plan.
(A) all
(B) both
(C) each
(D) neither - ( ) of the information provided in the report was accurate and up-to-date.
(A) All
(B) Both
(C) Each
(D) Many - I tried on two pairs of shoes, but I didn’t like ( ) of them.
(A) all
(B) both
(C) either
(D) neither
解答と解説
- 正解:(C) Each
解説:空所の後の名詞 “employee” が単数形です。単数名詞を伴い、文意(従業員それぞれが業績評価を受ける)にも合うのは Each です。All なら “All employees will…”、Some なら “Some employees will…” となります。Both は2者が前提なので不適切。
- 正解:(B) both
解説:”the two team leaders” と2者であることが明示されています。そして、文意から「両方とも同意した」となるのが自然なので both が適切です。
- 正解:(A) All
解説:”information” は不可算名詞で、動詞 “was” (単数形) が使われています。”All of the information was…” (その情報はすべて正確だった) という形が最も自然です。Each of the information とは言いません(each of の後は複数名詞)。Both は2者が前提。Many は可算名詞の複数形と共に使います。
- 正解:(D) neither
解説:”two pairs of shoes” と2者が対象で、文末が “didn’t like” と否定的な内容です。「2つのうちどちらも好きではなかった」という意味にするには neither of them (それらのどちらも~ない) が適切です。”I didn’t like either of them.” (それらのどちらか一方が好きではなかった = 両方好きではなかった) も文法的には可能ですが、より直接的な否定は neither です。選択肢に either があればそれも考慮しますが、ここでは neither が最適。Both は肯定文で使います。All は3つ以上が前提。
確認クイズ!あなたの理解度をチェック
最後に、簡単な穴埋めクイズで、今日の学習内容がどれくらい身についたか確認してみましょう!( ) に all, both, each のいずれかを入れてみてください。
- I have two sisters. ( ) of them are older than me.
- There are many books on the shelf. ( ) book has a different cover.
- She invited many friends to her party, and ( ) of them had a good time.
- ( ) the lights in the house were off.
- He has two jobs, and he works hard at ( ) of them.
できましたか?それでは答え合わせです!
- I have two sisters. Both of them are older than me. (私には姉が2人います。2人とも私より年上です。)
→ “two sisters” なので both。 - There are many books on the shelf. Each book has a different cover. (棚にはたくさんの本があります。それぞれの本が異なる表紙をしています。)
→ “book” が単数形。個々の本に注目しているので each。 - She invited many friends to her party, and all of them had a good time. (彼女はたくさんの友達をパーティーに招待し、全員が楽しい時を過ごしました。)
→ “many friends” (3人以上) で「全員」なので all。 - All the lights in the house were off. (家の中の電気はすべて消えていた。)
→ “lights” (複数) で「すべて」なので all。 - He has two jobs, and he works hard at both of them. (彼は2つの仕事をしていて、両方の仕事に一生懸命取り組んでいます。)
→ “two jobs” なので both。 “each of them” (それぞれの仕事に) も文法的には可能ですが、2つの場合は both の方がより自然なことが多いです。もし「それぞれの仕事は異なるスキルを要求する」のように個々の性質を強調したいなら each が適切です。
どうでしたか?もし間違えてしまったところがあっても大丈夫!もう一度解説を読み返したり、例文を確認したりして、少しずつ慣れていきましょうね。

例文がたくさんあるとイメージしやすい!練習問題もやってみよう!
まとめ
今回は、英語学習で多くの人がつまずきやすい代名詞 all, both, each について、その意味や使い方、使い分けのポイントを詳しく見てきました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- all:
- 意味: 「すべて」「全部」
- 対象: 3つ以上のものや人、または数えられない名詞の全体
- 名詞の形: 後に続く可算名詞は複数形、不可算名詞は単数形。
- 動詞の形: 指すものによって単数扱いにも複数扱いにもなる。
- 否定: “not all” は「すべてが~というわけではない」(部分否定)。
- both:
- 意味: 「両方とも」
- 対象: 必ず2つのものや人
- 名詞の形: 後に続く名詞は複数形。
- 動詞の形: 常に複数扱い。
- 否定: “not both” は「両方とも~というわけではない」(部分否定)。誤解を避けるため neither を使うことも。
- each:
- 意味: 「それぞれ」「各々」
- 対象: 2つ以上のグループの中の個々の一つひとつ
- 名詞の形: “each + 単数名詞”、”each of the + 複数名詞”
- 動詞の形: 常に単数扱い。
- ニュアンス: 個別性を強調する。
これらの代名詞を使いこなすためのコツは、
- 対象となるものの「数」を意識する。
- 後に続く名詞が単数形か複数形か、そして動詞が単数扱いか複数扱いかをしっかり確認する。
- 否定文になるときの意味の変化(特に部分否定)に注意する。
ということです。
たくさんの例文に触れて、実際に自分で英文を作ってみるのが上達の一番の近道です。最初は間違えても大丈夫。一つひとつ確認しながら、英語の感覚を養っていくことが大切ですよ。
この記事が、皆さんの英語学習の助けになれば、とても嬉しいです。焦らず一歩一歩、all, both, each の使い方をマスターして、もっと豊かな英語表現を目指しましょう!

ようやく違いがわかってきた気がします!これからも頑張ります!
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