副詞の基本をマスター!働き・位置・作り方と形容詞との違い

英語を勉強していると、「副詞」って言葉、よく登場しますよね。「動詞を詳しく説明する言葉」くらいのイメージはあるけれど、形容詞とどう違うんだっけ? 文のどこに置けばいいの? “-ly” が付けば全部副詞? なんて、意外と曖昧なままになっている部分も多いのではないでしょうか。地味な存在に思えるかもしれませんが、副詞は英語の表現を豊かにしたり、文の意味を正確に伝えたりするために、とっても大切な役割を果たしているんです。

この記事では、そんな「副詞」の基本的な働きから、よく混同しやすい形容詞との違い、副詞の作り方、そして文の中での正しい置き場所(位置)、さらには様々な副詞の種類まで、英語初心者の方にも「なるほど!」と思っていただけるように、基礎からじっくり徹底解説していきます!これを読めば、副詞に対するモヤモヤがスッキリ解消し、自信を持って使いこなせるようになりますよ!

AYUMI
AYUMI

副詞って、なんだか掴みどころがない感じがします…。形容詞との区別も曖昧かも…。

副詞ってどんな働きをするの?形容詞との違いを理解しよう

まずは、「副詞」が文の中で具体的にどんな役割を果たしているのか、そしてよく似た働きをする「形容詞」と何が決定的に違うのか、その基本的な違いからしっかり理解していきましょう。ここが副詞マスターへの第一歩です!

副詞の主な役割:動詞・形容詞・副詞・文全体を詳しく説明!

副詞(ふくし、Adverb)とは、一言でいうと「名詞以外」の様々な言葉を修飾(詳しく説明)する言葉のことです。「どのように」「どこで」「いつ」「どのくらい」といった情報を付け加えて、文の意味をより具体的に、豊かにする働きを持っています。

副詞が修飾できる相手は、主に以下の4つです。

  1. 動詞を修飾する:「どのように~するか」「いつ~するか」など

    これが副詞の最も代表的な働きです。動作の様子(様態)、時、場所、頻度などを説明します。

    • He runs fast. (彼は速く走る。) ← 動詞 runs を修飾(どのように走るか)
    • She sings beautifully. (彼女は美しく歌う。) ← 動詞 sings を修飾(どのように歌うか)
    • I will call you later. (後で電話します。) ← 動詞 call を修飾(いつ電話するか)
    • They live here. (彼らはここに住んでいる。) ← 動詞 live を修飾(どこに住んでいるか)
    • He often visits the library. (彼はしばしば図書館を訪れる。) ← 動詞 visits を修飾(どのくらいの頻度で訪れるか)
  2. 形容詞を修飾する:「どのくらい~か」

    形容詞の意味を強めたり、程度を表したりします。

    • This book is very interesting. (この本はとても面白い。) ← 形容詞 interesting を修飾
    • She is so kind. (彼女はとても親切だ。) ← 形容詞 kind を修飾
    • It’s too hot to go out. (外に出るにはあまりにも暑すぎる。) ← 形容詞 hot を修飾
    • That’s really important. (それは本当に重要だ。) ← 形容詞 important を修飾
  3. 他の副詞を修飾する:「どのくらい~か」

    副詞がさらに別の副詞を修飾して、意味を強めたり程度を表したりすることもあります。

    • He runs very fast. (彼はとても速く走る。) ← 副詞 fast を very が修飾
    • She finished her homework quite quickly. (彼女はかなり速く宿題を終えた。) ← 副詞 quickly を quite が修飾
    • He arrived too late. (彼はあまりにも遅く着きすぎた。) ← 副詞 late を too が修飾
  4. 文全体を修飾する:「話し手の判断や態度を示す」など

    文頭や文末などに置かれて、文全体の意味合いや、話し手の気持ち・判断などを付け加えます。

    • Fortunately, no one was injured. (幸運にも、誰も怪我をしなかった。) ← 文全体を修飾
    • Perhaps he knows the answer. (もしかしたら彼は答えを知っているかもしれない。) ← 文全体を修飾
    • He didn’t pass the exam, however. (しかしながら、彼は試験に合格しなかった。) ← 文全体を修飾(接続副詞)
    • Honestly, I don’t know. (正直に言って、私は知らない。) ← 文全体を修飾(話し手の態度)

このように、副詞は名詞以外の様々な要素を修飾できる、非常に働き者な品詞なんですね!

形容詞と副詞の決定的な違い:何を修飾するか?

ここで、多くの学習者さんが混乱しやすい「形容詞」と「副詞」の違いを明確にしておきましょう。どちらも他の言葉を「修飾する(詳しく説明する)」という点では似ていますが、修飾する相手が決定的に違います!

  • 形容詞 (Adjective):名詞を修飾する、または補語(C)になる。
    • 例: a beautiful flower (美しい花) ← 名詞 flower を修飾
    • 例: She is beautiful. (彼女は美しい) ← 主語 She を説明する補語C
  • 副詞 (Adverb):名詞以外(動詞、形容詞、他の副詞、文全体)を修飾する。
    • 例: She sings beautifully. (彼女は美しく歌う) ← 動詞 sings を修飾
    • 例: a very beautiful flower (とても美しい花) ← 形容詞 beautiful を修飾
    • 例: She sings very beautifully. (彼女はとても美しく歌う) ← 副詞 beautifully を修飾
    • 例: Fortunately, she is beautiful. (幸運にも、彼女は美しい) ← 文全体を修飾

【形容詞と副詞の違い:まとめ】

品詞修飾する相手主な役割
形容詞名詞・名詞を直接修飾 (限定用法)
・補語になる (叙述用法)
a kind person
He is kind.
副詞名詞以外
(動詞, 形容詞, 副詞, 文全体)
・動詞、形容詞、副詞、文全体を修飾speak kindly
very kind
speak very kindly
Kindly speak.

この「何を修飾しているか?」という視点が、形容詞と副詞を見分ける上で最も重要になります。

見分け方のコツ:修飾する相手を見つける!

文中で、ある単語が形容詞なのか副詞なのか迷ったときは、その単語が「どの言葉を詳しく説明しているか(修飾しているか)」を探してみましょう。

  • もし名詞を説明していれば → その単語は形容詞です。
  • もし動詞、形容詞、他の副詞、または文全体を説明していれば → その単語は副詞です。

例:

  • She is a careful driver. (彼女は注意深い運転手だ。)
    • careful は何を説明していますか? → driver (名詞) ですね。
    • だから、careful は形容詞です。
  • She drives carefully. (彼女は注意深く運転する。)
    • carefully は何を説明していますか? → drives (動詞) ですね。
    • だから、carefully は副詞です。
  • That’s a really good idea. (それは本当に良い考えだ。)
    • really は何を説明していますか? → good (形容詞) ですね。
    • だから、really は副詞です。

このように、修飾されている言葉(被修飾語)の品詞を確認することで、形容詞と副詞を区別することができます。「この言葉は何にかかっているかな?」と考える癖をつけると良いですね。

日本語訳に頼りすぎると混乱することがあります。例えば “fast” は「速い(形容詞)」も「速く(副詞)」も同じ形なので、英語の文構造を見て判断する必要があります。

AYUMI
AYUMI

なるほど!形容詞は名詞を、副詞は名詞以外を修飾するんですね!修飾する相手を見れば区別できるんだ!

副詞の作り方と種類を知ろう:-lyだけじゃない!

副詞がどんな働きをするか、形容詞とどう違うかが分かったところで、次は副詞の「形」について見ていきましょう。形容詞に “-ly” を付ければ副詞になる、というのが基本ですが、それだけではないんです!

基本的な副詞の作り方:「形容詞 + ly」のルール

多くの副詞は、対応する形容詞の語尾に “-ly” を付けることで作られます。これが最も一般的で分かりやすい副詞の作り方です。

【形容詞 → 副詞 (-ly) の例】

  • slow (遅い) → slowly (ゆっくりと)
  • quick (速い) → quickly (速く)
  • careful (注意深い) → carefully (注意深く)
  • beautiful (美しい) → beautifully (美しく)
  • sad (悲しい) → sadly (悲しそうに)
  • safe (安全な) → safely (安全に)
  • loud (大きい音の) → loudly (大きい音で)
  • recent (最近の) → recently (最近)
  • sudden (突然の) → suddenly (突然に)

ただし、”-ly” を付ける際に、元の形容詞のスペルが少し変化する場合があります。

【-ly の付け方の注意点】

  • 語尾が「子音字 + y」の場合 → y を i に変えて -ly
    • 例: easy → easily / happy → happily / heavy → heavily
  • 語尾が「-le」の場合 → e を取って y を付ける (またはそのまま -ly)
    • 例: simple → simply / gentle → gently / probable → probably
    • 例: noble → nobly / possible → possibly
  • 語尾が「-ic」の場合 → 基本的に -ally を付ける
    • 例: basic → basically / automatic → automatically / specific → specifically
    • ※例外: public → publicly
  • 語尾が「-ll」の場合 → y だけ付ける
    • 例: full → fully
  • true → truly (eが脱落)

これらのスペル変化も、基本的なルールとして覚えておくと良いでしょう。

形容詞と同じ形の副詞:fast, hard, late, earlyなど

ここが注意ポイント!形容詞の中には、”-ly” を付けずに、そのままの形で副詞としても使われるものがたくさんあります! 形が同じなので、文脈の中でどちらの品詞として使われているかを見抜く必要があります。

【形容詞と副詞が同じ形の主な単語】

  • fast
    • 形容詞: a fast car (速い車)
    • 副詞: He runs fast. (彼は速く走る。) (× fastly という単語はない!)
  • hard
    • 形容詞: a hard worker (勤勉な働き手), a hard question (難しい問題)
    • 副詞: He works hard. (彼は一生懸命働く。)
    • hardly は「ほとんど~ない」という意味の全く別の副詞なので注意! (例: He hardly works. 彼はほとんど働かない。)
  • late
    • 形容詞: the late train (遅れた電車)
    • 副詞: He arrived late. (彼は遅く着いた。)
    • lately は「最近」という意味の全く別の副詞なので注意! (例: Have you seen him lately? 最近彼に会いましたか?)
  • early
    • 形容詞: an early bird (早起きの鳥)
    • 副詞: She got up early. (彼女は早く起きた。)
  • high
    • 形容詞: a high mountain (高い山)
    • 副詞: The bird flew high. (その鳥は高く飛んだ。)
    • highly は「非常に、大いに」という意味の別の副詞 (程度を表す) なので注意! (例: He is highly respected. 彼は大いに尊敬されている。)
  • low
    • 形容詞: a low price (低い価格)
    • 副詞: Please speak low. (低い声で話してください。)
  • near
    • 形容詞: a near station (近くの駅)
    • 副詞: Come near. (近くに来て。)
    • nearly は「ほとんど、もう少しで」という意味の別の副詞 (程度を表す) なので注意! (例: It’s nearly impossible. ほとんど不可能だ。)
  • long
    • 形容詞: a long time (長い時間)
    • 副詞: Did you wait long? (長く待ちましたか?)
  • straight
    • 形容詞: a straight line (直線)
    • 副詞: Go straight. (まっすぐ行って。)
  • right
    • 形容詞: the right answer (正解)
    • 副詞: Turn right. (右に曲がって。) / You guessed right. (あなたの推測は当たっていた。)
  • wrong
    • 形容詞: the wrong number (間違った番号)
    • 副詞: You spelled it wrong. (あなたはそれを間違って綴った。) (※wrongly も使われる)
  • enough
    • 形容詞: enough food (十分な食べ物)
    • 副詞: good enough (十分に良い) (※形容詞/副詞の後ろに置く)

このように、”-ly” を付けずに副詞になる単語は意外と多いんです。そして、”-ly” を付けると全く違う意味の副詞になってしまう単語 (hard/hardly, late/lately, high/highly, near/nearly) は特に注意が必要ですね!

「fastly」という単語は存在しません! “He runs fast.” が正しい形です。これはよくある間違いなので気をつけましょう。

形が全く異なる副詞:good → well

形容詞と副詞で形が全く異なる代表例が goodwell です。

  • good:形容詞。「良い」という意味。
    • 例: a good idea (良い考え), He is a good student. (彼は良い生徒だ), This tastes good. (これはおいしい)
  • well: 副詞。「上手に、うまく、よく」という意味。動詞を修飾します。
    • 例: She speaks English well. (彼女は英語を上手に話す)
    • 例: Did you sleep well? (よく眠れましたか?)
    • 例: He plays the piano well. (彼はピアノを上手に弾く)

※例外: “well” は叙述用法の形容詞として「健康で、元気で」という意味で使われることもあります。(例: I am well. 私は元気です。) / How are you? – I’m very well, thank you.

“good” と “well” の使い分けは基本中の基本ですが、意外と間違えやすいポイントです。「形容詞は good, 副詞は well」としっかり覚えましょう!

注意!-lyで終わる形容詞もある (friendly, lovelyなど)

「-ly が付けば副詞」というルールが頭にあると、今度は “-ly” で終わる単語をすべて副詞だと思ってしまうかもしれません。しかし、“-ly” で終わる形容詞も存在するので注意が必要です!

これらは主に「名詞 + ly」の形で作られる形容詞が多いです。

【-ly で終わる主な形容詞】

  • friendly (友好的な、親しみやすい) (friend + ly)
    • 例: a friendly person (親しみやすい人), a friendly atmosphere (友好的な雰囲気)
    • ※副詞にする場合は “in a friendly way/manner” (親しみを込めて) のように言う。
  • lovely (素敵な、美しい) (love + ly)
    • 例: a lovely dress (素敵なドレス), What a lovely day! (なんて素敵な日なんだろう!)
    • ※副詞形はない。
  • lively (活気のある、元気な) (life + ly)
    • 例: a lively discussion (活発な議論), a lively child (元気な子供)
    • ※副詞形はない。(in a lively way/manner)
  • lonely (寂しい、孤独な) (lone + ly)
    • 例: feel lonely (寂しく感じる), a lonely island (孤島)
    • ※副詞形はない。
  • silly (ばかな、愚かな)
    • 例: a silly mistake (ばかな間違い), Don’t be silly! (ばかなこと言わないで!)
    • ※副詞形はない。(in a silly way/manner)
  • ugly (醜い、不快な)
    • 例: an ugly building (醜い建物)
    • ※副詞形はない。
  • deadly (致命的な、命取りの) (dead + ly)
    • 例: a deadly poison (猛毒), a deadly weapon (凶器)
    • ※副詞としても使える (ひどく、まったく)。
  • likely (ありそうな、~しそうな)
    • 例: It is likely to rain. (雨が降りそうだ), the likely winner (最も勝ちそうな人)
    • ※副詞としても使える (たぶん)。
  • daily (毎日の), weekly (毎週の), monthly (毎月の), yearly (毎年の)
    • 例: a daily newspaper (日刊紙), our monthly meeting (私たちの月例会議)
    • ※これらは副詞としても同じ形で使える (毎日、毎週…)。
  • cowardly (臆病な) (coward + ly)
    • 例: a cowardly act (卑怯な行為)
    • ※副詞にする場合は “in a cowardly way/manner”。

“friendly” や “lovely” などは日常会話でもよく使う形容詞ですね。「-ly が付いているから副詞だ!」と早合点しないように気をつけましょう。これらの形容詞を副詞的に使いたい場合は、”in a ~ way/manner” という形を使うことが多いです。

副詞の主な種類:様態・場所・時・頻度・程度など

副詞は、その意味によっていくつかの種類に分類することができます。分類の仕方は様々ですが、代表的なものを紹介します。どんな種類の情報を付け加えているのかを知ることで、副詞の働きや置かれる位置の理解が深まります。

  • 様態 (Manner): 動作が「どのように」行われるかを表す。(-ly で終わるものが多い)
    • 例: slowly (ゆっくり), quickly (速く), carefully (注意深く), happily (幸せそうに), well (上手に), hard (一生懸命)
  • 場所 (Place): 「どこで」「どこへ」「どこに」を表す。
    • 例: here (ここに), there (そこに), near (近くに), far (遠くに), up (上に), down (下に), in (中に), out (外に), away (離れて), home (家へ/に), abroad (海外へ/に)
  • 時 (Time): 「いつ」を表す。
    • 例: now (今), then (その時), today (今日), yesterday (昨日), tomorrow (明日), soon (すぐに), later (後で), recently (最近), lately (最近), before (以前に), after (後で), early (早く), late (遅く), already (すでに), yet (まだ), still (まだ)
  • 頻度 (Frequency): 「どのくらいの頻度で」を表す。
    • 例: always (いつも), usually (たいてい), often (しばしば), sometimes (時々), occasionally (たまに), seldom (めったに~ない), rarely (めったに~ない), never (決して~ない), ever (今までに), daily (毎日), weekly (毎週)
  • 程度 (Degree): 「どのくらい」の程度かを表す。形容詞や副詞を修飾することが多い。
    • 例: very (とても), really (本当に), so (とても), too (~すぎる), quite (かなり), rather (かなり、むしろ), almost (ほとんど), nearly (ほとんど), highly (非常に), extremely (極めて), enough (十分に)
  • 確信度 (Certainty): 確からしさの度合いを表す。
    • 例: certainly (確かに), surely (確かに), probably (おそらく), perhaps (もしかしたら), maybe (たぶん)
  • 接続副詞 (Conjunctive Adverb): 文と文を接続する働きを持つ副詞。
    • 例: however (しかしながら), therefore (それゆえに), moreover (さらに), besides (その上), thus (このように)
  • 疑問副詞 (Interrogative Adverb): 疑問文を作る副詞。
    • 例: when (いつ), where (どこで), why (なぜ), how (どのように)

副詞には本当にたくさんの種類がありますね!それぞれの種類によって、文中の置かれる位置にも傾向があります(次のセクションで詳しく見ます)。

副詞の種類を完璧に覚える必要はありませんが、「この副詞はどんな情報を付け加えているのかな?」と意識すると、文の意味がより深く理解できるようになりますよ。

副詞はどこに置く?文中の正しい位置をマスターしよう

副詞の働きや作り方が分かったところで、次に重要なのが「文中のどこに置くか」という「位置」の問題です。副詞は比較的自由な位置に置けることが多いですが、修飾する語句や副詞の種類によって、置かれるべき自然な場所、あるいは決まった場所があるんです。

副詞の位置の基本ルール:修飾する語句の近くが原則

副詞の位置に関する最も基本的な考え方は、副詞は原則として、それが修飾(説明)している語句の近くに置かれるということです。特に、形容詞や他の副詞を修飾する場合は、その語句の直前に置かれるのが普通です。

  • a very tall tree (とても高い木) ← very は tall の直前
  • He speaks English incredibly well. (彼は信じられないほどうまく英語を話す。) ← incredibly は well の直前

しかし、動詞や文全体を修飾する場合、置かれる位置はもっと柔軟で、副詞の種類によってある程度の傾向があります。主なパターンを見ていきましょう。

様態の副詞の位置:動詞の後ろが多い

動作の「やり方・様子(どのように)」を表す様態の副詞 (slowly, carefully, well, fast など) は、修飾する動詞の後ろに置かれるのが最も一般的です。

  • She speaks English fluently. (彼女は流暢に英語を話す。) ← 動詞 speaks の後
  • He solved the problem easily. (彼はその問題を簡単に解いた。) ← 目的語 the problem の後 (動詞+目的語 の後)
  • Please drive carefully. (注意深く運転してください。) ← 動詞 drive の後
  • They lived happily ever after. (彼らはその後ずっと幸せに暮らしました。) ← 動詞 lived の後

ただし、強調したい場合や文体によっては、文頭や動詞の前に置かれることもあります。(例: Slowly, he opened the door. ゆっくりと彼はドアを開けた。)

場所・時の副詞の位置:文末が多い(文頭も可)

「どこで」「どこへ」を表す場所の副詞 (here, there, abroad など) や、「いつ」を表す時の副詞 (today, yesterday, now, later など) は、文末(または文の主要素の後ろ)に置かれるのが最も一般的です。

  • I saw him there. (私は彼をそこで見た。) ← 文末
  • She is going to study abroad next year. (彼女は来年海外に留学する予定だ。) ← 文末
  • We will discuss the matter tomorrow. (私たちは明日その件について話し合います。) ← 文末
  • He works in the library every afternoon. (彼は毎午後、図書館で働く。) ← 場所 + 時 の順で文末

場所と時の副詞が両方ある場合は、「場所 → 時」の順番で文末に並べるのが普通です。(上の最後の例文参照)

また、時の副詞や、特定の場所を強調したい場合は、文頭に置かれることもよくあります。

  • Tomorrow, we will discuss the matter. (明日、私たちはその件について話し合います。)
  • Here comes the bus! (ほら、バスが来たよ!) ※倒置構文

頻度の副詞の位置:一般動詞の前、be動詞/助動詞の後ろ

「どのくらいの頻度で」を表す頻度の副詞 (always, usually, often, sometimes, never など) の位置は、少し特殊なルールがあります。

  • 一般動詞の場合 → 動詞の「前」に置くのが基本。
    • She always gets up early. (彼女はいつも早く起きる。) ← gets up の前
    • I often go shopping on weekends. (私は週末よく買い物に行く。) ← go の前
    • He never tells a lie. (彼は決して嘘をつかない。) ← tells の前
  • be動詞の場合 → be動詞の「後ろ」に置く。
    • He is always busy. (彼はいつも忙しい。) ← is の後ろ
    • They are sometimes late for class. (彼らは時々授業に遅刻する。) ← are の後ろ
  • 助動詞がある場合 → 助動詞と動詞の原形の「間」に置く。(または助動詞の後ろ)
    • You should always try your best. (あなたはいつも最善を尽くすべきだ。) ← should と try の間
    • She can never understand him. (彼女は決して彼を理解できない。) ← can と understand の間
    • I have often visited the museum. (私はしばしばその博物館を訪れたことがある。) ← have と visited の間(完了形)

【Sometimes, usually, often の例外】
sometimes, usually, often は、強調などのために文頭や文末に置かれることもあります。

  • Sometimes I walk to work. (時々私は歩いて仕事に行く。)
  • I visit my grandparents often. (私は祖父母をしばしば訪ねる。)

頻度の副詞の位置は、テストでもよく問われるポイントなので、この「一般動詞の前、be/助動詞の後ろ」という基本ルールをしっかり覚えましょう!

程度の副詞の位置:修飾する形容詞・副詞の直前

「どのくらい」の程度を表す程度の副詞 (very, really, so, too, quite, almost など) は、ルールが非常に明確です。必ず、修飾する形容詞や副詞の「直前」に置きます。

  • It’s very cold today. (今日はとても寒い。) ← 形容詞 cold の直前
  • She speaks quite fluently. (彼女はかなり流暢に話す。) ← 副詞 fluently の直前
  • This box is too heavy for me. (この箱は私には重すぎる。) ← 形容詞 heavy の直前
  • He was almost late. (彼はほとんど遅刻しかけた。) ← 形容詞 late の直前

これは分かりやすいルールですね!

文全体を修飾する副詞の位置:文頭が多い(文末・文中も可)

文全体の意味合いや話し手の態度を示す副詞 (fortunately, perhaps, honestly, however など) は、文頭に置かれ、カンマ(,)で区切られるのが最も一般的です。

  • Fortunately, the rain stopped. (幸運にも、雨はやんだ。)
  • Maybe he will come tomorrow. (たぶん彼は明日来るだろう。)
  • Frankly, I don’t agree with you. (率直に言って、私はあなたに同意しない。)

ただし、文の種類やニュアンスによっては、文末文中(be動詞/助動詞の後ろ、一般動詞の前など)に置かれることもあります。

  • He passed the exam, surprisingly. (彼は試験に合格した、驚いたことに。) ← 文末
  • She is probably right. (彼女はおそらく正しいだろう。) ← 文中 (be動詞の後ろ)
  • I certainly hope so. (確かにそう願っています。) ← 文中 (一般動詞の前)

文頭に置くのが最も分かりやすく、一般的な使い方だと覚えておくと良いでしょう。

副詞の位置は、強調したい場合や文体(書き言葉か話し言葉か)によっても変化することがあります。まずは基本的なルールを覚え、たくさんの英文に触れる中で、自然な位置の感覚を養っていくことが大切です。

AYUMI
AYUMI

副詞の位置、種類によってルールがあるんですね!特に頻度の副詞の位置はしっかり覚えないと!文頭や文末に来るパターンも分かりました!

まとめ:副詞の基本を理解して英語表現を豊かに!

今回は、英語の表現力を豊かにする影の立役者、「副詞」の基本について、その働き、形容詞との違い、作り方、種類、そして文中の位置まで、幅広く掘り下げてきました。最後に、副詞マスターのための重要ポイントをまとめておきましょう!

  • 副詞とは: 名詞以外(動詞、形容詞、他の副詞、文全体)を修飾(詳しく説明)する言葉。「どのように」「どこで」「いつ」「どのくらい」などの情報を加える。
  • 形容詞との違い: 形容詞は名詞を修飾/補語になる副詞は名詞以外を修飾。修飾する相手で見分ける!
  • 副詞の作り方:
    • 基本は「形容詞 + ly」(スペル変化に注意)。
    • 形容詞と同じ形の副詞も多い (fast, hard, late, early…)。
    • good (形) → well (副) のように形が異なるものもある。
    • -ly で終わる形容詞もある (friendly, lovely…) ので注意!
  • 副詞の種類(意味による分類): 様態、場所、時、頻度、程度、確信度、接続副詞、疑問副詞など。
  • 副詞の位置:
    • 原則は修飾する語句の近く。形容詞・副詞を修飾する場合はその直前
    • 様態: 動詞の後ろが多い。
    • 場所・時: 文末が多い(場所→時の順)。文頭も可。
    • 頻度: 一般動詞の前、be動詞/助動詞の後ろが基本(文頭・文末も可なものあり)。
    • 程度: 修飾する形容詞/副詞の直前
    • 文修飾: 文頭が多い(カンマ付き)。文末・文中も可。

副詞は、種類も多く、置かれる位置も比較的自由度が高いため、最初は少し掴みどころがないように感じるかもしれません。しかし、その分、使いこなせるようになると、表現の細かなニュアンスを伝えたり、文と文をスムーズにつないだりすることができる、非常に強力なツールになります。

まずは、基本的な副詞 (very, well, always, often, here, there, now, then など) の使い方と位置をしっかりマスターすることから始めましょう。そして、様々な英文を読む中で、どんな副詞がどんな位置で使われているかに注目し、その働きを感じ取るようにしてみてください。副詞を味方につけて、あなたの英語をさらにレベルアップさせましょう!

AYUMI
AYUMI

副詞の基本、しっかり理解できました!特に位置のルールが分かってスッキリしました!これからは自信を持って使えそうです!

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