形容詞の正しい語順は?迷わないルールと置く位置を解説!

英語で名詞を説明するとき、「きれいで、大きくて、新しい家」みたいに、いくつも形容詞を使いたい時ってありますよね。でも、”beautiful, big, new house” でいいの? それとも “new, big, beautiful house”? どの順番で並べるのが正しいのか、迷ってしまうことはありませんか? それに、形容詞っていつも名詞の前に置くんだっけ? 後ろに置くこともあるって聞いたけど…?

形容詞の「語順」と「位置」は、自然で分かりやすい英語を書いたり話したりするために、意外と大切なポイントなんです。でも、ルールがちょっと複雑そうで、苦手意識を持っている方もいるかもしれませんね。この記事では、そんな形容詞の正しい語順のルールと、文中のどこに置けばいいのか(位置)について、基本から応用まで徹底的に解説します!この記事を読めば、もう形容詞の並べ方や置き場所で迷うことはありません。自信を持って、もっと豊かに英語を表現できるようになりますよ!

AYUMI
AYUMI

形容詞の順番って、考えたことなかったけど、ルールがあるんですね!知りたい!

形容詞の基本的な位置:名詞の前?それとも後ろ?補語になる場合も!

まずは、形容詞を文中のどこに置くのが基本的なのか、その「位置」についておさらいしましょう。形容詞がどんな働きをするかによって、置かれる場所が変わってきます。

限定用法の基本:名詞を直接修飾するときの位置

形容詞が名詞を直接説明する働きを「限定用法」と呼ぶんでしたね。この場合、形容詞は名詞の近くに置かれますが、置く位置にはルールがあります。

1. 形容詞が1語の場合 → 原則として名詞の「前」

形容詞が1語だけで名詞を修飾するときは、基本的にその名詞のすぐ前に置きます。これが最も一般的な形容詞の位置です。

<前から修飾> [形容詞] → [名詞]

  • a beautiful view (美しい景色)
  • cold water (冷たい水)
  • an important meeting (重要な会議)

2. 形容詞が他の語句を伴う場合など → 名詞・代名詞の「後ろ」

以下のようなケースでは、形容詞(または形容詞句)が修飾する名詞や代名詞のすぐ後ろに置かれます。「後置修飾」と呼ばれることもあります。

<後ろから修飾> [名詞/代名詞] ← [形容詞(+α)]

  • 形容詞が他の語句(前置詞句、to不定詞など)を伴って長くなる場合:
    • a boy kind to animals (動物に親切な少年)
      • kind が “to animals” を伴っているため、boy の後ろに。
    • water good for health (健康によい水)
      • good が “for health” を伴っているため、water の後ろに。
    • something difficult to explain (説明するのが難しい何か)
      • difficult が “to explain” を伴っているため、something の後ろに。
  • -thing, -body, -one で終わる不定代名詞を修飾する場合:
    • something new (何か新しいもの)
    • anything wrong (何か間違ったこと)
    • someone famous (誰か有名な人)
    • nobody else (他の誰も~ない)

      ※これらの代名詞を修飾する形容詞は、1語でも必ず後ろに置かれます。

  • 一部の特定の形容詞 (available, possible, present, involved など):
    • the rooms available (利用可能な部屋)
    • the best solution possible (可能な限り最善の策)
    • all the people present (出席しているすべての人々)
    • the costs involved (関連する費用)

      ※これらの形容詞は、慣習的に名詞の後ろから修飾することが多いです。

限定用法では、「前から修飾」と「後ろから修飾」の使い分けがポイントですね。

叙述用法の基本:補語(C)になるときの位置

形容詞が文の要素である補語(C)として使われる働きを「叙述用法」と呼びます。この場合、形容詞は文型によって置かれる位置が決まります。

1. 第2文型 (SVC) の場合 → 動詞の「後ろ」

SVC文型では、形容詞は主語(S)を説明する主格補語(C)となり、be動詞やそれに類する動詞 (look, seem, become など) の後ろに置かれます。

[主語 S] + [動詞 V] + [形容詞 C]

  • The story is interesting. (その話は面白い。)
  • She looks tired. (彼女は疲れているように見える。)
  • This apple tastes sour. (このリンゴは酸っぱい味がする。)

2. 第5文型 (SVOC) の場合 → 目的語の「後ろ」

SVOC文型では、形容詞は目的語(O)を説明する目的格補語(C)となり、目的語(O)のすぐ後ろに置かれます。

[主語 S] + [動詞 V] + [目的語 O] + [形容詞 C]

  • He painted the wall white. (彼は壁を白く塗った。)
  • Please keep the window closed. (窓は閉めたままにしておいてください。)
  • I found the movie boring. (私はその映画がつまらないとわかった。)

叙述用法の場合、形容詞は文の骨格の一部として、動詞や目的語の後ろにしっかりとその位置を確保するんですね。

形容詞の位置は、その働き(名詞を飾るのか、補語になるのか)によって決まる、ということをまず理解しましょう!

AYUMI
AYUMI

なるほど!形容詞って名詞の前だけじゃなくて、後ろに置いたり、補語になったり、色々な位置に来るんですね!

複数の形容詞を並べる時の「正しい語順」のルール

さあ、ここからが今回のメインテーマの一つ、複数の形容詞を名詞の前(限定用法)に並べる際の「語順」のルールです!「大きくて、赤くて、丸いリンゴ」って言いたい時、英語ではどの順番で言うのが自然なのでしょうか?

なぜ形容詞の語順にルールがあるの?ネイティブの感覚とは

実は、形容詞の語順には、「絶対にこうしなければならない」という厳密な文法規則があるわけではありません。しかし、ネイティブスピーカーが英語を話したり書いたりする際には、無意識のうちに従っている「より自然に聞こえる語順の傾向」というものが存在するんです。

この「自然な語順」の背景には、いくつかの考え方があるとされています。

  • 主観から客観へ: 話し手の個人的な意見や感情(主観)を表す形容詞が先に来て、より客観的な事実(大きさ、色、素材など)を表す形容詞が後に来る傾向があります。
  • 変化しにくい性質ほど名詞の近くへ: 変わりやすい一時的な性質(例:きれい)よりも、変わりにくい固有の性質(例:素材、国籍)を表す形容詞の方が、より名詞に近い位置(直前)に来る傾向があります。
  • 意味的なグループ: 形容詞が表す意味の種類(評価、サイズ、色など)によって、ある程度のグループ分けができ、そのグループ間の順番が決まっていると考えられます。

これらの感覚的なルールが、結果として「一般的な語順のパターン」を生み出しているんですね。ですから、これから紹介するルールは、絶対的なものではなく、あくまで「自然に聞こえやすい傾向」として捉えるのが良いでしょう。

形容詞の語順の一般的なルール(OSASCOMP / OPSHACOM など)

複数の形容詞を並べる際の一般的な語順の目安として、よく知られている覚え方があります。形容詞が表す意味のカテゴリごとに順番が決まっている、という考え方です。代表的なものに OSASCOMP (オサスコンプ)OPSHACOM (オプシャコム) といった頭文字の覚え方があります。カテゴリの分け方や順番は解説者によって多少異なりますが、基本的な考え方は共通しています。

ここでは、比較的よく使われるカテゴリとその順番の例を示します。

【一般的な形容詞の語順ルール(目安)】

  1. Opinion / Observation (意見・評価・観察): 話し手の主観的な判断や感想。
    • 例: lovely (素敵な), beautiful (美しい), nice (良い), wonderful (素晴らしい), delicious (おいしい), strange (奇妙な), silly (ばかな), important (重要な), comfortable (快適な)
  2. Size (大きさ): 物理的な大きさ、長さ、高さ。
    • 例: big (大きい), large (大きい), small (小さい), little (小さい), tall (背が高い), short (短い), long (長い), huge (巨大な), tiny (とても小さい)
  3. Physical Quality / Condition (物理的な質・状態): 触感、重さ、密度、状態など(Size, Shape, Age, Color以外で物理的なもの)。
    • 例: rough (ざらざらした), smooth (滑らかな), soft (柔らかい), hard (硬い), heavy (重い), light (軽い), wet (濡れた), dry (乾いた), clean (清潔な), dirty (汚い), hot (熱い), cold (冷たい), full (満ちた), empty (空の)
  4. Shape (形): 物の形。
    • 例: round (丸い), square (四角い), rectangular (長方形の), triangular (三角形の), flat (平らな), straight (まっすぐな), curved (曲がった)
  5. Age (年齢・新旧): 新しさ、古さ、年齢。
    • 例: new (新しい), old (古い), young (若い), ancient (古代の), modern (現代の), recent (最近の)
  6. Color (色): 色。
    • 例: red (赤い), blue (青い), green (緑の), black (黒い), white (白い), yellow (黄色い), pink (ピンクの), purple (紫の)
  7. Origin (起源・出所): 国籍、地名、由来。固有名詞から派生した固有形容詞が多い。
    • 例: Japanese (日本の), American (アメリカの), Chinese (中国の), Italian (イタリアの), French (フランスの), German (ドイツの), Victorian (ヴィクトリア朝の)
  8. Material (素材・材質): 何でできているか。
    • 例: wooden (木製の), plastic (プラスチック製の), metal (金属製の), silk (絹の), cotton (綿の), leather (革製の), paper (紙の), glass (ガラスの)
  9. Purpose / Qualifier (目的・用途・限定): 何のために使われるか、どんな種類のカテゴリか。動名詞(-ing)や名詞が形容詞的に使われることも多い。
    • 例: sleeping (bag) (寝るための), running (shoes) (走るための), dining (room) (食事用の), school (bus) (学校の), sports (car) (スポーツ用の), electric (kettle) (電気の)

【表:形容詞の一般的な語順(目安)】

順序カテゴリ (英語)カテゴリ (日本語)
1Opinion / Observation意見・評価・観察lovely, nice, strange
2Size大きさlarge, small, tall
3Physical Quality / Condition物理的な質・状態rough, soft, clean
4Shaperound, square, flat
5Age年齢・新旧new, old, young
6Colorred, blue, black
7Origin起源・出所Japanese, Italian
8Material素材・材質wooden, plastic, silk
9Purpose / Qualifier目的・用途・限定sleeping, running, school

※この順番はあくまで一般的な目安であり、全てのネイティブが常にこの通りに話すわけではありません。カテゴリ分けも参考書によって多少異なります。

覚え方としては、頭文字をとって「OPSHACOM(オプシャコム)」や「OSASCOMP(オサスコンプ)」のように覚える方法があります。Physical Qualityなどを加えたより細かい分類もありますが、まずはこのくらいの流れを掴んでおくと良いでしょう。

実践!複数の形容詞を使った例文で語順を確認

では、実際にこの語順ルール(目安)に沿って、複数の形容詞が使われている例文を見てみましょう。

  • a beautiful (1. Opinion) small (2. Size) white (6. Color) Japanese (7. Origin) silk (8. Material) fan
    • 美しくて小さくて白い日本の絹の扇子
  • an interesting (1. Opinion) old (5. Age) French (7. Origin) movie
    • 面白い古いフランス映画
  • a comfortable (1. Opinion) large (2. Size) round (4. Shape) wooden (8. Material) table
    • 快適で大きくて丸い木製のテーブル
  • some delicious (1. Opinion) hot (3. Quality) Italian (7. Origin) food
    • いくつかのおいしくて熱いイタリア料理
  • her favorite (1. Opinion) new (5. Age) red (6. Color) running (9. Purpose) shoes
    • 彼女のお気に入りの新しい赤いランニングシューズ

どうでしょうか?この順番で並んでいると、なんとなく自然に感じませんか?逆に、順番を入れ替えてみると、少し違和感があるかもしれませんね。(例:a red new favorite running shoes ??)

この語順の感覚は、たくさんの英語に触れる中で徐々に身についていくものです。最初はルールを確認しながら、少しずつ慣れていきましょう。

語順のルールは絶対?例外や注意点

先ほども述べたように、この形容詞の語順ルールは絶対的なものではありません。いくつか例外や注意点があります。

  • あくまで「傾向」: ネイティブスピーカーでも、この順番から外れた言い方をすることがありますし、文脈や強調したい点によって順番が変わることもあります。
  • 通常使う形容詞は2~3個: 実際には、名詞の前に4つも5つも形容詞を並べることは稀で、通常は2つか3つ程度です。あまり多くの形容詞を無理に詰め込むと、かえって不自然で分かりにくい文になってしまいます。
  • 同じカテゴリの形容詞: 同じカテゴリに属する形容詞を複数使う場合は、andbut で繋ぐのが一般的です。(カンマ(,)で繋ぐこともありますが、and がより普通)
    • 例: a kind and honest person (親切で正直な人) (Opinion + Opinion)
    • 例: a long, narrow road (長くて狭い道) (Size + Shape/Size)
    • 例: a black and white dog (白黒の犬) (Color + Color)
  • 数詞の位置: one, two, three… や first, second, third… などの数詞は、通常、他の形容詞よりもに来ます。
    • 例: the first three chapters (最初の3章)
    • 例: two large pizzas (2枚の大きなピザ)
  • 程度を表す副詞: very, really, extremely などの副詞は、修飾する形容詞の直前に置かれます。
    • 例: a very beautiful flower (とても美しい花)

完璧な語順を目指しすぎず、まずは基本的なルール(主観→客観、サイズ→色→素材など)を意識することから始めましょう。 間違えても意味が通じなくなることは少ないので、恐れずに使ってみることが大切です。

そんなにたくさんの形容詞を並べることって、実際にあるんですか…?覚えるのが大変そうです…

おっしゃる通り、例文で挙げたように5つも6つも形容詞を並べることは、実際の会話や文章ではほとんどありません。通常は2つ、多くても3つくらいですね。なので、全ての順番を完璧に暗記する必要はありませんよ!ただ、「主観的なもの(好き嫌いとか)が先かな」「色とか素材は後ろの方かな」くらいの感覚を持っておくだけでも、かなり自然な語順に近づけると思います。まずはそのあたりから意識してみてくださいね。

形容詞の位置で意味が変わる?注意すべきケース

最後に、形容詞の「位置」によって意味が変わったり、特別な注意が必要だったりするケースをいくつか確認しておきましょう。これは、形容詞を正しく理解し、使う上でとても重要なポイントです。

限定用法と叙述用法で意味が変わる形容詞(再確認)

これは前のセクションでも触れましたが、非常に重要なので再確認します。形容詞によっては、名詞の前に置くか(限定用法)、補語の位置に置くか(叙述用法)で意味が変わるものがあります。

例:

  • certain
    • a certain reason (ある理由) ← 限定用法:「ある~」
    • I am certain of his success. (私は彼の成功を確信している。) ← 叙述用法:「確信して」
  • present
    • the present king (現在の国王) ← 限定用法:「現在の」
    • Were you present at the party? (あなたはパーティーに出席していましたか?) ← 叙述用法:「出席して」
  • late
    • the late Mr. Smith (故スミス氏) ← 限定用法:「故~」
    • Don’t be late for the meeting. (会議に遅れないでください。) ← 叙述用法:「遅れて」

これらの形容詞は、文中の位置をしっかり見て、どちらの意味で使われているかを判断する必要がありますね。

“enough” の位置は特別!名詞の前、形容詞/副詞の後ろ

「十分な」という意味を表す “enough” は、その位置に特別なルールがあるので注意が必要です。

  • 名詞を修飾する場合(形容詞的用法):名詞の「前」に置きます。
    • We need enough time. (私たちには十分な時間が必要だ。)
    • Do you have enough money? (十分なお金を持っていますか?)
  • 形容詞や副詞を修飾する場合(副詞的用法):修飾する形容詞や副詞の「後ろ」に置きます。
    • He is old enough to drive. (彼は運転するのに十分な年齢だ。) (← 形容詞 old の後ろ)
    • She didn’t study hard enough. (彼女は十分に一生懸命勉強しなかった。) (← 副詞 hard の後ろ)
    • Can you speak slowly enough for me to understand? (私が理解できるくらい十分にゆっくり話してくれますか?) (← 副詞 slowly の後ろ)

この「enough」の位置のルールは、形容詞と副詞の両方に関わる重要なポイントなので、しっかり覚えておきましょう!「名詞の前、形・副の後ろ」と呪文のように唱えてもいいかもしれませんね。

AYUMI
AYUMI

enough の位置、いつも迷ってました!名詞の前、形容詞・副詞の後ろ…しっかり覚えます!

まとめ:形容詞の語順と位置をマスターして自然な英語へ

今回は、形容詞の「語順」と「位置」という、英語の自然さや正確さに関わる重要なテーマについて、基本から応用まで詳しく見てきました。最後に、今回の内容を整理しておさらいしましょう。

  • 形容詞の基本的な位置:
    • 限定用法(名詞修飾): 1語なら名詞の前、2語以上や特定の場合は名詞/代名詞の後ろ
    • 叙述用法(補語): SVC文型なら動詞の後ろ、SVOC文型なら目的語の後ろ
  • 複数の形容詞の語順ルール:
    • 絶対的な規則ではないが、自然に聞こえる傾向(目安)がある。
    • 一般的な順番(例:OSASCOMP): 意見 → 大きさ → 質/状態 → 形 → 年齢 → 色 → 起源 → 素材 → 目的
    • 通常は2~3個程度。同じカテゴリは and で繋ぐ。数詞は前に。
    • 主観的なもの → 客観的なもの、変化しにくいものほど名詞に近い、という感覚を掴む。
  • 位置に関する注意点:
    • 限定用法と叙述用法で意味が変わる形容詞がある (certain, present, late など)。
    • enough は、名詞の前、形容詞/副詞の後ろに置く。
  • 学習のコツ:ルールは目安として理解し、たくさんの英語に触れて自然な語順や位置の感覚を養うことが重要。完璧を目指しすぎず、使ってみることから始めよう!

形容詞の語順や位置は、最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的なルールとネイティブスピーカーが持つ感覚の傾向を理解すれば、必ずマスターできます。

正しい語順と位置で形容詞を使えるようになると、あなたの英語はよりスムーズで、より自然に、そしてより豊かに響くようになります。今回学んだ知識を活かして、ぜひ自信を持って形容詞を使ってみてくださいね!

AYUMI
AYUMI

形容詞の順番や置く場所、ちゃんとルールがあるんですね!これからは意識して使ってみようと思います!

コメント