AffectとEffect、動詞と名詞で悩まない!スペルの違いと覚え方を解説

コラム

「この薬の効き目は…?」「地球温暖化の影響は…?」こんな話を英語でしようとした時、”affect” と “effect”、どっちを使えばいいか迷って、手が止まってしまった経験はありませんか?スペルは “a” と “e” の一文字違い、発音もそっくり。だからこそ、どっちが動詞でどっちが名詞だったか、混乱してしまうんですよね。TOEICや英作文の大事な場面で「うわ、どっちだっけ…」と焦るのは、もう終わりにしましょう!

この記事では、そんな多くの英語学習者さんを悩ませる “affect” と “effect” の違いを、それぞれの単語が持つ「心」の部分、つまりコアイメージから徹底的に、そしてどこよりも分かりやすく解説していきます。単なる丸暗記ではなく、それぞれの単語の役割をしっかり理解することで、もう二度と迷うことはありません。さらに、記事の最後には、一度覚えたら忘れない魔法の暗記法も伝授します。読み終わる頃には、自信を持ってこの2つの単語を使いこなせるようになっていますよ!

動詞がAで名詞がE、は本当?

「affectは動詞、effectは名詞」という覚え方、聞いたことがある方も多いと思います。結論から言うと、この覚え方は95%正しい、素晴らしい基本ルールです!ほとんどの場面では、このルールだけで乗り切ることができます。でも、実はこのルールには「例外」が存在するんです。まずは、このとっても大事な基本ルールを、例文と共にしっかりと固めていきましょう。基本がわかれば、例外も怖くありませんよ!


「影響を与える」動詞のAffect (AはActionのA!)

まずは “affect” から見ていきましょう。”affect” の品詞は動詞です。そして、その核心にある意味は「〜に影響を与える」「〜に作用する」です。何かがある物事に対して、変化や結果をもたらす「働きかけ」の動きを表現する単語なんです。

覚え方としては、”affect” の頭文字である “a” を、「行動」を意味する “Action” の “a” と結びつけるのがおすすめです!行動(Action)は動きを表す言葉なので、動詞の “affect” とイメージがぴったり合いますよね。

“affect” は動詞なので、主語の後ろに来て「〜が…に影響を与える」という形で使われます。過去形は “affected” となります。

基本的な使い方:〜に影響を及ぼす

ある原因が、何らかの結果を引き起こすプロセス、その「影響を及ぼす」というアクションそのものを “affect” が担います。

  • Lack of sleep can negatively affect your performance at work.
    睡眠不足は、あなたの仕事のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
  • The new tax law will affect everyone, rich and poor.
    新しい税法は、裕福な人にも貧しい人にも、すべての人に影響するでしょう。
  • His opinion didn’t affect my decision at all.
    彼の意見は、私の決断に全く影響を与えませんでした。

これらの例文では、主語(睡眠不足、新しい税法、彼の意見)が、目的語(パフォーマンス、すべての人、私の決断)に対して、何らかの働きかけをしているのがわかりますね。この「働きかける」という動きが “affect” の心臓部です。

もう一つの顔:(人の)感情を揺さぶる

“affect” には、物理的な影響だけでなく、人の心や感情に影響を与える、つまり「心を揺さぶる」「感動させる」といった意味合いもあります。こちらも非常によく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。

  • The sad movie affected me deeply.
    その悲しい映画は、私の心を深く揺さぶった。(=深く感動した)
  • She was deeply affected by the news of his death.
    彼女は彼の死の知らせに、ひどく心を痛めた

Affectのまとめ
品詞: 動詞
コアイメージ: 〜に影響を与える、作用するという「動き(Action)」
覚え方: Affect は Action (行動) の A
ポイント: ある原因が結果を引き起こすプロセスの部分を担う!


「結果・効果」名詞のEffect (EはEnd resultのE!)

次に “effect” を見ていきましょう。”effect” の品詞は名詞です。そして、その核心にある意味は「結果」「効果」「影響」です。”affect” が「影響を与える」というプロセス(動き)だったのに対し、”effect” はそのアクションによってもたらされた「結果そのもの」を指します。

こちらの覚え方は、”effect” の頭文字である “e” を、「最終結果」を意味する “End result” の “e” と結びつけるのがおすすめです!”affect” というアクションの「終点(End)」にある「結果(Effect)」と考えると、イメージが繋がりやすいですよね。

“effect” は名詞なので、数えられる名詞として “an effect” や “many effects” のように使われることがほとんどです。文の中では主語や目的語になります。

基本的な使い方:結果・効果

ある原因によって生じた「結果」や、薬や政策などがもたらす「効果」を表現するときには “effect” を使います。

  • The new medicine had an immediate effect.
    その新薬には即効性の効果があった。
  • We are studying the long-term effects of climate change.
    私たちは気候変動の長期的な影響について研究しています。
  • What are the side effects of this medication?
    この薬の副作用は何ですか?

特に “side effect” (副作用) は、薬の説明などで非常によく出てくる必須単語です。これも薬を飲んだ「結果」として現れるものなので “effect” が使われる、と考えると納得ですね。

便利なフレーズ:have an effect on 〜, take effect, in effect

“effect” は他の単語と結びついて、便利なイディオムとして使われることも多いです。

  • have an effect on 〜 (〜に影響・効果がある)
    動詞の “affect” とほぼ同じ意味を表すことができます。”His speech had a great effect on the students.” (彼のスピーチは生徒たちに大きな影響を与えた) は、”His speech greatly affected the students.” と書き換えられます。”have an effect on” の方が、どのような影響だったのかを “great” や “little” などの形容詞で飾りやすい、という特徴があります。
  • take effect (効力を発する、実施される)
    法律が施行されたり、薬が効き始めたりする時に使います。
    “The new law will take effect from April 1st.” (新しい法律は4月1日から施行されます。)
  • in effect (事実上、実施されて)
    「法律などが有効で」という意味の他に、「言葉通りではないが、実質的には〜だ」という意味でも使われます。
    “The rule is still in effect.” (その規則はまだ有効です。)
    “He said I was lazy, in effect.” (彼は事実上、私のことを怠け者だと言ったんだ。)

Effectのまとめ
品詞: 名詞
コアイメージ: ある行動によってもたらされた「結果(End result)」
覚え方: Effect は End result (最終結果) の E
ポイント: 「影響」という名詞そのものや、「効果」「副作用」などを指す!


AffectとEffectの使い分け実践ドリル

基本ルールが頭に入ったところで、ここからは実践編です!知識を「知っている」から「使える」に変えるためには、実際に問題を解いてみるのが一番。まずはクイズで力試しをしてから、少しややこしい「例外ルール」についても見ていきましょう。

例文でチェック!AffectかEffect、どっちが入る?

これから5つの英文のカッコの中に “affect” と “effect” のどちらが入るか、考えてみてください。なぜそちらが正解なのか、品詞を意識しながら解くのがポイントですよ!

第1問
The new manager’s policies will ( ) the entire team.

正解は… “affect” です!
この文にはまだ動詞がありません。”will” (助動詞) の後には動詞の原形が来るので、「影響を与える」という意味の動詞 “affect” が正解です。「新しいマネージャーの方針が、チーム全体に影響を与えるだろう」という意味になります。

第2問
The powerful speech had a profound ( ) on the audience.

正解は… “effect” です!
“a profound” の “a” は名詞の前に付く冠詞ですよね。なので、後ろには名詞が来るはずです。ここでは「影響、効果」という意味の名詞 “effect” が入ります。「その力強いスピーチは、聴衆に深遠な影響を与えた」となります。

第3問
How does the weather ( ) your mood?

正解は… “affect” です!
“does” が文頭にある疑問文ですね。”does” の後には主語 (the weather) が来て、その次には動詞の原形が来るのがルールです。したがって、動詞の “affect” が正解。「天気はあなたの気分にどう影響しますか?」という質問になります。

第4問
The scientists are studying the cause and ( ) relationship.

正解は… “effect” です!
“cause and effect” で「原因と結果」、つまり「因果関係」という意味の決まった言い方です。”cause” (原因) と対になるのは「結果」である “effect” ですね。これはもうセットで覚えてしまいましょう!

第5問
The special ( )s in that sci-fi movie were breathtaking.

正解は… “effects” です!
“special effects” で「特殊効果」、いわゆる「SFX」のことです。映画のCGなどもこれにあたりますね。これも「結果」としてスクリーンに映し出されるものなので、名詞の “effect” が使われます。複数形になっているのもヒントですね。

どうでしたか?文の構造(品詞がどこに来るか)を意識すると、スルスルと解けたのではないでしょうか。

混同しやすいポイント:名詞のAffectと動詞のEffect

さて、ここからは応用編です。冒頭でお話しした「95%ルールの残り5%」について解説します。実は、“affect” が名詞として、”effect” が動詞として使われる特殊なケースがあるんです。ただ、これらは使用される場面がかなり限定的なので、「こんなのもあるんだな」というくらいの気持ちで大丈夫ですよ。

名詞としてのAffect (感情・情動)

“affect” は、心理学や精神医学の分野で「感情」や「情動」という意味の専門用語として、名詞で使われることがあります。この場合、発音も変わり、最初の “a” にアクセントが置かれて「アフェクト」のように発音されます。

  • The patient displayed a flat affect throughout the interview.
    その患者は、面談中ずっと平板な情動を示した。

これは非常に専門的な使い方なので、日常会話や一般的なビジネス英語、TOEICなどで出会うことはまずありません。心理学の論文などを読む機会がなければ、気にする必要はないでしょう。

動詞としてのEffect (変化などを引き起こす、もたらす)

一方、”effect” も動詞として使われることがあります。この場合の意味は「(変化などを)もたらす、引き起こす」となり、”bring about” や “cause” に近い、少しフォーマルで硬い表現です。

  • The new CEO wants to effect major changes within the company.
    新しいCEOは、社内に大きな変化をもたらしたいと考えている。
  • It is difficult to effect change in such a traditional organization.
    そのような伝統的な組織で変化を引き起こすのは難しい。

この動詞の “effect” は、”affect”(影響を与える)よりも一歩進んで、実際に「変化を実現させる、達成する」という強い意志が感じられるニュアンスがあります。書き言葉や、ビジネスのフォーマルなスピーチなどで使われることがあります。

結局、どう覚えればいいの?と混乱してしまったかもしれませんね。でも、安心してください。TOEICや日常会話レベルでは、まず「Affect = 動詞」「Effect = 名詞」という基本ルールを完璧にすることが何よりも大切です。例外は、あなたがもっと英語を極めたくなった時のために、頭の片隅に置いておくくらいで十分ですよ!


もう迷わない!AffectとEffectの最終アンサー

さあ、旅もいよいよ最終章です!基本ルールと例外を学びましたが、最後にすべてを整理して、あなたの記憶にガッチリと刻み込むための秘策をお伝えします。これを読めば、明日から “affect” と “effect” は、あなたにとって得意な単語に変わっているはずです。

究極の覚え方「RAVEN」の法則

いろいろな覚え方を紹介してきましたが、英語圏のネイティブの子供たちも使う、最強の覚え方があります。それが「RAVEN」の法則です。

“RAVEN” は「ワタリガラス」という意味の単語ですが、このスペルが “affect” と “effect” を覚えるための魔法の呪文になるんです。

Remember,
Affect is a
Verb,
and
Effect is a
Noun.

どうでしょう?それぞれの頭文字を取ると “RAVEN” になりますよね!

Affect → Verb (動詞)
Effect → Noun (名詞)

この「RAVEN」という覚えやすい単語一つで、どちらが動詞でどちらが名詞かが一発でわかります。これは非常に強力な記憶術なので、ぜひ何度も唱えてみてください。「ワタリガラス、RAVEN… AはVでEはN…」と口ずさめば、もう忘れません!

まとめ

長い時間、本当にお疲れ様でした!今回は、スペルも発音も似ていて紛らわしい “Affect” と “Effect” の違いを、根本からじっくりと解き明かしてきました。

最後に、今日の最も大切なポイントを、シンプルにまとめておきましょう。

  • Affect (A) は Action (行動) を表す「動詞」で、「〜に影響を与える」というプロセスを指します。
  • Effect (E) は End result (最終結果) を表す「名詞」で、「効果・結果」そのものを指します。
  • 基本はこの「Affect = 動詞」「Effect = 名詞」のルールを徹底的にマスターすることが最優先です。
  • そして、究極の覚え方が「RAVEN」の法則 (Remember, Affect is a Verb, Effect is a Noun) でしたね!

これで、あなたはもう “affect” と “effect” の違いで悩むことはありません。文の中で動詞が必要な場所なのか、名詞が必要な場所なのかを冷静に見極め、自信を持って正しい単語を選べるようになったはずです。

単語学習は、一つ一つの言葉が持つ個性や役割を理解する楽しい冒険のようなものです。これからも一緒に、英語の世界の探検を楽しんでいきましょうね!

AYUMI

大学卒業後、専門商社入社。海外製品を担当し、主に海外ベンダーとの英語での折衝・交渉を経験。その後、外資系不動産企業へ転職し、海外取引先との英語でのやり取り、契約交渉などに従事。家族は両親と姉。趣味は映画鑑賞、スポーツ観戦、その他。

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