英語の超基本!助動詞 can の用法を完全マスター【例文で徹底解説】

英語の勉強を始めたばかりの人が最初に出会う助動詞といえば、やっぱり “can” ですよね! 「~できる」っていう意味は、もうバッチリ覚えている方も多いはず。でも、「Can I…?」って許可を求めたり、「Can you…?」ってお願いしたり、さらには「It can be cold here.」(ここは寒くなることがある)みたいに「可能性」を表したり…。「え、can って『できる』だけじゃないの?」「どういう時にどの意味になるの?」って、混乱してしまうこと、ありませんか?

実は、この “can” は、私たちが思っている以上に色々な顔を持つ、とっても奥が深くて便利な助動詞なんです! can が持つ根本的なイメージ(コアイメージ)を掴めば、その多様な用法もスッキリ理解できて、使いこなせるようになります。この記事では、そんな助動詞 can の様々な用法(能力、可能性、許可、依頼など)について、そのコアイメージから解き明かし、たくさんの例文を交えながら、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説していきます。これを読めば、can に対する「なんとなく」の理解が、「しっかり使える!」自信に変わりますよ!

AYUMI
AYUMI

can って「できる」以外にも意味があるの? 全然知らなかった… 使い分けとか難しそう…。


  1. 助動詞 can の基本 – コアイメージとルールをおさえよう!
    1. 助動詞 can の基本的な役割とルール(おさらい)
    2. can のコアイメージは「潜在的な可能性」「できる力」
    3. can の否定形 cannot / can’t と過去形 could
      1. 否定形: cannot / can’t
      2. 過去形: could
  2. 「できる」だけじゃない!can の多様な用法を徹底解説
    1. 用法①:能力・可能「~できる」- 最も基本的な使い方
      1. 具体的な能力・技能
      2. 一時的な可能・状況的な可能
    2. 用法②:可能性「~ありうる」「~することがある」- 意外な落とし穴?
      1. 一般的な可能性・理論的な可能性
      2. 疑問文での可能性「~なんてありうるだろうか?」
      3. 否定形 cannot / can’t での強い否定推量「~のはずがない」
    3. 用法③:許可「~してもよい」- can と may の違いは?
      1. 許可を与える表現 (You can…)
      2. 許可を求める表現 (Can I…? / Can we…?)
      3. can と may の比較(丁寧さの違い)
      4. 否定形 can’t での不許可・禁止「~してはいけない」
    4. 用法④:依頼「~してくれませんか」- can と could の違いは?
      1. カジュアルな依頼表現 (Can you…? / Can I have…?)
      2. can と could の比較(丁寧さの違い)
    5. (応用) 用法⑤:時々見られる軽い命令・提案
  3. canと混同しやすい表現・注意点 – be able to, could との使い分け
    1. can と be able to の違いと使い分け – いつ be able to を使う?
      1. 文法的な違い(他の助動詞や不定詞・動名詞との組み合わせ)
      2. ニュアンスの違い(一般的な能力 vs 一時的な能力・達成)
      3. 使い分けのまとめ
    2. 過去形 could の使い方 – 過去の能力、丁寧さ、推量
      1. 過去の能力「~できた」 – could と was/were able to の使い分け
      2. 現在の丁寧な依頼・許可 (Could you…? / Could I…?)
      3. 現在の推量「~かもしれない」 (may/might と同様)
    3. cannot/can’t の意味 – 不可能・禁止・強い否定推量
  4. まとめ:canをマスターして英語表現を豊かに!

助動詞 can の基本 – コアイメージとルールをおさえよう!

まずは、助動詞 can の基本的な情報と、その多様な意味を理解するための鍵となる「コアイメージ」について見ていきましょう。ここをしっかり押さえることが、can をマスターするための第一歩です!

助動詞 can の基本的な役割とルール(おさらい)

can は助動詞の一つです。助動詞には共通の基本的なルールがありましたね。can ももちろん、そのルールに従います。

  • 役割: 動詞の前に置かれて、動詞に意味(能力、可能性、許可など)を付け加える。
  • 位置: 必ず動詞の原形の前に置く。
    • 例: She can sing very well.
  • 後ろは動詞の原形:can の後ろは、主語が何であっても必ず動詞の原形! -s や -ed などは付けない。
    • 例: He can play the piano. (plays ではない)
  • 主語による変化なし: 主語が I でも He でも They でも、can は can のまま。
  • 否定文: can の後ろに not を置く → cannot または can’t。cannot は1語で書くのが普通。
    • 例: I cannot swim. / I can’t swim.
  • 疑問文: can を主語の前に出す。
    • 例: Can you speak Japanese?
    • 答え方: Yes, I can. / No, I can’t.
  • 重ねて使えない: 他の助動詞 (will, may など) と一緒に使うことはできない。
    • × She will can come. → ○ She will be able to come.

これらの基本ルールは、全ての助動詞に共通する大切なポイントなので、しっかり覚えておきましょうね!

can のコアイメージは「潜在的な可能性」「できる力」

さて、can が持つたくさんの意味を理解する上で、とても役立つのが「コアイメージ」を掴むことです。can の根本的なイメージは、「潜在的に〜できる状態にある」「〜する力や可能性がある」という感じです。何かが可能になる「土台」や「素地」がある、というニュアンスですね。

この「潜在的な可能性」というコアな感覚が、文脈によって様々な具体的な意味として現れてきます。

  • 能力・可能: 「(もともと持っている力で)~できる」
  • 可能性: 「(状況的に)~ということが起こりうる、ありうる」
  • 許可: 「(ルールや状況が許すので)~してもよい」
  • 依頼: 「(あなたにはその力があるので)~してくれませんか?」
  • 強い否定の推量 (cannot/can’t): 「(どう考えても可能性がないので)~のはずがない」

このように、コアイメージである「潜在的な可能性」を中心に考えると、一見バラバラに見える can の用法が、実は根っこで繋がっていることが見えてきます。このイメージを持っておくと、新しい文脈で can に出会ったときも意味を推測しやすくなりますよ。

can の否定形 cannot / can’t と過去形 could

can の使い方を学ぶ上で、否定形と過去形についても基本的なことを押さえておきましょう。

否定形: cannot / can’t

  • cannot: can not と離して書くことも稀にありますが、通常は cannot と1語で書きます。これが正式な形です。
  • can’t: cannot の短縮形。会話やくだけた文章で非常によく使われます。
  • 意味:
    1. 不可能「~できない」: 能力や可能性がないことを表す。
      • 例: I cannot [can’t] believe it! (信じられない!)
    2. 不許可・禁止「~してはいけない」: 許可がないこと、禁止されていることを表す。must not よりは少し柔らかい禁止。
      • 例: You cannot [can’t] smoke here. (ここでタバコを吸ってはいけません。)
    3. 強い否定の推量「~のはずがない」: ある事柄が起こる可能性が極めて低い、ありえない、と強く推測する。
      • 例: He cannot [can’t] be serious. (彼が本気のはずがない。)

cannot / can’t がどの意味で使われているかは、文脈で判断する必要があります。特に③の「~のはずがない」という意味は重要なので、しっかり覚えておきましょう。

過去形: could

  • could: can の過去形です。否定形は could not または couldn’t
  • 意味:
    1. 過去の能力・可能「~できた」: 過去のある時点での能力や可能性を表す。
      • 例: She could speak French when she was five. (彼女は5歳のときフランス語が話せた。)
    2. 現在の推量「~かもしれない」: may や might と同様に、現在の事柄に対する推量を表す。can よりも確信度は低い。
      • 例: That could be true. (それは本当かもしれない。)
    3. 丁寧な依頼・許可「~していただけますか」「~してもよろしいですか」: can よりも丁寧な依頼や許可の求め方を表す。
      • 例: Could you help me? (手伝っていただけますか?)
      • 例: Could I use your phone? (電話をお借りしてもよろしいですか?)
    4. 仮定法「(もし~なら)~できるのに」: 現在や過去の事実に反する仮定を表す文で使われる。(少し発展的な用法です)
      • 例: If I had more time, I could travel more. (もっと時間があれば、もっと旅行できるのに。)

could も can と同様に多様な意味を持っています。特に、過去形でありながら現在の丁寧な依頼や推量を表す用法は非常に重要です。「過去形=過去のこと」と単純に考えないようにしましょう。

could の詳しい使い方、特に過去の能力を表す際の was/were able to との使い分けや、仮定法については、少し複雑になるので、また別の記事で詳しく解説しますね! 今回はまず基本的な意味を押さえましょう。

AYUMI
AYUMI

annot って1語で書くのが普通なんだ! 知らなかった! can’t に「~のはずがない」って意味もあるなんてびっくり! could も丁寧にするために使うんだね!


「できる」だけじゃない!can の多様な用法を徹底解説

それでは、can の持つ様々な用法を、コアイメージである「潜在的な可能性」と結びつけながら、具体的な例文とともに一つずつ詳しく見ていきましょう!

用法①:能力・可能「~できる」- 最も基本的な使い方

これは皆さんが一番よく知っている can の使い方ですね。主語が持つ技能や能力、あるいは状況的に何かが可能であることを表します。

具体的な能力・技能

「泳げる」「ピアノが弾ける」「英語が話せる」など、学習や訓練によって身につけた、あるいは元々持っている能力を表します。

  • I can play the guitar. (私はギターを弾くことができる。)
  • He can run very fast. (彼はとても速く走ることができる。)
  • Can you cook? (あなたは料理ができますか?)
  • My grandmother can use a computer. (私の祖母はコンピューターを使うことができる。)

否定形 can’t は「~できない」という能力の欠如を表します。

  • Sorry, I can’t help you right now. (すみません、今はあなたを手伝うことができません。)
  • He can’t swim at all. (彼は全く泳ぐことができない。)

一時的な可能・状況的な可能

「~する時間がある」「~する余裕がある」「(状況的に)~できる」といった、一時的な、あるいは状況によって左右される可能性を表すこともあります。

  • I can meet you tomorrow afternoon. (明日の午後ならあなたに会えますよ。) ← 時間的な都合がつく
  • We can see the ocean from our hotel room. (ホテルの部屋から海を見ることができる。) ← 部屋の位置・状況から可能
  • You can buy tickets online. (チケットはオンラインで購入できます。) ← そういうシステム・選択肢がある

これも、「~することが潜在的に可能である」というコアイメージから派生した用法ですね。

「~できる」って言いたいとき、can と be able to はどう違うの?

良い質問ですね! can と be able to はどちらも「~できる」と訳せますが、ニュアンスや使い方が少し異なります。簡単に言うと、can は一般的な能力や可能性を、be able to は特定の状況で「~することができた」という達成を表すことがあります(特に過去形 could と was/were able to の違い)。また、can は助動詞なので will や have などの後には使えませんが、be able to は使える、という文法的な違いもあります。この違いについては、後のセクション「canと混同しやすい表現・注意点」で詳しく解説しますね!

用法②:可能性「~ありうる」「~することがある」- 意外な落とし穴?

can は「~できる」だけでなく、「(一般的に・理論的に)~ということがありうる」「時には~ということもある」という可能性を表すためにも使われます。これは意外と見落としがちな用法かもしれません。

一般的な可能性・理論的な可能性

「そういう事態も起こり得る」「一般的に言って~の可能性がある」というニュアンスです。主語は人以外(物事や状況など)になることも多いです。

  • Anyone can make mistakes. (誰でも間違いを犯す可能性はある。)
  • Driving can be dangerous if you are tired. (疲れているときに運転するのは危険でありうる。)
  • Smoking can cause cancer. (喫煙は癌を引き起こす可能性がある。)
  • Even experts can be wrong sometimes. (専門家でさえ間違うことがある。)

疑問文での可能性「~なんてありうるだろうか?」

疑問文で使われると、「そんなことが本当にありうるのか?」という驚きや疑いを込めた問いかけになることがあります。

  • Can it be true? (それが本当でありうるだろうか? / まさか本当なの?)
  • How can you say such a thing? (どうしてそんなことが言えるんだ? / よくもそんなことが言えるな!)

否定形 cannot / can’t での強い否定推量「~のはずがない」

これは非常に重要な用法です! 可能性の can を否定形にすると、「~できない」ではなく、「(可能性がゼロなので)~のはずがない」という、非常に強い否定の推量を表します。must の「~に違いない」のちょうど反対の意味になります。

  • That story cannot [can’t] be true. (その話が本当のはずがない。) ← 可能性ゼロ!
  • He cannot [can’t] be over 60. He looks so young! (彼が60歳を超えているはずがない。とても若く見える!)
  • You can’t be serious! (本気のはずがない! / 冗談でしょ!)

推量を表す助動詞には may (~かもしれない) や must (~に違いない) などもありますが、cannot/can’t は「可能性がゼロ」という点で、最も強い否定を表します。これは絶対に覚えておきたい用法です!

用法③:許可「~してもよい」- can と may の違いは?

can は、相手に許可を与えたり、許可を求めたりする際にもよく使われます。「~することが(状況的に)許されている」というコアイメージからです。

許可を与える表現 (You can…)

「~してもいいですよ」と、相手に何かをすることを許可する際に使います。may よりも口語的で、親しい間柄やカジュアルな場面でよく使われます。

  • You can use my dictionary. (私の辞書を使ってもいいですよ。)
  • You can go home now if you want. (もしよければ、もう家に帰ってもいいですよ。)
  • “Can I borrow your pen?” “Sure, you can.” (「ペンを借りてもいいですか?」「ええ、いいですよ。」)

許可を求める表現 (Can I…? / Can we…?)

「~してもいいですか?」と相手に許可を求める際に使います。これも比較的カジュアルな表現です。

  • Can I sit here? (ここに座ってもいいですか?)
  • Can we take a break now? (今、休憩してもいいですか?)
  • Can I ask a favor? (お願いがあるのですが、いいですか?)

can と may の比較(丁寧さの違い)

許可を表す助動詞には may もあります。can と may はどちらも「~してもよい」という意味を表せますが、丁寧さに違いがあります。

  • can: より口語的、カジュアル。友人や家族など、親しい間柄で使うことが多い。
  • may: より丁寧、フォーマル。目上の人に対してや、公の場面、書き言葉などで使うことが多い。特に許可を求める “May I…?” は非常に丁寧な響きを持つ。

例:

Can I use your phone? (電話借りてもいい? – 友人などに)

May I use your phone? (お電話をお借りしてもよろしいでしょうか? – 目上の人などに)

どちらを使うかは、相手との関係性や状況によって使い分けるのが良いでしょう。迷ったら、許可を求める際には May I…? を使う方がより丁寧で無難かもしれません。

否定形 can’t での不許可・禁止「~してはいけない」

許可の can を否定形にすると、「~してはいけない」という不許可禁止を表します。must not (~してはならない) よりも少し弱い禁止ですが、日常会話ではよく使われます。

  • You can’t enter this room without permission. (許可なくこの部屋に入ってはいけません。)
  • Students can’t use cell phones during the exam. (生徒は試験中に携帯電話を使ってはいけません。)
  • Sorry, you can’t park your car here. (すみません、ここには駐車できません。)

用法④:依頼「~してくれませんか」- can と could の違いは?

can は、相手に何かをお願いする(依頼する)ときにも使われます。「あなたはそれをすることが(能力的に)可能ですか?」という問いかけから、「~してくれませんか?」という意味になります。

カジュアルな依頼表現 (Can you…? / Can I have…?)

“Can you…?” や “Can I have…?” の形で、友人や家族など、親しい間柄でのカジュアルな依頼によく使われます。

  • Can you close the window? (窓を閉めてくれませんか?)
  • Can you lend me some money? (お金を少し貸してくれませんか?)
  • Can I have some water? (お水をいただけますか?)

can と could の比較(丁寧さの違い)

依頼の表現でも、can の過去形である could を使うと、より丁寧な響きになります。

  • Can you…? : カジュアルな依頼。「~してくれない?」
  • Could you…? : 丁寧な依頼。「~していただけませんか?」

例:

  • Can you tell me the time? (時間教えてくれる? – 友人に)
  • Could you tell me the time? (時間を教えていただけますか? – 知らない人や目上の人に)

相手との関係性や状況に応じて、can と could を使い分けることで、より適切なコミュニケーションができますね。

(応用) 用法⑤:時々見られる軽い命令・提案

あまり一般的ではありませんが、can が軽い命令や提案のようなニュアンスで使われることもあります。

  • 軽い命令・指示 (許可の延長線上):
    • You can start now. (さあ、始めていいですよ。/ 始めてください。)
    • You can leave your coat here. (コートはこちらに置いていいですよ。/ 置いてください。)
  • 提案・アドバイス:
    • You can always ask me if you have questions. (質問があればいつでも私に聞いていいですよ。/ 聞いてくださいね。)
    • We can discuss it later if you’re busy now. (もし今お忙しいなら、後で話し合うこともできますよ。)
  • 慣用表現:
    • You can say that again! (全くその通りだ!)
    • You can bet on it! (請け合いますよ! / もちろんだとも!)

これらの用法は、基本的な意味(許可、可能性)が少し変化したものと捉えることができます。文脈の中で判断しましょう。

can の用法の広がり、感じていただけましたか? 「できる」という意味を核に、様々なニュアンスで使われているんですね!

AYUMI
AYUMI

can って本当に色々な意味があるんだね! 「~のはずがない」とか「~してくれませんか?」とか、日常会話でめちゃくちゃ使えそう! コアイメージで考えると、なんとなく繋がりが見えてきたかも!


canと混同しやすい表現・注意点 – be able to, could との使い分け

can の用法を学んだところで、次に can と意味が似ていて混同しやすい表現、特に be able to との使い分け、そして過去形 could の注意点について見ていきましょう。ここをクリアにすれば、can マスターにぐっと近づきます!

can と be able to の違いと使い分け – いつ be able to を使う?

can と be able to は、どちらも「~できる」という能力や可能性を表しますが、いくつかの重要な違いがあります。

文法的な違い(他の助動詞や不定詞・動名詞との組み合わせ)

これが最も明確な違いです。can は助動詞なので、他の助動詞 (will, may, must など) と一緒に使ったり、to不定詞 (to can) や動名詞 (canning) の形にしたりすることはできません。このような場合、can の代わりに be able to を使います

  • 未来の能力・可能性:
    • × I will can attend the meeting tomorrow.
    • ○ I will be able to attend the meeting tomorrow. (明日は会議に出席できるでしょう。)
  • 完了形の能力・可能性:
    • × I have canned solve the problem.
    • ○ I haven’t been able to solve the problem yet. (まだその問題を解決できていません。)
  • 不定詞や動名詞として:
    • I want to be able to speak English fluently. (私は流暢に英語を話せるようになりたい。) ← to can とは言えない
    • Being able to communicate in different languages is important. (異なる言語でコミュニケーションできることは重要だ。) ← canning とは言えない

このように、助動詞 can が文法的に使えない場面では、be able to がその代わりを果たします。

ニュアンスの違い(一般的な能力 vs 一時的な能力・達成)

意味の上でも微妙なニュアンスの違いがあります。

  • can: 一般的な能力や、その人が本来持っている能力・性質を表すことが多い。「(いつでも)~できる」という感じ。
  • be able to: can と同じ意味でも使えますが、特定の状況下での一時的な能力や、「努力してなんとか~できた」という達成を表すニュアンスで使われることもあります。

例:

  • He can speak Chinese. (彼は中国語が話せる。) ← 一般的な能力
  • He is able to speak Chinese. (同上。can の方が普通)

・I lost my voice yesterday, but I am able to speak today. (昨日は声が出なかったけど、今日は話すことができる。) ← 一時的な状況での可能

・Even though the problem was difficult, she was able to solve it. (問題は難しかったが、彼女はそれを解くことができた。) ← 努力して達成した(この過去の用法は特に重要)

ただし、現代英語、特に肯定文においては、このニュアンスの違いはそれほど厳密ではなく、多くの場合 can と be able to は交換可能です(can の方が一般的)。

使い分けのまとめ

  • 助動詞の後、完了形、不定詞、動名詞など、文法的に can が使えない場合は be able to を使う
  • 過去のある特定の状況で「努力して~できた」と言いたい場合は、was/were able to を使う(could ではないことが多い)。
  • 上記以外の場合(特に現在形の肯定文)は、can を使うのが一般的で自然。be able to はやや硬い響きになることがある。

過去形 could の使い方 – 過去の能力、丁寧さ、推量

can の過去形 could も非常に重要で、多様な使い方があります。注意点をいくつか見てみましょう。

過去の能力「~できた」 – could と was/were able to の使い分け

過去に「~できた」と言いたい場合、could を使うのが基本ですが、「過去のある特定の状況で、実際に(努力して)~することができた」という達成を表す場合には、could ではなく was/were able to を使うのが一般的です。

  • could:過去の一般的な能力・可能性を表す。「(昔は)~できた」「(やろうと思えば)~できたはずだ」というニュアンス。
    • 例: He could swim well when he was a child. (彼は子供の頃、上手に泳げた。) ← 一般的な能力
    • 例: I could have helped you, but I was too busy. (手伝うこともできたんだけど、忙しすぎたんだ。) ← やろうと思えばできた可能性(仮定法過去完了)
  • was/were able to:過去の特定の状況で、実際に何かを達成できたことを表す。「(困難だったが)なんとか~できた」。
    • 例: The fire spread quickly, but luckily everyone was able to escape. (火事は急速に広がったが、幸いにも全員が逃げることができた。) ← 特定の状況での達成。ここでは could escape とはあまり言わない。
    • 例: We searched for hours, and finally we were able to find the key. (何時間も探して、ついに私たちは鍵を見つけることができた。) ← 努力の結果、達成。

【例外】
・否定文 (couldn’t / wasn’t/weren’t able to) の場合は、どちらを使っても意味はほぼ同じです。「~できなかった」。

例: I tried hard, but I couldn’t [wasn’t able to] open the bottle. (一生懸命やったけど、ボトルを開けられなかった。)

  • see, hear, feel, smell, taste, understand, remember などの知覚・思考を表す動詞の場合は、特定の状況でも could を使うのが普通です。

例: I could hear a strange noise outside last night. (昨夜、外で奇妙な物音を聞くことができた。) ← heard a strange noise でもOK。

この could と was/were able to の使い分けは、ネイティブでも感覚的に使っている部分があり、少し難しいですが、特に「実際に達成できた」ことを強調したい場合は was/were able to を使う、と覚えておくと良いでしょう。

現在の丁寧な依頼・許可 (Could you…? / Could I…?)

前述の通り、could は現在の丁寧な依頼や許可を求める表現として非常によく使われます。can よりも控えめで丁寧な印象を与えます。

  • Could you please tell me the way? (道を教えていただけますでしょうか?)
  • Could I possibly borrow your car for an hour? (1時間ほどお車をお借りしてもよろしいでしょうか?)

現在の推量「~かもしれない」 (may/might と同様)

could は、may や might と同様に、現在の事柄に対する推量(可能性)を表すこともできます。確信度は may や might と同程度か、やや低いニュアンスです。

  • “Where’s John?” “He could be in his office.” (「ジョンはどこ?」「オフィスにいるかもしれないね。」)
  • Be careful. That dog could bite you. (気をつけて。あの犬は君に噛みつくかもしれないよ。)

過去形なのに現在の推量を表す、というのがポイントですね!

cannot/can’t の意味 – 不可能・禁止・強い否定推量

最後に、否定形 cannot / can’t の意味を再確認しておきましょう。文脈によって意味が変わるので注意が必要です。

  1. 不可能「~できない」:
    • She can’t come to the party because she is sick. (彼女は病気なのでパーティーに来れません。)
  2. 禁止「~してはいけない」:
    • You can’t make noise here. (ここで騒いではいけません。)
  3. 強い否定推量「~のはずがない」:
    • It can’t be true! That’s impossible! (それが本当のはずがない!ありえない!)
    • He can’t have finished the work already. (彼がもう仕事を終えたはずがない。) ← 過去のことに対する否定推量(完了形と)

特に③の「~のはずがない」という意味は、must の「~に違いない」と対になる重要な推量の表現なので、しっかりマスターしましょう!

can, could, be able to, cannot… 使い分けが少し複雑な部分もありますが、それぞれの持つニュアンスと文法的なルールを理解すれば、怖くありません! 焦らず一つずつ整理していきましょう。

AYUMI
AYUMI

can と be able to の違い、could と was able to の違い… ややこしい~! でも、will の後とかは be able to を使うってルールは分かりやすい! 過去の「できた」の使い分けは難しそうだけど、知覚動詞とか否定文は could でいいのね。少しずつ慣れていくしかないか…。


まとめ:canをマスターして英語表現を豊かに!

今回は、英語の基本助動詞である “can” について、そのコアイメージから多様な用法、そして混同しやすい表現との違いまで、詳しく解説してきました。最後に、can の重要ポイントをまとめておきましょう。

  • can のコアイメージ: 「潜在的な可能性」「できる力」。これが様々な意味の根底にある。
  • can の主な用法:
    1. 能力・可能: 「~できる」(技能、一時的・状況的な可能)
      • 例: I can ski. / We can meet tomorrow.
    2. 可能性: 「~ありうる」「~することがある」(一般的・理論的可能性)
      • 例: Anyone can make mistakes.
    3. 許可: 「~してもよい」(カジュアル。与える・求める)
      • 例: You can use this. / Can I go?
    4. 依頼: 「~してくれませんか」(カジュアル)
      • 例: Can you help me?
    5. (cannot/can’t) 強い否定推量: 「~のはずがない」
      • 例: It can’t be true.
  • can の基本ルール:
    • 動詞の原形の前に置き、後ろは必ず動詞の原形
    • 主語による変化なし。助動詞と重ねて使えない。
    • 否定形は cannot / can’t、疑問文は Can + 主語…?
  • can と be able to の違い:
    • 文法的に can が使えない場面 (will の後など) では be able to を使う。
    • 過去の特定の状況で「達成できた」場合は was/were able to を使うことが多い。
    • それ以外は can が一般的。
  • could の主な用法:
    • 過去の能力・可能「~できた」(一般的な能力)。
    • 現在の丁寧な依頼・許可 (Could you…? / Could I…?)。
    • 現在の推量「~かもしれない」。

can は単に「できる」という意味だけでなく、可能性、許可、依頼など、日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる、非常に応用範囲の広い助動詞です。そのコアイメージを掴み、様々な用法を理解することで、あなたの英語表現は格段に豊かになります。

最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、一つ一つの意味と使い方を、例文を通して確認し、実際に使ってみる練習を繰り返すことで、必ず身についていきます。ぜひ、この記事を参考に、助動詞 can を自信を持って使いこなせるようになってくださいね! 応援しています!

AYUMI
AYUMI

can の使い方、すごくよく分かった! 「できる」だけじゃないって知って、英語の奥深さを感じた! これからは色々な意味で can を使ってみたいな! 練習あるのみだね!

コメント