「最上級」と聞くと、”the tallest” や “the most beautiful” のような形を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。でも、英語の最上級表現はそれだけじゃないんです。「え、そんな言い方も最上級なの?」と驚くような、とっても便利な慣用表現がたくさんあるんですよ。
この記事では、英語学習を始めたばかりの方や、中学生、高校生、大学生、そしてTOEICのスコアアップを目指す皆さんに向けて、最上級を使った重要な慣用表現をピックアップして、分かりやす~く解説していきます。これらのフレーズをマスターすれば、あなたの英語の表現力がぐっと豊かになること間違いなし!ぜひ最後まで読んで、最上級の達人を目指しましょう!

最上級って、the -est だけじゃないんだ!どんな表現があるのかワクワクします!
まずは基本の確認!「最上級」ってなんだっけ?比較のルールをおさらい
本格的な慣用表現に入る前に、まずは「最上級」の基本的な作り方と考え方について、軽~くおさらいしておきましょう。「そんなの知ってるよ~」という方も、復習のつもりでお付き合いくださいね。
形容詞・副詞の最上級の形
最上級は、「3つ(3人)以上のものの中で一番~だ」と言いたいときに使う表現です。形容詞や副詞の形をちょっと変えるだけで作れちゃうんですよ。
基本的なルールは2つです。
- 短い単語(1音節の語や、2音節で-y, -er, -ow, -leで終わる語など)の場合:
語尾に -est をつけて、前に the を置きます。
例:tall → the tallest (一番背が高い), large → the largest (一番大きい), easy → the easiest (一番簡単な), early → the earliest (一番早い) - 長い単語(主に3音節以上の語や、一部の2音節語)の場合:
単語の前に the most を置きます。
例:beautiful → the most beautiful (一番美しい), important → the most important (一番重要な), difficult → the most difficult (一番難しい)
副詞の最上級では、the を省略できる場合もありますが、形容詞の最上級では基本的に the が必要です。迷ったら the をつけておくのが無難ですよ。
そして、不規則に変化する形容詞・副詞もあります。これはもう、覚えるしかありません!代表的なものをいくつか見てみましょう。
原級 | 比較級 | 最上級 | 意味(最上級) |
---|---|---|---|
good (よい) / well (上手に) | better | the best | 一番よい / 一番上手に |
bad (悪い) / ill (病気で) | worse | the worst | 一番悪い |
many (多い) / much (多い) | more | the most | 一番多い |
little (少ない) | less | the least | 一番少ない |
far (遠い) | farther / further | the farthest / the furthest | 一番遠い |
これらの基本を押さえておけば、最上級の慣用表現の理解もスムーズになりますよ。

基本の形、意外と忘れてるかも…しっかり復習しなきゃ!
日常会話や試験で役立つ!覚えておきたい最上級の重要慣用表現
さあ、ここからが本番です!ネイティブスピーカーが日常的によく使う、覚えておくととっても便利な最上級の慣用表現をたくさんご紹介します。例文と一緒に、使い方やニュアンスをしっかり掴んでいきましょう!
1. one of the + 最上級 + 複数名詞 「最も~なものの1つ」
これは本当によく使われる表現ですね。「一番~なものがいくつかあって、その中の一つだよ」と言いたいときに使います。
例文:
- Kyoto is one of the most popular cities for tourists in Japan.
(京都は日本で観光客に最も人気のある都市の1つです。) - She is one of my best friends.
(彼女は私の親友の1人です。) - This is one of the most difficult problems I’ve ever faced.
(これは私が今まで直面した中で最も難しい問題の1つです。)
超重要ポイント! “one of the + 最上級” の後には、必ず複数名詞が来ます。 たくさんある「最も~なもの」の中から「1つ」を選ぶわけですから、名詞が複数形になるのは自然ですよね。ここ、テストでもよく狙われるので気をつけてくださいね!
2. the + 序数 + 最上級 「~番目に…な」
「一番じゃないけど、2番目だよ」とか「3番目に大きいんだ」みたいに、順位をつけて言いたいときに使うのがこの形です。「序数」というのは、first (1番目), second (2番目), third (3番目), fourth (4番目)… のような言葉のことですね。
例文:
- Lake Biwa is the largest lake in Japan. Lake Kasumigaura is the second largest lake.
(琵琶湖は日本で一番大きな湖です。霞ヶ浦は2番目に大きな湖です。) - This is the third tallest building in this city.
(これはこの街で3番目に高い建物です。) - He was the first great scientist in that field.
(彼はその分野における最初の大科学者でした。)← この場合、「最初の偉大な」となり、最上級の強調的な使い方にも近いです。
序数の前には the をつけるのが基本です。first, second, third 以外は、数字に -th をつけるのが一般的ですが、綴りに注意が必要なものもあります (例: five → fifth, nine → ninth, twelve → twelfth)。
3. at (the) best / at (the) worst
これらはセットで覚えておくと便利な表現です。
- at (the) best: 「よくても~」「せいぜい~」
あまり期待できない状況で、「最高に見積もってもこの程度だろう」というニュアンスです。- The report will be finished by Friday at best.
(そのレポートは、よくても金曜日までには終わるだろう。) - He will get a C grade at the best.
(彼はせいぜいC評価だろう。)
- The report will be finished by Friday at best.
- at (the) worst: 「最悪の場合~」「どんなに悪くても~」
文字通り、最も悪い状況を想定して言うときに使います。- At worst, we might have to postpone the event.
(最悪の場合、私たちはイベントを延期しなければならないかもしれない。) - The damage will be minor at the worst.
(損害は、どんなに悪くても軽微だろう。)
- At worst, we might have to postpone the event.
best や worst の前の the は省略されることもよくあります。特に会話では省略されがちですね。
4. at least / at most
こちらもペアで覚えたい表現です。数量や程度について言うときによく使われます。
- at least: 「少なくとも~」
最低限のラインを示します。- You should sleep at least seven hours a night.
(少なくとも1晩に7時間は寝るべきです。) - I go to the gym at least twice a week.
(私は少なくとも週に2回はジムに行きます。)
- You should sleep at least seven hours a night.
- at most: 「せいぜい~」「多くても~」
最大限のラインを示します。- The concert ticket will cost 5,000 yen at most.
(そのコンサートのチケットは、高くても5000円でしょう。) - It will take at most 30 minutes to get there.
(そこに着くのにせいぜい30分しかかからないでしょう。)
- The concert ticket will cost 5,000 yen at most.
「at best」と「at most」って、どっちも「せいぜい」って訳せるけど、どう違うの?
いい質問ですね!たしかに日本語にすると似ていますが、ニュアンスが異なります。
at best は、「質や状況の評価」について「最高でもこの程度」という意味合いが強いです。例えば、「彼の演技はせいぜい平凡だった (His performance was mediocre at best.)」のように使います。
一方、at most は、「数量や数値の上限」について「多くてもこれくらい」という意味合いです。例えば、「会議はせいぜい1時間で終わるだろう (The meeting will last an hour at most.)」のように使います。使い分けられると、より正確な表現ができますよ!
5. the very + 最上級 「まさに一番~な」「正真正銘の~」
最上級をさらに強調したいときに “very” を使います。「本当に、まさに一番なんだ!」という気持ちを込めたいときにぴったりです。
例文:
- This is the very best cake I’ve ever tasted!
(これは私が今まで食べた中でまさに最高のケーキだ!) - She arrived at the very last moment.
(彼女はまさに土壇場で到着した。) - He lives in the very heart of Tokyo.
(彼はまさに東京のど真ん中に住んでいる。) ← この場合の very は「まさにその」という意味で、最上級ではないですが、強調のニュアンスは似ていますね。
6. by far the + 最上級 「断トツで~な」「はるかに一番~な」
“by far” を使うと、「他と比べて、ずば抜けて一番だよ!」という強い強調を表すことができます。会話でもよく耳にする表現です。
例文:
- She is by far the most talented musician in the orchestra.
(彼女はオーケストラの中で断トツで最も才能のある音楽家だ。) - This is by far the easiest way to solve the problem.
(これが断トツでその問題を解決する最も簡単な方法だ。) - English is by far the most widely spoken language in the world.
(英語は世界で断トツで最も広く話されている言語だ。)
“by far” は最上級を修飾する場合、通常 “the” の前に置かれますが、”the … by far” のように最上級の後に置かれることもあります。どちらも正しい使い方です。
7. not … in the least 「少しも~ない」「全く~ない」
「え、これが最上級?」と思うかもしれませんが、”least” は “little” (少ない) の最上級ですよね。なので、「最も少ない程度でさえ~ない」という意味から、「全く~ない」「少しも~ない」という強い否定を表すんです。”not … at all” と同じような意味で使われます。
例文:
- I am not in the least interested in his proposal.
(私は彼の提案に少しも興味がない。) - She was not tired in the least after running the marathon.
(彼女はマラソンを走った後も全く疲れていなかった。)
フォーマルな響きがありますが、日常会話でも使われます。覚えておくと表現の幅が広がりますよ。
8. 最上級の意味を表す「比較級」や「原級」を使った表現
直接最上級の形 (-est や most) を使わなくても、比較級 (A is -er than B) や原級 (A is as … as B) の構文を使って、実質的に「一番~だ」という意味を表すことができるんです。これは書き換え問題などでよく出てくるので、しっかり押さえておきましょう!
主に以下のパターンがあります。
- No (other) + 単数名詞 + is as [so] + 原級 + as A. 「Aほど~な(名詞)は他にはない」
- No (other) + 単数名詞 + is + 比較級 + than A. 「Aより~な(名詞)は他にはない」
- Nothing is as [so] + 原級 + as A. 「Aほど~なものはない」
- Nothing is + 比較級 + than A. 「Aより~なものはない」
- A is + 比較級 + than any other + 単数名詞. 「Aは他のどんな(名詞)よりも~だ」
- A is as + 原級 + as any (other) + 単数名詞. 「Aは他のどんな(名詞)にも劣らず~だ」
例文で見てみましょう。「富士山は日本で一番高い山だ (Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.)」をこれらのパターンで言い換えると…
- No other mountain in Japan is as [so] high as Mt. Fuji.
- No other mountain in Japan is higher than Mt. Fuji.
- (「もの」で言うなら) Nothing in Japan is higher than Mt. Fuji (as a mountain). ← 少し不自然かも。山に限定した方が良いですね。
- Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan.
- Mt. Fuji is as high as any (other) mountain in Japan. (意味は少し弱まることも)
特に、No other … is as[so] … as A. と No other … is …-er than A. は、「Aが一番~だ」という意味になることをしっかり覚えておきましょう。
もう一つ例を挙げますね。
“Health is the most important thing.” (健康が最も大切なものだ。)
これを言い換えると…
- Nothing is as important as health.
- Nothing is more important than health.
このパターン、最初は少しややこしく感じるかもしれませんが、慣れるととても便利です!
ふぅ、ここまででもたくさんの表現が出てきましたね!でも、どれも使えるとグッと英語が自然になるものばかりです。少し休憩したら、次のステップに進みましょうか。

こんなにたくさんの言い換えがあるんですね!覚えたら表現力がアップしそう!
さらにステップアップ!知っていると差がつく応用的な最上級慣用表現
基本的な重要表現を押さえたら、次はもう少し応用的な慣用表現にもチャレンジしてみましょう。これらを使いこなせれば、あなたの英語はさらに洗練された印象になりますよ。
1. the + 最上級 + 名詞 + (that) S + have ever + 過去分詞 「Sが今まで~した中で最も…な名詞」
「今まで見た中で一番きれいな景色」「今まで読んだ中で一番面白い本」のように、自分の経験の中で「これが一番!」と言いたいときに使う、とっても便利な形です。現在完了形の「経験用法」 (have + 過去分詞) と一緒に使われるのがポイントですね。
例文:
- This is the most exciting movie (that) I have ever seen.
(これは私が今まで見た中で一番ワクワクする映画です。) - She is the kindest person (that) I have ever met.
(彼女は私が今まで会った中で一番親切な人です。) - It was the best trip (that) we have ever had.
(それは私たちが今まで経験した中で最高の旅行でした。)
名詞の後の “that” は関係代名詞で、目的格の場合は省略されることが多いです。日常会話では省略する方が自然かもしれませんね。
“have ever + 過去分詞” の部分は、経験を強調する役割があります。「これまでの経験すべてを振り返っても、これが一番!」というニュアンスが出ますよ。
2. make the most of ~ 「~を最大限に活用する」「~をできるだけ生かす」
与えられた機会や時間、持っている能力などを「最大限に良い状態にする」という意味の、とてもポジティブな表現です。
例文:
- Let’s make the most of our short vacation.
(短い休暇を最大限に活用しよう。) - He made the most of his opportunities and succeeded.
(彼はチャンスを最大限に生かして成功した。) - You should make the most of your talents.
(あなたは自分の才能を最大限に活用すべきだ。)
“make the best of ~” という表現も聞いたことがあるけど、どう違うの?
良いところに気が付きましたね! “make the best of ~” は、しばしば「(好ましくない状況の中で)最大限善処する」「(逆境などに)めげずに頑張る」というニュアンスで使われることが多いです。例えば、「悪天候だったけど、ピクニックを最大限楽しんだ (The weather was bad, but we made the best of our picnic.)」のように使います。
一方、”make the most of ~” は、必ずしも悪い状況でなくても、与えられたものを最大限有効に使う、というニュアンスが強いです。ただ、実際には区別があいまいな場合や、ほぼ同じ意味で使われることもありますよ。
3. do one’s best 「最善を尽くす」
これはもうお馴染みかもしれませんね!”one’s” の部分には、my, your, his, her, our, their などの所有格が入ります。
例文:
- I will do my best in the presentation tomorrow.
(明日のプレゼンテーションでは最善を尽くします。) - She always does her best at everything.
(彼女は何事にも常に最善を尽くす。) - We did our best, but we lost the game.
(私たちは最善を尽くしたが、試合に負けてしまった。)
「頑張って!」と応援するときにも “Do your best!” と言いますよね。シンプルですが、とても力強い励ましの言葉です。
4. to the best of my knowledge 「私の知る限りでは」
自分の知識の範囲内で情報を伝えるときに使う、丁寧で控えめな表現です。断定を避けたいときにも便利ですね。
例文:
- To the best of my knowledge, the museum is closed on Mondays.
(私の知る限りでは、その博物館は月曜日は閉館です。) - He is, to the best of my knowledge, an honest person.
(私の知る限りでは、彼は正直な人です。)
同じような意味で “as far as I know” や “so far as I know” もよく使われます。 “to the best of my knowledge” の方が少しフォーマルな響きがあります。
5. the last person (to do / S would want to do) 「最も~しそうにない人」「Sが最も~したくない人」
“last” には「最後の」という意味だけでなく、「最も可能性の低い」「最も~しそうにない」という意味もあるんです。ちょっと意外かもしれませんが、この使い方、覚えておくと表現の幅が広がりますよ。
例文:
- He is the last person to tell a lie.
(彼は最も嘘をつきそうにない人だ。→ 彼は決して嘘をつくような人ではない。) - She is the last person I would expect to see here.
(彼女は私がここで会うとは最も思わなかった人だ。→ まさか彼女にここで会うなんて。) - Money is the last thing on my mind right now.
(お金のことは今、私の頭の中で最も優先順位の低いことだ。→ お金のことは全く考えていない。)
この “last” の使い方は、直訳すると意味が分かりにくいことがあるので注意が必要です。「順番が一番最後に来るくらい、ありえない」というイメージで捉えると分かりやすいかもしれませんね。
応用編もなかなか手強かったでしょうか?でも、これらの表現は映画やドラマ、洋書などでもよく見かけるものばかり。知っていると、「あ、これだ!」と気づけて嬉しくなりますよ。

「the last person」の使い方は面白いですね!ネイティブっぽい表現ができそう!
まとめ:最上級の慣用表現をマスターして英語力アップ!
今回は、英語の「最上級」を使った便利な慣用表現をたくさん見てきました。最後にもう一度、ポイントをおさらいしておきましょう!
- 最上級の基本:
the -est / the most … が基本形。不規則変化も忘れずに! - 覚えておきたい重要慣用表現:
- one of the + 最上級 + 複数名詞: 最も~なものの1つ
- the + 序数 + 最上級: ~番目に…な
- at (the) best: よくても / at (the) worst: 最悪の場合
- at least: 少なくとも / at most: せいぜい
- the very + 最上級: まさに一番~な
- by far the + 最上級: 断トツで~な
- not … in the least: 少しも~ない
- No other … as[so] … as A / No other … -er than A: Aが一番~だ
- 応用的な慣用表現:
- the + 最上級 + 名詞 + (that) S + have ever + 過去分詞: Sが今まで~した中で最も…な名詞
- make the most of ~: ~を最大限に活用する
- do one’s best: 最善を尽くす
- to the best of my knowledge: 私の知る限りでは
- the last person to do: 最も~しそうにない人
これらの慣用表現は、知っているだけでリスニングやリーディングの理解度が格段に上がりますし、スピーキングやライティングで使えれば、より自然で豊かな英語表現が可能になります。TOEICなどの試験対策としても非常に重要です。
一度に全部覚えるのは大変かもしれませんが、まずは自分が「これ使ってみたい!」と思ったものから、少しずつ例文ごと覚えて、実際に使ってみるのがおすすめです。声に出して練習するのも効果的ですよ。
最上級の表現は、日常会話をカラフルにしてくれるスパイスのようなもの。ぜひ積極的に使って、英語のコミュニケーションを楽しんでくださいね!

たくさんの表現を学べて大満足です!これで英語の表現が豊かになりそう!
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